関西では「子育て支援」を打ち出す自治体が少しずつ増えています。4-5歳児保育料(教育費相当分)を無償化した大阪市、保育料を全面的に無償化した守口市は典型例でしょう。
子育て支援により人口や税収が増えた街があります。兵庫県明石市です。神戸市の西隣にあり、日本子午線が通っている街です。三ノ宮駅まで新快速で15分程度、大阪駅も35分程度で到着します。
明石市長の泉房穂氏が、「子ども優先の街づくり」に掛ける思いを朝日新聞で語っています。
子どもを核にした街づくりを進め、人口増、税収増を実現している自治体がある。人口約30万人の兵庫県明石市。さまざまな取り組みは全国から注目される。子どものための政策にはどんな考え方が必要か、他の施策とのバランスをどうするのか。2011年の市長就任以来、独自の視点で取り組む泉房穂さんに聞いた。
市長の思いを簡単にまとめました。
・中学生までの医療費、第2子以降の保育料、市営施設の子どもの利用料等を全て所得制限なしで無料化した。
・以前は若者が進学や就職で外に出て、結婚後は阪神間で暮らすのが一般的だった。最近は子育て世代が明石に戻ってきている。
・市長就任後、人口は約6千人増えた。30歳前後の中間層の夫婦が子連れで転入するのが典型例。
・市税収入は5年前と比べて約30億円増える見込み。
・昨年も今年も待機児童は関西でワースト1。緊急対策で認可保育所の定員増、保育士へ一時金等を補助。
・高齢者から子どもに予算を回そうと考えたが総スカン、公の無駄の削減から始めた。
・原点は障害がある弟と過ごした子ども時代。
・やさしい社会をつくりたい。
詳しくは朝日新聞に掲載されています。非会員では途中までしか読めませんが、会員(無料会員を含む)になれば全文が読めます。
記事を読むと明石市長が子育て支援策に徹底して取り組んでいる様子が伝わってきます。明石市内で子育てしている友人もいます。
大阪市等の政令市であっても、人口や子育て世帯が増加し続けるのは「職住近接」という強みを有する中心部に限られています。
今後、政令市の周縁部や衛星都市が子育て世帯に選ばれる為には、何らかの積極的な子育て支援策が求められるでしょう。首長や自治体の決断如何で、人口減少・少子化は食い止められます(他の地域から奪うだけかもしれませんが)。