【ニュース】認可外保育「たんぽぽの国」(大阪市淀川区東三国)で1歳男児が死亡の続報です。
事故現場での保育は自粛中か
近くを通る機会があったので、事故現場となった建物を見てきました。
現場はビル2階です。明かりは全く無く、ひっそりと静まりかえっている様に感じられました。保育を行っている雰囲気は全くありません。事業中止命令等は出ておらず、自主的に運営を自粛しているのでしょうか。
一方、運営会社の事務所がある4階は照明が付いていました。
大阪市は第三者委員会を設置
一方、大阪市は事故原因を検証等するため、有識者・弁護士・保育関係者等から構成する第三者委員会を設置すると発表しました。
認可外保育施設の1歳児死亡事故で検証委を設置へ 大阪市
大阪市淀川区の認可外保育施設で男児(1)が昼寝中に意識不明になり死亡した事故で、吉村洋文市長は14日、原因を検証する第三者委員会を立ち上げると発表した。政府が保育現場での事故対応を定めた初のガイドラインに沿って報告書を作成、共有を図る。
検証委のメンバーに有識者や弁護士、保育関係者らを想定。吉村市長は同日の定例会見で「徹底して原因を究明し、2度と起きないように検証して再発防止に取り組みたい」と述べた。
http://www.sankei.com/west/news/160414/wst1604140086-n1.html
保育現場の事故に対して徹底的に調査を行っているのは京都市です。春日野園事件(園長の身内が園児を投げて重傷を負わせた)では徹底した調査を行い、詳細は調査報告書を作成・公表しました。
一方、宇都宮市で発生したトイズ事件(児童を拘束・虐待して死亡させた)では宇都宮市が積極的に調査を行わず、民事訴訟・施設従業員の証言等を経て、最終的に施設長等が逮捕されました。
京都市と宇都宮市、認可保育所と認可外保育施設という違いはあるものの、保育事故に対する姿勢が正反対でした。
「保育現場の事故対応ガイドライン」が公表されています
記事で触れている「保育現場の事故対応ガイドライン」は厚生労働省・内閣府ウェブサイトに公表されています。
教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン
・概要版
・事故防止の為の取り組み(施設、事業者向け)
・事故防止の為の取り組み(地方自治体向け)
・事故発生時の対応
こうした事故が2度と起きない為に、徹底した原因究明と再発防止が望まれます。調査結果をウェブサイトにて公表すると共に、他の保育施設にも提供して対応を促すべきでしょう。
小さな子供を育てている保護者としては、同じ様な事故が何度も繰り返されるのは堪りません。多くの事故ではうつ伏せ寝・有資格者不足・従業員不足が共通しています。徹底的に指導監督すると共に、利用者等からの情報提供も積極的に参考にすべきでしょう。
安全規制等を強化すると保育施設が減少する恐れもあります。しかし、安全性に欠ける施設が放置されるほど恐ろしい事態はありません。保護者が求めているのは「保育の質が保たれた、安全な施設」です。保育施設の増加もそろそろ限界が近いかもしれません。