平成28年度保育所等一斉入所申込状況分析、第8回もリクエストにお応えして城東区を取り上げます。

※10月28日に発表された数字に基づています。

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昨年と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

城東区の入所倍率はほぼ横ばい、2歳児は倍率急上昇

城東区での保育所等入所倍率はほぼ昨年と同じ、1.04倍でした。申込数は86人増加しましたが、募集数は105人も増加しています。申込数が伸びているのは0-2歳児です。0歳児と2歳児は20人、1歳児は42人も増加しています。

注意が必要なのは2歳児です。0-1歳児は募集数も同程度に増加していますが、2歳児募集数は何と20人も減少しています。すれみ保育園(13人減)、今福南保育園(6人減)、森之宮保育園(6人減)、成徳保育園(10人減)が効いています。2歳児入所倍率は1.11倍から1.51倍へと急上昇しています。申し込んだ2歳児の内、3分の1にあたる50人以上が入所できない見通しです。

0-1歳児の入所倍率は昨年とほぼ同じです。地下鉄駅に近い、一部の保育所へ第一希望が集中している内容も一緒です。

駅チカ保育所へ第1希望が集中、区役所以北の国道1号線沿いは要注意

駅に近い保育所へ希望が集まる傾向は他区でも同一です。そうした傾向が城東区ではより一層と濃く出ています。同区内で第1希望入所倍率が2倍を超えている保育所は、最寄駅まで概ね徒歩5分程度でたどり着ける施設ばかりです。場所柄、電車を利用してしない中心部へ出勤している方が多いのでしょう。

特に入所倍率が高いのは、京阪関目駅・野江駅、地下鉄関目成育駅・蒲生四丁目駅に囲まれた一帯、つまり城東区役所以北の国道1号線沿いです。

入所倍率が最も高かったのは、認定こども園成育児童センター(旧成育保育園)の3.07倍でした。入所倍率が毎年2倍を超えており、今年は特に1歳児入所倍率が4.60倍という高さです。城東区役所・蒲生公園が近く、京阪野江駅・地下鉄蒲生四丁目駅が利用できる利便性は随一でしょう。次に高いきらら保育園・わんわん保育園もこのエリアにあります。これらの保育所は何れも1歳児倍率が高くなっています。

一方、国道1号線から少し離れた保育所となると、入所倍率はやや落ち着いています。1歳児であっても1倍を切る保育所が少なくありません。地区全体としての保育所定員は概ね足りている(1歳児を除く)が、第1希望が一部保育所へ集中してしまっているのでしょう。

国道1号線以南・寝屋川以北にある保育所では、鯰江保育所の0-2歳児・たつのこ保育園の1-3歳児は高い入所倍率となっています。一方、今福保育園や新設の今福青い鳥保育園は落ち着いた倍率です。

寝屋川以南はゆりかご保育園へ集中

寝屋川の南、JR鴫野駅に近いゆりかご保育園も入所するのは困難です。全年齢を合わせた入所倍率は1.81倍ですが、1歳児は2.71倍、2歳児は5倍という高さです。また、同保育所は成育児童センターと並び、H27一斉入所での入所基準点195点・入所者平均点200点超えと城東区内で最も高い施設でした。同駅を利用して市内中心部へ出勤するフルタイム共働き世帯が多く申し込んでいる為でしょう。

対照的に、この地域の他の保育所の入所倍率等は一部を除いて落ち着いています。地域全体をまとめてみると、申込数と募集数は概ね均衡している印象です。市立幼稚園・私立幼稚園・小規模保育施設もあります。JR鴫野駅を中心にバランス良くまとまっているでしょう。

第二寝屋川以南は1歳児を中心としていずれも激戦

更に南、第二寝屋川以南となると再び状況は変わります。1歳児を中心として、多くの申込者が集まっています。中央区に比較的近い森之宮保育園は1-3歳児の入所倍率が3倍前後あり、極めて難しい状況です。川や大阪城に囲まれている地理的状況から、他の保育所へ登園するのはやや難しい印象です。

緑橋駅の北にある東中浜ひばり保育園(旧東中浜保育所)は0-1歳児の入所倍率が高くなっています。特に0歳児は3.33倍という高さです。市立保育所時代の0歳児募集数3人が継続している為でしょう。0歳児募集数を増やした場合、そのままでは1歳児募集数が減ってしまうのが悩ましいです。同保育所は2-5歳児募集数に余裕があるのが特長です。

深江橋の北、城東ちどり保育園は1歳児入所倍率が毎年極めて高く、今年も3.70倍とい高さです。充実した設備が羨ましいです。0歳児入所倍率が低い事から、面積基準さえ問題なければ、他の年齢の募集数を減らす代わりに、1歳児募集数を若干増やす措置も可能かもしれません。

城北川以東は意外にも保育所不足か?

城北川より東側、鶴見区に近いエリアでも保育所が不足している様子です。ここには3保育所・1こども園があります。各園の1歳児を合算すると、申込数69人に対して募集数は45人です。市内中心部からやや離れたエリアであって保育所へ入所しやすいと思いきや、倍率的にはほぼ市内平均値です。

しかし、城東区内の他のエリアにある保育所と比較した場合、入所基準点・入所者平均点はやや低くなっています。市内中心部からやや遠く、駅にも決して近くない事から、フルタイム共働きではなく短時間勤務の方の申し込みが多いと推測されます。このエリアにお住まいの方は、鶴見区内の保育所も候補となるでしょう。

エリア毎に異なる状況

川によって大きく分断されている城東区では、エリア毎によって保育所を巡る状況が大きく異なります。エリア毎に第1希望が集中する保育所がある一方、そうでない保育所であればやや入所しやすくなっています。 区内全体の数字ではなく、エリア毎の数字が重要になるでしょう。

次回の予定

次回は城東区の北、旭区を予定しています。その後は西淀川区・住之江区・鶴見区・生野区・住吉区を予定しています。

実は西区についても分析を進めたいのですが、酷い状況にどこから手を付ければ良いか分からない状態です。

「○○区の状況を早く知りたい」「○○保育所について突っ込んで分析して欲しい」等と言ったご要望がありましたら、コメント欄もしくはお問い合わせからお伝え下さい。