神戸市の教育・子育て支援行政に何が起きているのでしょうか。

「警察に相談しなさい」児童相談所、女児追い返す 午前3時すぎ来所、保護せず

 神戸市中央区東川崎町1の市こども家庭センター(児童相談所)で当直業務を請け負うNPO法人の男性職員が、真夜中に助けを求めて訪れた小学6年の女児に対して「警察に相談しなさい」と伝えて追い返していたことが18日、同センターへの取材で分かった。女児はその後、交番に保護された。

 センターが夜間・休日の対応を委託しているNPO法人「社会還元センターグループわ」(同市北区)の男性職員。

 女児は10日午前3時すぎ、一人で同センターを訪れた。インターホンを押して「家庭でもめ事があり、親から家を追い出された」と説明したが、男性職員は画面越しに「警察に相談しなさい」と対応。女児は約30分後、生田署の交番を訪れて保護された。

 センターのマニュアルでは、夜間や休日に来庁者や通報があった場合、当番の職員はセンターの係長に報告して対応することになっていたが、男性は生田署から連絡があるまで係長への報告を怠っていた。女児はその後一時保護され、センターは今回のケースを虐待と判断した。

 センターの聞き取りに対し、男性職員は「インターホン越しで比較的年齢が高いように見えた。発言からも緊急性が感じられなかった」などと説明したという。センターは「不適切な対応だった」と謝罪。男性を指導した上、同法人に対しても、マニュアルに沿った対応の徹底を要請したという。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202002/0013127851.shtml

 神戸市こども家庭センター(児童相談所)で今月上旬の未明、親から家を追い出されたとして保護を求めてきた市内の小学6年の女児(12)に対し、当直業務を受託しているNPO法人の職員がインターホン越しに追い返していたことがわかった。女児は警察に自ら出向いて保護されたという。センターは「極めて不適切な行為だった」としている。

 センターなどによると、女児は今月上旬、自宅に帰宅した際、親から家に入ることを拒否された。女児は午前3時20分頃、センターのインターホンを鳴らし、「親から家を出された」と訴えたが、NPO法人の男性職員は詳細な状況を聞かず、インターホン越しに「警察に行って」と言い、対応を打ち切ったという。

 女児はその後、近くの交番に行き、午前5時頃、警察から連絡を受けたセンターに保護された。職員は「高校生に見え、話の内容も深刻そうには思えなかった」と話しているという。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200219-00050083-yom-soci

深夜に女児追い返した児童相談所 市への報告怠る

 神戸市中央区の市こども家庭センター(児童相談所)で、真夜中に小学6年の女児が当直業務を請け負うNPO法人の男性職員に追い返されていた問題で、センターの職員が市こども家庭局に報告していなかったことが19日、分かった。センターは「不適切な事案が発生した場合は本庁に報告することになっているが、報告を怠ってしまった。認識が甘かった」としている。

 センターなどによると女児は10日午前3時すぎ、同区東川崎町1のセンターを訪れ、夜間窓口のインターホン越しに、「家庭でもめ事があり、家を追い出された」と申告。しかし、男性職員はインターホンの画面だけ見て、「警察に相談しなさい」と追い返した。女児は約30分後、約300メートル離れた生田署管内の交番を訪れて保護された。

 男性職員はマニュアルに定められたセンター係長への報告を行っておらず、係長は同日朝、同署からの連絡で初めて知ったという。センターは同日中に男性職員に聞き取りを行ったが、所管する市こども家庭局には報告しなかった。市が問題を把握したのは、報道機関の問い合わせを受けた18日午後だった。

 市が夜間・休日の対応を委託しているNPO法人「社会還元センターグループわ」(同市北区)は、シルバーカレッジの卒業生らで結成。男性職員は5年ほど前からセンターでの業務に従事する。同法人の大槻隆文理事長(72)は19日午前、「子どもに不安な思いをさせて申し訳ない」と謝罪した。

 神戸市は、阪神・淡路大震災後の行財政改革の一環で、2005年度からセンターの当直業務に民間委託を導入。このNPO法人が一貫して請け負ってきた。

 市家庭支援課は「現状の体制では、(委託職員に)マニュアルに沿った対応をしてもらうしかない。委託先が適切かどうかも含めて検討したい」としている。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202002/0013128467.shtml

【午前3時半に何が】。
神戸市などへの取材で当日の詳しい状況がわかってきました。
今月10日の午前3時25分、小学6年生の12歳の女子児童が、神戸市中央区の児童相談所「神戸市こども家庭センター」の夜間受付を訪れました。
女子児童は、インターフォンを押し「ママに『家を出て行け』と言われた」と訴え、助けを求めます。
しかし、インターフォンの画面を通じて児童と話をしたNPO法人から派遣された男性相談員は、「来るところを間違えている。警察に相談しなさい」と言って、保護せず、そのまま帰しました。
神戸地方気象台によりますと、当日、午前3時半の神戸市の気温は1.4度でした。
関係者によりますと、相談員は、「インターフォンの画面越しには高校生ぐらいに見え、ふざけているのかと思った」と話しているということです。
女子児童は、午前3時40分におよそ300メートル離れた交番を探し当てて駆け込み「児童相談所に行ったが『警察に行け』と追い出された」と説明しました。
児童は、外出時の格好で上着も着ており、けがや体調不良は見られなかったということです。
警察は詳しい話を聞いた結果、真夜中に家を追い出す行為は虐待にあたるとして児童相談所に連絡し、午前5時半すぎ、女子児童は改めて保護されました。

仮に「年齢が高い様に見えた」も「発言から緊急性が感じられなかった」であったとしても、深夜3時過ぎに女の子が1人で訪ねてくる事自体が異常です。

高校生であったしても保護対象です。感度の低さに愕然としました。

夜間当直業務はNPO法人へ委託

神戸市こども家庭センター(児童相談所)は、夜間の当直業務をNPO法人「社会還元センターグループわ」へ委託しているそうです。

同法人は神戸市北区にあるシルバーカレッジ内に本部があり、同カレッジで学んだ高齢者を中心として組織された団体です。

この法人は、様々な分野においてそれぞれ蓄積された高度な知識と技能を有し、又豊富な経験を積んだ人たちの能力を活用し、一般市民に対して、福祉活動、社会教育の推進、健全なまちづくり、スポーツによる健康づくり、環境保全及び啓発活動、国際協力、生活文化の伝承等の事業を行い、障害者及び高齢者等一般市民の福祉の増進並びに子供たちの健全な育成を図り、公益の増進に寄与することを目的とする。

https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/115010184

神戸市関係の施設管理業務等も受託しています。いわゆるシルバー人材センターに似た組織ですね。深夜の当直業務に市職員を充てられる余裕がなく、外部発注したのでしょうか。

人気の無い、深夜のハーバーランド

門前払いされた女児は30分後に生田警察署管内の交番を訪れて保護されたそうです。さぞ心細かったでしょう。

児童相談所の近くにはハーバーランド交番があります。人気がない深夜を1人で歩き、同交番に辿り着いたのでしょう。

この地域は平日日中はサラリーマン等、週末の日中は多くの買い物客で賑わいます。しかし、住居は決して多くない地域であり、夜中の人通りは殆ど無いでしょう。

また、当時の外気温は1.6度しかありませんでした(気象データ)。

追い返した後に何らかの犯罪に巻き込まれたり、凍死にしてしまったも不思議ではない事態でした。

当直担当者は、来訪者の報告義務を怠っていました。生田警察署から児童相談所へ連絡があり、ようやく女児の存在を把握したのでしょう。

担当者は4-5年前から本業務に携わっていたそうです。あくまで推測となりますが、同担当者は以前にも同じ様に追い返していた恐れがあります。

門前払いされた児童の存在が別ソースで連絡されない限り、深夜訪問は無かった事にされてしまいます。

この担当者が当直していた時間帯の訪問記録等を精査し、他の担当者が当直していた日と比較すべきです。仮に大きな違いが生じていれば、同種行為を繰り返していた恐れが高いです。

後日、女児は虐待と判断されました。が、当直担当者による追い返しは「虐待」と同様の行為でした。

深夜訪問した女児の門前払い、神戸市への報告義務違反等、今回の行為は極めて大きな問題があります。

神戸市が同NPO法人を選定した理由も含め、徹底的に原因を究明すべきでしょう。

子供を取り巻く不祥事が相次ぐ神戸市役所

ここ数ヶ月間、神戸市役所では子供を取り巻く不祥事等が相次いでいます。本ウェブサイトでは取り上げませんでしたが、東須磨小学校での教員間いじめは今も解決していません。

神戸市須磨区の市立東須磨小学校の20代男性教員が、同僚の先輩教員4人に暴行や暴言などのいじめ行為を昨年から継続的に受けていたことが3日、関係者への取材で分かった。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201910/0012757871.shtml

また、児童相談所が頻繁に訪問等を繰り返していたにも関わらず、育児放棄によって乳児が死亡してしまいました。

【ニュース・2/14追記】神戸で乳幼児4人を育児放棄 高島伸也・裕美容疑者を逮捕 0歳児死亡

神戸市役所で何が起きているのでしょうか。

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(3/7追記)
「同種行為を繰り返していた恐れが高い」との指摘が当たってしまいました。

神戸の児相、過去にも高校生追い返す 公園で一夜明かす

 神戸市の「こども家庭センター」(児童相談所)の当直職員が深夜に助けを求めた小6年女児を門前払いしていた問題で、センターが過去にも深夜に相談に訪れた高校生を追い返し、公園で一夜を明かさせていたことが6日、分かった。女児の問題を検証する専門家の検討会議が同日開かれ、明らかになった。

 同市によると平成30年4月、高校生が午後11時ごろに同センターを訪れ、インターホン越しに「家を出るように言われたので相談したい」と申告。だが夜間・休日の窓口業務を市が委託するNPO法人「社会還元センターグループわ」の男性職員は「明日朝、改めて電話して」と門前払いしていた。高校生は近くの公園で朝まで過ごした後、改めてセンターを訪れ「家に帰る仲介をしてほしい」と相談。ケースワーカーが保護者に連絡し、帰宅させた。

 職員は小6女児の対応をしたのとは別人で、高校生が18歳を超えているように見え、落ち着いていたことから緊急性がないと判断したという。業務日報で市職員に事案を報告していたが、管理職も対応が不適切との認識していなかったという。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200306-00000662-san-soci