稀なケースですが、保育所等にて保育士が園児を虐待する事案が発生しています。
・【ニュース】園長・主任保育士が園児を虐待 新田あすか保育園（足立区）
・あかつき保育園（福岡市）で保育士が集団虐待 暴言・正座・壁ドン・食事強制
こうした事案は現在も発生しています。昨年から今年に掛けては、大阪府吹田市の私立保育所の保育士が園児を虐待していました。
お子さんが虐待を受けている――。子どもが通う保育園の元職員からかかってきた1本の電話をきっかけに、保護者が自治体や園に調査を求めたところ、保育士の虐待行為が次々に明らかになりました。全国で施設整備が急ピッチで進み、待機児童数が過去最少となった中で、何が起きているのでしょうか。（中略）
大阪府吹田市の私立認可保育園に長女（3）を預ける母親（34）は2月末、通園先の元職員から長女への虐待について電話で告げられ、がくぜんとした。担任保育士が長女の顔や背中をトイレでたたいたり、おやつを無理やり口に押し込んだり、着替えなどの際に「早くしろ」「うるさい、黙れ」などの暴言を吐いたりしているとの内容だった。
振り返ればこの担任のクラスになった前年4月以降、長女は登園を不安がり、おやつの時間に嘔吐（おうと）したとして迎えを求められたことも2回あった。夏以降はトイレでパニックを起こしたように泣き叫ぶようになり、手足の痛みを訴えたり、ほおを赤く腫らして帰宅したりした日もあった。
虐待の証言に加え、ショックだったのは、市の対応だった。実は元職員は3週間前に市役所にも通報していた。だが、市は園長に事実関係を確認するよう指示しただけで、母親が相談するまで立ち入り調査などを行わなかった。
母親は、自ら調査用のアンケートを作成。市と園にかけ合い、退職者も含めた園の保育士ら14人に配布したところ、10人が「虐待行為が行われている」と回答した。市も園への直接の聞き取りや文書指導に乗り出し、園を運営する社会福祉法人は担任を退職処分とした上で、職員研修などの再発防止策をまとめた。
だが、長女は今もトイレを怖がるなど虐待の傷は癒えない。元職員による通報後も長女の足に不審なあざが見つかるなど、虐待行為が続いていたことが疑われるが、市の保育幼稚園室の担当者は「民間事業者で起きたことは、まずは民間で対応してもらうのが基本だ。対応は適切だった」とする。母親は「認可ならきちんと行政の目が行き届いていると思っていた」と話す。（以下省略）
この記事を読んで真っ先に感じたのは「吹田市役所の担当者は鈍感だ」という事でした。
本件は元職員からの内部告発が行われてました。単なる人事上の不適切な措置等ではなく、園児の生命や身体に重大な影響を及ぼす内容でした。
しかし当初、吹田市は園長へ事実関係を確認する指示を行っただけであり、積極的な調査等を行いませんでした。
この姿勢は「民間事業者で起きたことは、まずは民間で対応してもらうのが基本だ。対応は適切だった」という発言そのものです。
が、これは裏目に出ました。通報後も虐待行為が続いていた疑われる、と母親は話しています。吹田市が行動したのは母親が園や市と積極的に相談してからでした。
自治体は原則として各保育所等へ年1回の指導監査を行っています。
指導監査とは、設備や運営に関する基準が遵守され適正な運営が行われているか、また入所児童等に対する処遇が適切に行われているか等を確認し、基準に満たない場合や不適切な事例が確認された場合に改善の指導を行うものです。
ただ、こうした指導監査で虐待等を見破るのは容易ではないでしょう。誰が自治体職員の目の前で園児に虐待行為を行うのでしょうか。
となると、重要視すべきなのは関係者からの相談や告発です。軽微な物であれば定期的な指導監査等の機会に確認するでしょうが、重い内容なら即座に行動するのが望まれます。
吹田市は「すぐに園長に指示を行った」としていますが、告発者や保護者等は「すぐに実効性がある対応を行って欲しい」という考えでした。
ここからは推測となりますが、内部告発した退職者はこうした園の現状に耐えきれなくなって退職したのでは無いでしょうか。
園で虐待が行われている、園長等に相談しても変わらない、同僚は見て見ぬ振り、キズが増える園児を見ると心が痛む････、保育士自身も病んでしまいそうです。
繰り返しとなりますが、保育士により園児虐待は重大な結果に繋がる恐れが高い行為です。
こうした内部告発や相談等があった場合、即座に立入調査を行う等の積極的な行動を行って欲しいです。
なお、吹田市は小学校でのいじめ案件でも1年半にわたって見て見ぬ振りをし続けました。市自体がこうした体質なのでしょうか。
ホント行政のノロマ加減にはあきれる！
うちの市、まだコロナの接種もできないし、入場保留も3年度またがりだし、いっそ市長になってぶっこわしたい！