自転車で子供の送り迎えや通勤・通学をされている方は少なくないと思います。
近頃話題になっている一つのニュースがあります。
小5の自転車事故、親に約1億円の賠償命令 相手女性は意識不明
2013.7.5 10:26神戸市北区で平成20年9月、当時小学5年生だった少年(15)の自転車にはねられて意識不明の状態が続いている女性(67)の夫と、保険金を支払った損害保険会社が、少年の母親を相手取り、計約1億590万の損害賠償を求めた訴訟の判決が神戸地裁であり、田中智子裁判官が母親に計約9500万円の支払いを命じたことが5日、わかった。判決は4日付。
判決によると、少年は自転車で帰宅途中、対向から歩いていた女性と正面衝突。女性は転倒した際に頭を強く打ち、今も意識が戻っていない。
田中裁判官は、少年が下り坂を時速20~30キロで走行し、前方不注視が事故の原因と認定。「自転車の走行方法を指導し、監督義務を果たしていた」とする母親側の主張について、「十分な指導や注意をしていたといえない」と退けた。
その上で、女性が事故のために得ることができなかった逸失利益や将来の介護費などを考慮し、女性の夫に約3500万円、損保会社へ約6千万円をそれぞれ支払うよう命じた。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130705/waf13070510280012-n1.htm
この報道を聞いた第一印象は「この通りの内容なら当然の判決。ほぼ全面認容かつ弁護士のコメントがないので、ひょっとしたら被告は弁護士を依頼していなかったのではないか。」でした。
判決文を読んでいない状態ですが、報道内容から考えさせられるリスクは下記の通りです。
1.子供の事故に関して保護者が責任を被る
子供に何度注意しても同じ事を繰り返されて事故を起こしたらどうにもなりません。
2.負担が高額になる場合がある
長年に渡る介護等が必要な場合、賠償額が2億円を越えるケースも生じるでしょう。
また、被害者側になった場合、事故によるケガをどうやって軽減するかが重要な問題となります。
3.強制保険制度がない
自動車の場合は自賠責保険が強制保険であり、任意に対人対物無制限保険に
加入しているケースが多いでしょう。
4.指導講習がない
自動車学校や免許試験場等で実技・法規知識等を習熟させられ、かつ試験に合格しないと自動車と違い、
自転車にはこうした強制的な訓練・免許制度はありません。
<対策>
1.適切な保険に加入する
賠償額が一定の範囲でしたら支払える方が多いでしょうが、数千万円となると多くの方が途方に暮れてしまうでしょう。
こうしたリスクを外部に転嫁して危険を分散するのが保険です。
(1)自転車保険
自転車事故に伴う賠償・死亡・後遺障害・医療費・弁護士費用等を補償するタイプです。
補償対象を自転車に基因する事故に限定する事により、保険料を安く設定しています。
(2)個人賠償責任保険特約
自動車・火災・傷害保険等の特約として個人賠償責任保険が付随しているタイプです。
私の場合、加入している火災保険の特約として個人賠償責任保険が含まれていました。
自転車事故以外でも加害者となってしまう可能性があり、広範な賠償責任保険はそのニーズに適う物でした。
比較的人気がある保険はこの様な物が挙げられます。
・au損害保険
・三井住友海上CYCLE自転車の保険
・チューリッヒ保険スーパー傷害保険Lite(傷害保険+賠償責任特約)
2.適切な講習を受講する
自転車販売店や各種団体等が自転車講習会を開催しています。
また、一部の自治体等では自転車運転免許制度を導入しています。
・日本トイザらス
・自転車博物館(大阪)
・自動車教習所における、自転車安全運転免許証交付講習会
3.ヘルメット等の装着の徹底
子供2人を乗せた3人乗り自転車が目の前で横転した現場を目撃した事があります。
勢いよく倒れて子供達は泣き叫んでいましたが、ヘルメットを被っていた為か、かすり傷程度の軽傷で済みました。
一方、子供達を守ったヘルメットには大きな擦り傷ができていました。
この衝撃が子供達の頭にそのまま降りかかったらと思うとぞっとします。
いくら交通ルールを守って安全運転を心がけても避けられない事故等はあります。
そうした際に身を守るのはヘルメットです。
特に咄嗟の回避行動を取れない子供用のヘルメットは必須でしょう。
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