毎日の様に児童虐待等に関する事件が報道されています。目にしない日はありません。
そうした報道を注意深く見ていると、多くの事件に共通している点に気づきます。
地域や子育て支援施設(保育所・幼稚園・学校等)との関わりを有していなかったり、内縁の夫(子供と血縁関係が無い同居男性)が存在しているケースが多くを占めています。
大阪市は新年度予算案で地縁等がない世帯の子育て支援、そして児童虐待を防ぐ為の事業を重視して予算を配分しています。
産前・産後母子支援事業
実施施設において支援コーディネーター及び看護師等を配置し、特定妊婦等の相談に応じ、一時保護及び妊娠判定のための医療機関への同行受診を含む必要な支援を行う。(仮称)子育て支援訪問事業
行政機関や地域の支援につながっていない家庭に対して、訪問時に育児用品を配布することにより、支援を受け入れやすくするきっかけを作る。支援が必要であるにも関わらず、継続的な関わりができていない家庭を必要な支援につなげ、児童虐待を未然に防止し、早期発見・早期対応する。未就学児等全戸訪問事業
児童虐待の早期発見・早期対応のため、地域や行政機関の目の届きにくい未就園児等について、安全確認を行うための家庭訪問等を実施し、養育支援が必要な家庭は継続的な支援につなぐ。児童虐待防止関係機関連携強化事業
虐待による児童死亡事件が二度と起こらないように、子育て家庭を見守る社会資源である、精神科医療機関、保育所等に直近の法改正の内容や虐待に関する指針等を周知し、児童虐待の未然防止・早期発見につなげる。また、区役所職員が精神的に不安定な保護者に適切に支援ができるように専門研修を実施する。SNSを活用した児童虐待防止相談事業
虐待による児童死亡事件が二度と起こらないように、若年層が多く用いるSNSを虐待等の相談窓口のツールとして追加し、子育て中の保護者や子ども等に周知することで児童虐待の未然防止・早期発見につなげていく。
産前・産後母子支援事業では出産や育児に際して困難な課題に直面する可能性が高い母子を早期に見つけ出し、相談や支援に繋げていきたいのでしょう。
具体的にはシングルマザーや多胎育児を想定しているのでしょう。愛知県豊田市で三つ子の育児に悩み、死なせてしまった事件がありました。
出産前から情報を把握し、信頼関係を築き、定期的な訪問や相談が行えていれば防げたかもしれません。
子育て支援訪問事業・未就学児等全戸訪問事業は、地域(保育施設等?)や行政機関との繋がりがない家庭を訪問し、繋がりを構築すると共に児童の安全確認を行うものです。
育児用品を配布する建前で家庭訪問を行う事業は兵庫県明石市が導入を検討していますね。大阪市は明石市を参考にしたのでしょう。
乳児を育児していると、外出するのも非常に億劫となります。外出準備や病原菌を貰うのを避けたいので、外出するのは必要最小限にしていました。
また、保育所や幼稚園等を利用している児童は、保育士や幼稚園教諭等を通じて日々の様子を確認できます。特定の児童を重点的に見守るようにと、区役所から保育所等へ依頼が行われる事もあります。
しかし、保育所等を利用していなければ、こうした見守りは行えません。こうした家庭へ区役所等が訪問し、様子を確認したいのでしょう。
また、見守り等を行う保育士や区役所職員には専門的知識が不可欠です。児童虐待防止関係機関連携強化事業にて適切な研修等を行うとされています。
実は多くの児童虐待案件では、その兆候等を保育所・児童相談所・区役所等が把握しています。それでも防げない理由の一つには、関係職員の多忙さがあるでしょう。
千葉県野田市で小学4年女児が父親によって虐待死させられた事件では、児相や市役所の担当者異動・多忙・不勉強・無関心の狭間に事案が落ちてしまい、見過ごされてしまいました。
であれば、こうした研修のみならず、マンパワーを増強するのが根本的な対応かもしれません。児童虐待に対応する職員は非正規(会計年度任用職員)ではなく、数多くの正規職員を充てるべきでしょう。
こうした事業の主たる目的は、児童虐待の防止です。より直接的な事業として、SNSを活用した児童虐待防止相談事業も掲げています。
SNSを通じて気軽に相談できるのは良い方法ですね。出来れば24時間対応とし、困っている保護者や児童を救える手をいち早く差し伸べて欲しいです。
20代女性人口が増加する大阪
意外な事かもしれませんが、大阪では20代女性の人口が顕著に増加しています。商業集積地でのサービス業やインバウンド需要に対する観光業が牽引しているそうです。
人口減・高齢化社会の日本にあって、大阪では20代女性の人口が増加している。今年上半期の転入超過数は前年同期より7割も増え、このうち9割近くが20代女性だった。訪日外国人(インバウンド)向け市場が好調であることや、2025年大阪・関西万博の開催など雇用面での期待感が背景にあるとみられ、増加傾向は当面続きそう。行政は定住促進の好機とみて、婚活支援に力を入れている。(以下省略)
https://www.sankei.com/premium/news/190910/prm1909100004-n1.html
こうした女性の多くは地縁がない大阪で結婚し、出産・子育てするでしょう。
中には育児に悩む方も現れる筈です。育児支援や児童虐待対策を早期に事業化し、対応して欲しいですね。
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