認可外保育施設での重大事故が後を絶ちません。
ようやくと言うべきでしょうか、厚生労働省が認可外保育に対して事故報告を義務化する方針を決めました。
厚生労働省は、保育士の数などが国の認可基準より緩い認可外保育施設に対し、死亡などの重大事故が起きた場合に自治体への報告を義務付ける方針を決めた。
来月意見公募を始め、今秋に児童福祉法に基づく省令を改正する。現在、報告義務があるのは国の基準を満たした認可施設のみで、すべての保育施設に対象が広がる。
認可外保育施設には、補助金なしで運営する施設、自治体が独自に補助する施設、深夜や宿泊に対応するベビーホテルなどがある。子どもの送迎などをするファミリーサポートやベビーシッターなどの保育事業も報告義務の対象になる。同省や内閣府は自治体を通して重大事故を把握し、事故内容の公表と検証を行う。
同省や内閣府は2015年4月、認可保育施設に対し、死亡や意識不明、全治30日以上の重大事故について、自治体への報告を義務付けた。認可外施設は、国の補助金が出ていないことなどを理由に対象外とし、通知で事故報告を求めていた。
実は1カ月ほど前に朝日新聞も報じています。
認可外保育も事故報告義務化へ 再発防止狙い、今秋にも
2017年7月23日01時39分認可外の保育施設で子どもの重大な事故があった場合、施設側に自治体への報告が義務づけられることになった。今は報告義務は認可施設だけにあるが、厚生労働省が関連省令を改正して今秋にも対象を全施設に拡大する。事故原因の検証例を増やし、事故が起きやすいケースを把握して再発防止につなげる狙いだ。
報告が新たに義務化されるのは、東京都の認証保育所など自治体が独自に補助する施設や、国や自治体の補助が一切ない駅前保育所、ベビーホテルといった全ての無認可保育施設。一時預かり事業や病児保育事業も対象だ。施設側から設置の届け出があったり、自治体が独自に運営を把握したりしている約2万5千施設となる。
自治体への報告を求めるのは死亡や全治30日以上の重大事故で、子どもの年齢や発生場所、時間などの情報だ。報告を受けた自治体は、必要と判断した場合に第三者による検証委員会を設けて事故原因を調べ、再発防止に生かすことになっている。
たんぽぽの国・スマイルキッズなど、認可外保育施設で園児が死亡する事故が相次いでいます。
救急搬送・刑事事件化・保護者が自治体へ相談した等のケースでは、自治体が把握して調査等を行えるでしょう。しかし、水面下に埋もれている重大事故も少なくないでしょう。
報告目的は再発防止とされています。しかし、認可外保育施設を利用する保護者にとっては、検討している施設で過去に重大な事故が起きていないかは大きな判断材料となります。施設名も公表すべきです。
ただ、施設名を公表してしまうと、経営への悪影響を恐れた「報告隠し」が行われる恐れもあります。難しい所です。