5月9日に成立した子ども・子育て支援法の改正案に伴い、政令・内閣府令も改正されます。驚く事に、意見募集手続(パブリックコメント、パブコメ)の募集締切が5月23日とされています。

詳細な内容等は、「パブリックコメント:意見募集中案件詳細」に掲載されています。

「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令案」並びに「子ども・子育て支援法施行規則の一部を改正する内閣府令」及び「特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準の一部を改正する内閣府令」に対する意見募集について

https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095190450&Mode=0(リンク先に詳細)

驚いたのは「意見提出が30日未満の場合その理由」です。

幼児教育・保育の無償化の本年10月からの円滑な施行に向けて、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律及び改正政府令に基づき市町村が制定する条例について、6月議会への条例案提出に間に合うようにすること、幼稚園が夏季休業に入る前(6月中)に、市町村が各幼稚園を通じて制度の周知や保育の必要性の認定等の手続を開始する必要があることから、遅くとも5月中に関係政府令の公布を行うことが必要である。以上を踏まえ、意見提出期間を短縮して意見募集を行うこととした。

確かに10月から実施する為には、自治体での条例制定が必要となるでしょう。

しかし、そもそも法案が可決したのが5月9日でした。ここから各自治体へ周知し、必要な条例等を制定し、全国一斉に10月から始めるのは無茶なスケジュールです。

各自治体の担当者は長時間勤務を余儀なくされるのではないでしょうか。働き方改革はどこに行ってしまったのでしょうか。

改正する政令・内閣府令案は、概ねは従来から報道されている通りの内容です。ざっと箇条書きで記します(間違っていたらごめんなさい)。

【政令案】
・満3歳児以上、及び3歳児未満児の住民税非課税者が負担する保育料をゼロとする
・企業主導型保育の利用者無償化に掛かる財源は、事業主拠出金で負担する(報道されていた?)
・無償化の基準となる住民税は、未婚ひとり親も寡婦等とみなして算出する
・3歳児以降の保育所保育料の上限額は25,700円、預かり保育は11,300円、認可外保育施設は37,000円とする
・無償化する財源は、都道府県が4分の1、国が2分の1を負担する
・保育料を9月ではなく10月から切り替える事ができる(令和元年に限る)

【内閣府令案】
・日用品、行事費、食費(給食やおやつ?)等は施設等利用費の対象とならない(=保護者が実費負担?)
・3歳児以上の副食費も保護者から支払いを受けられる費用とする(低所得世帯、保育料が無料となる第3子を除く)
・保護者が施設へ支払う費用は、書面化・説明・同意を要する(←施設の事務が大変な事に)

年度途中の制度改正によって自治体担当者が、そして保育所の事務担当者が大忙しになるでしょう。特に10月は負担額が大きく変動し、全国で大騒ぎになりそうです。

冒頭のツイッターにある通り、パブコメの提出期限は2019年5月23日(今日!)までです。

思うところがある方は、本日中に内閣府共通意見等登録システムから提出して下さい。無償化に限らず、子育て全般についてどんどん意見を送りましょう。

余談となりますが、ここ数年の子育て支援制度や無償化等について、政府が子育て世帯の声を聞いた覚えがありません。

施設経営者の団体や企業の声ばかりを聞き、当事者たる子育て世帯の意見は全く鑑みられなかった気がしてなりません。誰の為の制度なのでしょうか。