平成28年度保育所等一斉入所申込状況分析、第12回もリクエストにお応えして都島区を取り上げます。

※10月28日に発表された数字に基づています。

h28_moushikomi_bunseki_miyakojima

昨年と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

1-2歳児は半数が入所できない見通し

都島区での保育所等入所申込数は昨年から微増に留まりました。しかし、募集数は31人も減少しています。昨年までは毎年行われていた保育所の新設が今年はなかった為です。地域型保育事業を除いた保育所のみで見ると、募集数は約50人も減少しています。その為、都島区で保育所へ入所するのは前年よりやや難しくなっています。

入所倍率が急上昇したのが2歳児です。昨年より0.52倍も増加て2.06倍となりました。新設保育所ゼロによって募集数が20人減少したのが効いています。2歳児募集を行っている保育所は決して多くなく、募集数も少なめです。その為、数少ない保育所・募集枠に多くの2歳児が殺到しています。

1歳児の入所倍率は1.81倍と高止まりしています。募集数は増えましたが、同じ程度に申込数も増えています。今年も申込者の約半数、100人以上の1歳児が保育所等へ入所できない見通しです。

一部保育所の1歳児入所倍率は著しい高さ

都島区では複数の保育所の入所倍率が2倍を超えています。最も高かったのは、保育所から認定こども園となった都島児童センターの5.30倍でした。地下鉄都島駅が近く、運営法人たる都島友の会は区内で複数の施設を運営しています。新築されたばかりの園舎が羨ましいです。

同センターは毎年高い入所倍率となっています。特に1歳児の入所倍率が極めて高く、今年は募集数2人に対して申込数26人でした。兄姉が在園していても入所できない児童が発生しそうです。いずれの年齢でも入所するには高い点数が求められます。

次に高かったのは、同じ都島友の会が運営する、都島桜宮保育園の2.15倍でした。申込数が昨年より20人も増加しています。1歳児の入所倍率は4.44倍という高さです。付近には大型マンションが多く、地下鉄都島駅/JR桜ノ宮駅が利用できます。

この2保育所はいずれも都島駅の南側にあります。この地域には他にも複数の保育所がありますが、第1希望は募集数と同程度に留まっています。つまり、第1希望が上記2保育所へ集中してしまっています。第1希望へ入れず、他の保育所等へも入所できなかった児童(特に1歳児)は決して少なくないでしょう。

都島駅の北側は保育所と地域型保育事業が数多くあります。入所倍率が2倍を超えたのは子ロバ保育園です。ここも1歳児が3倍を超えています。また、ぜんげんじさくらさくほいくえんは1倍を下回っていますが、昨年は入所基準点195、入所者平均点197.4という高さでした。極めて高い点数の方が第2希望以下で申し込んでいた、と推測されます。

1歳児第1希望は一部保育所へ集中する

1歳児の第1希望が一部保育所へ集中しています。大きな理由の一つは「5歳までの保育を考えると、乳児保育所や地域型保育事業は選択しづらい」からです。これらは原則として2歳までの保育となり、3歳からは別の保育所や幼稚園へ移る必要があります。再び保育所・幼稚園探しを行うのは負担が大きく、入所・入園できるとも限りません。都島区は乳児保育所・地域型保育事業が多くありますが、第1希望は決して多くありません。

その為、0-5歳までの保育を行う保育所、しかも駅に近くて口コミ情報等が入手しやすい一部保育所へ第1希望が集中してしまうのでしょう。

乳児保育所・地域型保育事業への入所も高点数が必要

しかし、だからといって乳児保育所・地域型保育事業なら入所しやすいわけではありません。これらは第2希望以下で申し込まれている場合が多いと推測されます。第1希望の保育所へ入所するには極めて高い点数が必要です。第1希望へ入所できなかった児童といえども選考点数は低くなく(200点も大勢居るでしょう)、乳児保育所等へ入所するにも高い点数が求められます。

都島駅周辺にある地域型保育事業への入所者平均点は少なくとも170点あり、特に京橋駅前にある桜の宮ベビーセンターは199.0点と著しく高くなっています。フルタイム共働きでなければ厳しいでしょう。

都島駅から離れるとやや入所しやすく

都島駅の周辺にある保育所は多くが入所が困難です。一方、少し離れるとやや様子が変わります。野江内代駅周辺はここ数年で複数の保育所が新設されています。城東区から登園される方もいるでしょう。城北公園通の周辺も同じ傾向です。入所者平均点が190点を割り、フルタイム共働きでない入所者も少なくなさそうです。都島駅周辺がフルタイム共働きでも厳しいのと比べると、雲泥の差です。

昨年の記事(参考)

【H27保育所一斉入所申込分析】(10)都島区
【H27保育所一斉入所申込分析】(22)都島区(募集数変更後)

次回の予定

大阪市内で保育所入所が最も困難な西区を、その後は住吉区・生野区・住之江区・浪速区等を予定しています。

「○○区の状況を早く知りたい」「○○保育所について突っ込んで分析して欲しい」等と言ったご要望がありましたら、コメント欄もしくはお問い合わせからお伝え下さい。