十分な感染対策を行っていると思いきや、保育室内でコロナ感染が広がってしまった保育園があります。
保育園集団感染 昼寝中に拡大か 電通大調査 換気を助言
東京都内の保育園で4月28日以降、5歳児クラスの6人の感染が判明。この日の昼寝位置が近接していたという。厚生労働省は昼寝中はマスクを外すよう求めており、同園もマスクをさせていなかった。
石垣氏らの調査チームは、現地でベッドを並べ、感染した園児の呼気に見立てた煙をベッド付近で発生させて空気の流れを確認。煙は床をはうように周辺のベッドに広がった。
当時、天井近くの扇風機から園児に向けて風が送られていた。窓は開けられていた。調査チームは、扇風機の風で呼気が床に押さえつけられ、園児が寝ている低い位置で広がったと判断。扇風機を園児のいない床に向けることで空気の流れを変えるとともに、部屋の中央に空気清浄機を置いてウイルスを含んだ呼気を吸引するよう助言した。
https://www.sankei.com/article/20220522-XA6WWQGHGFI45GN33A4X2VGVVM/
最も効果的なコロナ対策の一つが「換気」です。外出先で店舗等へ入る際は、とにかく換気の有無を確認する様にしています。
複数の窓や扉を開けっ放しにしている店もあれば、客にすぐに扉を閉めさせる店もあります(二酸化炭素濃度が著しく高い値でした)。科学的な対策の有無により、店舗毎の意識が垣間見えます。
当時の保育園は窓を開け、天井近くの扇風機から園児へ向けて送風していました。十分な換気が行われている様に見えましたが、実際には園児の呼気が午睡中の園児周辺に滞留していました。言われなければなかなか気づけません。
対策としては扇風機を園児がいない床に向ける(=風向きを変え、呼気が滞留しないようにする)、そして空気清浄機で呼気を吸引するのが重要だそうです。
空気清浄機でコロナウイルスを吸引できるという話は眉唾で聞いていたのですが、シャープが行った実験では91.3%の減少効果が確認されました。
シャープのプラズマクラスター技術が世界で初めて浮遊する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の減少効果を実証しました。
コロナ禍以降、お世話になっている保育所でも大型空気清浄機が増えています。こうした効果を狙っているのかもしれません。ただ、小学校では見かけません。
この調査を行った電気通信大学の石垣先生は、コロナと換気に関する発表されています。今回の保育園での調査も下記研究と同じメンバーが行ったものと考えられます。
【News Release】電気通信大学:換気の気流がエアロゾル感染の一因に ~ クラスター発生地点での実地検証とシミュレーションから分析
https://www.smarthouse-readers.com/news/news.php?s=8212
保育園での調査結果がプレプリントサービス 「medRxiv」に掲載されているか調べたのですが、5月27日時点では未掲載でした。更なる研究や知見等を加えた上、近日中に発表されるのでしょう。新聞等による一報だけではなく、詳しく掲載されている原稿等が読みたいですね。
暑くなって冷房を使い出すと、換気は疎かになりがちです。しかし、換気は最も重要な対策です。特に園児がマスクを着用できない保育園では尚更です。今後もことある毎に換気の徹底を確認していきたいです。二酸化炭素モニターで客観的な数字を確認するのも大切です。