​またか、という気分です。

 自民党の山東昭子・元参院副議長が21日の党役員連絡会で、「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」と発言した。終了後、山東氏は朝日新聞の取材に「女性活躍社会で仕事をしている人が評価されるようになって、逆に主婦が評価されていないという声もあるので、どうだろうかと発言した」と述べた。申請制にして希望者を表彰する案という。

 役員連絡会は非公開。終了後の二階俊博幹事長の記者会見で発言は紹介されなかったが、山東氏が朝日新聞の取材に発言を認めた。

 女性の出産をめぐっては、2007年に当時の柳沢伯夫厚労相が「女性は子どもを産む機械」と述べ、安倍晋三首相が陳謝。09年には当時の麻生太郎首相が「(自分には)子どもが2人いるので、最低限の義務は果たしたことになるのかもしれない」と発言し、その後、撤回している。

http://www.asahi.com/articles/ASKCP5RL8KCPUTFK017.html

子育て世帯(予定を含む)や若年層が期待しているのは、表彰ではありません。「子供を産み育てつつ、経済的に自立していける制度」でしょう。

教育無償化・各種手当や控除等による経済的支援、育児休業・時短勤務・ワークライフバランスといった仕事と育児の両立を図る制度、子育て支援施設の整備、何よりも十分な給料を得られる仕事が重要です。

子育て世帯が政府に求めているのは「子育てへの下支え・手助け」です。俗な言葉で言うと「表彰するならカネをくれ」です。

産む産まないは個人の選択です。表彰や奨励策等により、国家が介入すべきものではないでしょう。表彰してもらえたら出産する世の中ですか?

しかしながら、過去にはたくさん出産した女性を表彰した国があります。ご紹介します。

大日本帝国(当時)

一、出産増加の方策
(リ)多子家族に対し物資の優先配給、表彰、その他各種の適切なる優遇の方法を講ずること

人口政策確立要綱(昭和16年1月22日閣議決定)より

「産児報国」とも呼ばれたそうです。

ソビエト連邦(当時)
https://twitter.com/Beriozka1917/status/932917075777003521

ナチスドイツ(当時)

山東議員は1974年に参議院議員として初当選、現在は7期目です。過去に環境政務次官・科学技術庁長官・参議院副議長を務めています。

非公開の役員連絡会の場とは言え、平気でこの様な発言を行う議員がいる限り、子育て世帯は「政府は本当に子育て支援を行い続けるのだろうか、途中でハシゴを外さないだろうか」と怯え続けます。

戦前回帰はうんざりです。