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【H28版】大阪市子育て支援施設マップ(非公式)より

H28保育所等一斉入所結果分析、地域編です。第14回は西区を取り上げます。なお、同区に関する過去の分析記事は、「検索:西区 分析」からご覧下さい。

分析精度の向上の為、今年から各保育所・年齢(0-2歳児)毎の「推定入所最低点」(以下「最低点」とします。)を掲載します。

未就学児数は年6%増!

西区での未就学児数は増え続けています。平成28年4月の時点では前年から378人も増え、5,541人に達しました。増加数は市内1、増加率は浪速区に次いで市内2位です。

西区は中央区・北区といったビジネス街に近くて職住近接を実現しやすいのに加え、落ち着いた町並みの中にタワーマンションが続々と建設されているのが主な理由でしょう。

しかし、保育所はなかなか増えません。平成28年6月に新町第2保育園が開所しました。しかし、3カ所を予定していた平成29年4月開所予定の公募では、1カ所も決まりませんでした。

市内で入所が最も難しいのは西区(東部)、か

これにより、平成28年度一斉入所では殆ど全ての保育所等において、入所最低点・入所者平均点が上昇しました。昨年までは中央区・天王寺区と並んで入所しにくい状況でしたが、H28一斉入所では(悪い意味で)頭一つ抜け出した形です。

西区は入所最低点が極めて高いのも一つの特徴です。倍率の高さに加え、共働きしやすい場所・認可外保育施設を利用しやすい収入を得ている世帯が少なくない、というのも背景にあるでしょう。

極めて厳しいのは東部地域(木津川以東)です。

東部地域の1-2歳児入所は加点必須

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地域別に見ていきます。まずは東部からです。同地域で保育所へ入所するのは困難な状態が続いていました。H28一斉入所では、更に難しくなった様子がうかがえます。

特に厳しいのは1-2歳児です。5歳児までの保育を行う保育所へ入所するのには、例外なく201点以上が必要だという結果が推測されています。つまり、フルタイム共働き(200点)の世帯は全て弾かれてしまっています。

昨年までは200点でも何とかなるかも、という保育所もありました。しかし、今年はそうした保育所もありません。200点で入所できる可能性があるのは、2歳児までの保育所を行う保育所・地域型保育事業しかありません。

こうなった理由は未就学児の増加・保育所新設の遅れに加え、数年前に転入した世帯で第2子以降が入所するケースが増えている為でしょう。同じ時期に転入・入所した場合、次子が産まれるタイミングも似がちです。

中には207点、つまりきょうだい加点・認可外保育加点(7点)があっても、1歳児入所できなかった児童が生じた可能性がある保育所もあります。アスク南堀江保育園りんりん保育園YPC保育園です。

こうした保育所では、少ない1歳児募集枠に多くの児童が第1希望として集まっています。強い理由があるならともかく、そうでなければ1歳児募集枠が大きくて倍率が相対的に低い保育所を希望した方が入所可能性が高まるでしょう。

それ以外の保育所も201点以上ばかりです。入所者平均点が204.8点と極めて高い西六保育園は、1歳児の最低点は共に205点です。YMCAとさぼり保育園・アポロ南堀江保育園・堀江敬愛保育園も同じ205点です。

2歳児も同じ傾向です。そもそも2歳児は募集している保育所が殆どありません。東部地域では西六保育園・アスク南堀江保育園・YPC保育園のみです。東部地域に限らず、西部地域の保育所でも加点が必須という状況です。

東部地域の0歳児入所はフルタイムで可能

一方、0歳児はやや落ち着いています。堀江敬愛保育園を除く全ての保育所において、最低点は200点以下となっています。実は西区の0歳児入所倍率は1倍を切っています。その為、希望する保育所のどこかには概ね入所できる状況となっています。

しかし、やはり第1希望が集中する保育所はあります。こうした保育所では200点で並ぶ世帯が多く、最終的には年収で決まるケースが少なくないでしょう。

0歳児入所より1歳児入所の方が難しいのは、ほぼ全ての区で共通した傾向です。ただ、西区はこの傾向が極めて強く出てしまっています。0歳児入所と1-2歳児入所、同じ保育所入所といえども必要な点数は大きく違います。理不尽としか言い様がありません。

2歳児までの保育所・地域型保育施設はやや入りやすい

次に2歳児までの保育所・地域型保育施設(小規模保育・保育ママ)を見ていきます。これまでの保育所とは大きく異なり、最低点は高くありません。一部を除き、フルタイムに満たない点数でも入所できる施設・年齢が大半です。違いがあまりに大きいと感じられます。

理由の一つとして、「5歳児までの保育所に入所できない場合、認可外で待機する傾向が強い」という仮説が考えられます。

地域型等に入所した場合、卒園時を除いて加点措置はありません。その為、途中転所は事実上困難となってしまいます。また、卒園時には新たな保育所を探し、申込等を行わなければなりません。入所できるとは限りません。

こうしたリスクを避けるべく、認可外保育施設へ入所して第1希望等の保育所で空きが待つのを待つ傾向が強いかもしれません。

また、高所得世帯であれば、保育所等と認可外保育施設の保育料に大きな違いが生じないケースも少なくありません。であれば、保育料の違いは認可外保育施設を避ける理由になりません。

優先入所枠がある地域型は入所困難

例外はおひさまルームです。0歳児最低点は190点、1歳児は205点という高さです。

同施設は西六保育園と同じ法人が運営しています。同保育園が連携施設とされ、卒園児の優先入所枠(4名分)が設定されています。その為、卒園時に希望すれば、西六保育園の3歳児として入所が可能です。事実上、同保育園の分園的な位置づけでしょう。

たいようランドも優先入所枠が設定されています。しかし、入所先はやや離れたキッズファースト(東成区・玉造駅前)です。優先枠の利用は困難と言えるでしょう。

西部地域の1歳児入所はフルタイム、2歳児は加点必須

次は西部地域です。西部地域にある保育所は決して多くありませんが、東部地域の様にタワーマンションが乱立している状況ではありません。その為、最低点は極端に高くありません。

大半の保育所の1歳児最低点は200点となっています。フルタイム共働きで入所内定/保留が別れる形です。入所倍率も東部地域ほどの高さはありません。

しかし、2歳児は異なります。全ての保育所で最低点は201点となっています。入所倍率は決して高くありませんが、認可外保育施設を利用している児童が少なくないのに加え、東部地域からの入所希望者が多い為でしょう。

上にも記したとおり、東部地域の2歳児募集数はごく僅かです。第2希望以下で西部地域の保育所を記入する世帯が少なくないでしょう。

一方、0歳児入所は決して難しくありません。一部の保育所を除き、フルタイムに準ずる点数で入所は可能だと見込まれます。東部とは大違いです。

西区東部での保育所申込は覚悟が必要

これまで記した通り、西区東部での保育所入所は極めて困難です。ずっと保育所へ入所できない、という家庭も少なくないでしょう。

入所最低点の高さは市内随一です。深刻な待機児童問題が叫ばれている、東京都世田谷区・杉並区に並ぶ難しさです。

今後もマンション等は増え続けるでしょう。保育所の新設は難航しています。保育所入所はより困難になる可能性が強いです。「子育て世帯に人気がある地域は、保育所入所が難しい」という言葉を表している地域と言えるでしょう。

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次回以降は都島区・淀川区・東淀川区・西淀川区(2歳児も)を掲載していく予定です。リクエスト等があればコメント・問い合わせからお寄せ下さい。

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