遂に変異株が関西の市中でも確認されました。兵庫県内で5人が確認され、内4人(80代女性・40代女性・20代女性・10代男性)は濃厚接触者でした。

兵庫の男女5人が変異株に感染 新型コロナ

 厚生労働省は8日、英国に滞在歴がない兵庫県と埼玉県の計8人が、英国で広がっている新型コロナウイルスの変異株に感染したのを確認したと発表した。

 兵庫県では、10代から80代の男女5人が感染した。埼玉県では、10歳未満の子ども2人と40代男性の感染が判明した。

 このほか同省は、成田空港に到着した男女3人が変異株に感染していたと発表した。2人は英国の変異株、1人は南アフリカで報告された変異株だった。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202102/0014066126.shtml

詳細は厚生労働省ウェブサイトに掲載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16630.html

変異株の市中感染が関西で初めて確認された事例となります。首都圏だけで無く、やはり関西でも起こりえます。

この4人にイギリス滞在歴や不特定多数との接触歴は確認されていません。誰かが外部から感染し、濃厚接触となる関係で広がったのでしょう。

兵庫県内の感染事例を追跡したところ、該当する事例がある自治体は概ね絞り込めました。以前から多くの感染者が発生している地域です(これ以上は控えます)。

変異株と言えども、感染予防対策は従来と同じです。手指消毒やマスク着用、そして会食や「三密」の回避です。

心配なのは関西の学校や保育所等に感染が広がらないか、そして大阪府は本日付で緊急事態宣言の解除要請を決定するか否かという点です。

変異株は子供に対する感染力が強く、イギリスでは学校閉鎖に追い込まれました。

また、ここで大阪府が緊急事態宣言の解除を要請すると、「関西はもう大丈夫」という誤ったメッセージを伝えかねません。

仮に緊急事態宣言が解除されても、飲食店に対する様々な要請(特に大阪市中心部の酒類や接待を伴う飲食店)は継続せざるを得ないでしょう。

経済活動も重要ですが、あくまで軸足は「感染予防」に置いて欲しいです。

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(3/2追記)

神戸市の感染者において、変異株が占める割合が急増しています。

コロナ変異株、神戸の感染者36人 割合は徐々に増加「気を緩めず感染対策を」

 神戸市は1日、市内の新型コロナウイルスの新規感染者らに対し、変異株の感染状況を独自に調べたところ、1月末から2月18日までに36人が変異株に感染していたと発表した。直近のデータ(2月12~18日)では、検体採取で確認された新規感染者のうち、約15%が英国型の変異株感染者だった。変異株感染の割合は徐々に増えているといい、市が警戒を呼び掛けている。(以下省略)

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202103/0014117513.shtml

詳しい内容は神戸市ウェブサイトに掲載されています。

神戸市における変異株サーベイランスの状況

https://www.city.kobe.lg.jp/documents/41218/20210301_rinjikaiken.pdf

変異株は1月28日までは確認されませんでした。しかし、1月29日以降に少しずつ確認される様になりました。

実は2月9日に公開した当記事にて「以前から多くの感染者が発生している地域です」とは、神戸市を指していました。兵庫県内の自治体・地域毎の感染者に変異株感染者を落とし込んだところ、矛盾しないのは神戸市のみでした。

80代女性は1月29日に発症しており、同じく神戸市でも1月29日以降に確認されています。

神戸市は市内に大きな港湾施設があり、関空を経由して外国と行き来する人間も少なくない地域です。変異株が広がっていても何ら不思議ではありません。

警戒すべきは大阪です。神戸で広がっているにも関わらず、大阪で広がっていないわけがありません。