先進的な子育て支援策で話題を集めている明石市、来年度からオムツ等を無償配送する方針を検討しています。

虐待リスク高いゼロ歳児 おむつ宅配で見守り 明石市

 兵庫県明石市は来年4月から、市内の0歳児におむつを無償提供する方針を固めた。母子の健康状態や虐待の有無をチェックする見守り活動と組み合わせることで育児支援につなげる。同市によると、おむつの無償提供は兵庫県内初。虐待予防を兼ねた取り組みは全国でも珍しい。

 子育て世帯の負担軽減が目的。事業費は約1億円を見込み、補正予算案を12月議会に提出する。

 0歳児1人につき、紙おむつ1カ月分(2パック分、3千円程度)を月1回程度、市が選定した業者に宅配してもらう。おむつが必要ない世帯には、同額分のおしりふきやミルクなど子育てに使う日用品を提供することも検討する。0歳児は年間2900人程度を見込む。

 宅配するドライバーには子育て経験のある女性を充て、親子の様子やサービスの利用状況などチェック項目に沿って確認してもらう。情報を踏まえ、市が必要に応じて保健師を派遣したり、相談窓口を紹介したりする。

 厚生労働省の調査によると、2016年度に虐待で死亡した子ども49人(心中を除く)のうち約65%が0歳児で、最も多い。母子が孤立しがちで虐待が発覚しにくいのが要因とされる。泉房穂市長は「最も支援が必要な時期の母子の孤立化を防ぎたい」とし、明石こどもセンター(児童相談所)と連携して虐待防止につなげたい考えだ。

 今年10月、国が幼児教育・保育を無償化したため、市が先行実施していた財源(年間約7億5千万円)の一部を割り当てる。

 同様の取り組みは、滋賀県東近江市や同甲良町が実施している。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201911/0012889129.shtml

0歳児を育てている最中は、毎日が戦争の様な慌ただしさでした。常に何かに追われ、子供の様子を注意し続け、休まる時間がありませんでした。

外出する機会は日常的な買い物や通院等、最小限に留めました。オムツや粉ミルクは専らAmazonで購入していました。

話をする相手も限られていました。家族か保育所の保育士や保護者ぐらいでした。振り返ってみると「社会から孤立していた」と感じます。

明石市が検討している政策は「育児用品の配送を切り口とした、乳児の見守り活動」が狙いでしょう。

紙オムツ2パック(月額3000円程度)をわざわざ配送するのであれば、同額を補助してもらった方がありがたいです。

しかし、明石市はわざわざ配送し、そして恐らくは手渡しする事により、親子の様子を確認したいのでしょう。

懸念もあります。
たとえばいつ、誰が配送するのでしょうか。

在宅時間が長いとは言え、寝かせ付けている最中にチャイムを鳴らされるのは迷惑です。子供の相手で精一杯の時間帯に宅配されても、対応する余裕はありません。

市から委託された業者とは言え、よく知らない方に親子の様子等を訊かれるのは抵抗があります。

また、ここ数年は宅配ドライバー等の不足感が強まっています。子育て経験があり、オムツ等を宅配でき、子育て世帯から適当なヒアリングができる人材をどうやって確保するのでしょうか。

着眼点は悪くないと感じました。ただ、実現可能性には疑問符が付きます。市職員(保健師)や民生委員が配送する等、もう少し練る必要がありそうです。