H27保育所等一斉入所に関する結果分析、8回目はリクエストにお応えして鶴見区を取り上げます。
9回目以降は未定なので、リクエスト等があればコメント・問い合わせからお寄せ下さい。
各保育所毎の新入所者数・入所者平均点・入所基準点を取り上げ、H26とH27を比較した上で分析検討を行ってみます。
(入所者平均点・入所基準点の計算方法はこちらに記載しています。)

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【H27版】大阪市子育て支援施設マップ(非公式)より

種別名称H27H26
入所者数入所者平均入所基準点入所者数入所者平均入所基準点
民間保育所いずみの保育園17197.91859187.7155
民間保育所つるみ保育園30184.5155
民間保育所にじの木保育園6165.51358119.315
民間保育所のぎく保育園30189.513540185.0155
民間保育所みつばさ保育園19187.115523142.915
民間保育所もろぐち保育園35193.817529185.5135
民間保育所よこづつみ保育園24186.316537165.8125
民間保育所横堤みのり保育園9203.519511194.7175
民間保育所俊英舘第2保育園22182.313516165.6125
民間保育所俊英舘保育園28181.913533168.5125
民間保育所鶴見えのもと保育園14177.613517152.075
民間保育所鶴見はとぽっぽ保育園18196.618521185.5175
民間保育所鶴見みどり第二保育園15193.617567173.4125
民間保育所鶴見みどり保育園23184.613535162.9125
民間保育所鶴見みどり保育園(分園)
民間保育所鶴見学園15177.513518172.8135
民間保育所放出保育園39196.317539169.655
小規模B鶴見なないろ保育園諸口園9183.3135
小規模Aかいせいプチ保育園鶴見園10171.5135
公立保育所茨田大宮保育所38166.612535154.415
公立保育所茨田第1保育所24190.117533188.5165
公設民営保育所茨田第2保育所27188.915532174.3135
公設民営保育所茨田東保育所23162.98527146.695
公設民営保育所今津保育所21193.118531172.6125
民間保育所ほっぺるランド鶴見緑地39178.6135
こども園三愛こども園14162.613512157.2125
民間保育所(未定)

大阪市の保育所等利用待機児童数について(平成27年4月1日現在)より作成

上記の表は、H27一斉入所における鶴見区の深刻な状況を物語っています。
ほぼ全ての保育所等で、入所者平均点・入所基準点が昨年より大幅に上昇しています。
鶴見区全体としての入所者平均点は昨年より14.72点も上昇しており、これは24区で最も大きい上昇幅です(詳細はこちら)。

何故、この様な結果が生じてしまったのでしょうか。
【H27保育所等一斉入所結果分析】(2)区毎の入所倍率・保留率・保留児童数などから原因を探ってみます。

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鶴見区における平成27年4月時点での就学前児童数は7,452人であり、前年から115人も減少しています。
大阪市内全体の減少率(約-0.5%)をやや上回る減少率です。

一方、新規利用申込数は711人と前年を48人上回りました。
就学前児童数の減少とは逆の結果であり、共働き世帯の増加等によって保育所志向が強くなっている事情が窺えます。
保育所・小規模保育の増加等によって入所者数が前年より20人増えていますが、申込増には及んでいません(各施設の入所者数は区外等からの人数も含んでいるので、この数字とは一致しません)。
とは言っても、これだけの急激な平均点の上昇をもたらす程の増加数とは考えにくいです。

気になるのは鶴見区の保育所等在籍率(就学前児童数に対する保育施設の総定員と概ね等しい)の低さです。
大阪市内平均が37.6%に対して鶴見区は31.3%(平成27年4月)であり、北区(30.7%)、住吉区(31.0%)と同程度、都島区・福島区・浪速区という市内中心部を大幅に下回っています。

これらから、下記の様な仮説が考えられます。
(1)従来から保育施設は少なくて幼稚園が多かったが、専業主婦・幼稚園志向の強さ等から不足感が強くなく、一定の点数があれば保育所へ入所出来ていた
(2)社会情勢の変化等から共働き志向が強くなり、保育所等へのニーズが増大した。
(3)共働きの内容にも変化が生じ、より長時間の労働に従事する家庭が増加した。
(4)保育所ニーズの増大・労働の長時間化の波が相対的に少ない保育施設を襲い、入所者平均点・入所基準点の急激な上昇をもたらした。

こうしたトレンドの変化は今後も継続すると考えられます。
入所者平均点はまだしも、入所基準点(概ね0歳児の入所に必要な点数に相当)は更に上昇しても不思議ではありません。
鶴見区で保育所等への入所を検討している方は、数年前に入所された方の話は現在と状況が大きく異なる点にご注意下さい。

鶴見区全体としては西部地域・南部地域の保育所はやや入所しにくく、東部地域はやや入所しやすい傾向があります。
西部・南部は地下鉄・JRへのアクセスが良い一方、東部地域はアクセスが悪く、西側は鶴見緑地公園&東側は守口市・門真市・大東市となってしまうので入所希望者が少ないのでしょう。

各保育所等毎の状況を見ていきます。
鶴見区内で入所するのが最も難しかったのは2年連続で横堤みのり保育園です。
入所者平均点が203.5、入所基準点は195であり、昨年を大幅に上回っています。
新入所者9人の内、211点以上が2人もいました。
0歳児はフルタイム共働き、加えて1-2歳児は大きな加算点が必要だったと推測されます。
入所者数が少なく、周囲に森都OSAKA・市営住宅等の大規模マンションがあるのが原因でしょう。
この地域にお住まいの方は、城東区の保育所も同時に検討されるのが良いかもしれません。

西部地域には他にも入所しにくい保育所が少なくありません。
鶴見みどり第2保育園・よこづつみ保育園・もろぐち保育園・鶴見はとぽっぽ保育園の入所基準点が高くなっています。
入所者平均点も概ね190点を超えており、入所するにはフルタイム共働きやそれに準ずる点数が必要でしょう。

南部地域は放出保育園・いずみの保育園・今津保育所が入所しにくくなっています。
とは言っても各保育所毎に大きな違いはありません。
いずれの保育所からでも容易にJR各駅へ辿り着けるでしょう。

各市との市境が入り乱れる東部地域では、保育所へ入所するのが比較的容易な状況です。
短時間勤務でも入所できる保育所が多くを占めています。
鶴見緑地・近畿道・諸市に囲まれた地理的状況が主な理由だと考えられます。
大阪市外から登園している方も少なくないと推測されます。
やや入所しにくいのが、地域の中で最も西側にある茨田第1保育所です。

なお、地下鉄横堤駅の北に、平成28年4月に新しい認可保育所ができる予定となっています。
駅に近くて便利そうです。