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(6/26追記)
続報です。
【ニュース・続報】育休取得による保育園退園は違法として保護者が所沢市を提訴
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難しいケースです。
母親が育児休暇を取得しても慣れた保育所で過ごす権利と、一方で保育所の空きを待っている児童が保育所へ入所する権利、それぞれを比較衡量する必要があるでしょう。
育休取得 0~2歳児は保育園退園 埼玉・所沢市、復職時の復園担保
所沢市は子ども・子育て支援法の施行を受け、今年度から保育園児を持つ保護者が出産して育児休業を取得した場合、0~2歳の園児は原則退園させる新制度を導入した。これに伴い、保護者が育休から復職する際、子供の復園を確実にするため、入園選考の指数を加算するほか、育児休業復帰後特別預かり制度を創設し、通常保育と別枠で預かる民間保育園を助成することになった。
市によると、新制度は保護者が育休に入った場合、保育園に在園する子供のうち3~5歳児は保育を継続するが、0~2歳児は退園して保護者が手元で育て、空席になった分を待機児童解消に充てる。保護者側に出生児の疾病や多児出産などの事情がある場合、個別面談などを実施して個々の事情を配慮し、0~2歳児も保育を継続する。
これに対し、保護者の一部には不安の声が広がっているが、不安解消のための措置が、復園する際の入園選考指数の100点加算。通常60~70点台で入園できるため、復園を確実に担保する。弟や妹も同じ園に入れるように100点を加算し、優先的に同じ園に入ることができるようにする。
特別預かり事業は、復職時に在園していた園が定員に達していた場合、別枠で保育できるように民間保育園を対象に人件費を助成する。
今年度は4園、園児4人を想定し、16日に開会する6月議会に関連予算約237万円を計上する。28、29年度は各約900万円の助成を見込んでいる。
http://www.sankei.com/region/news/150612/rgn1506120089-n1.html
退所を迫られる保護者による抗議集会等が多くのニュースサイトで取り上げられています。
・「育休退園の撤回を」 所沢で集会、母親ら300人参加(埼玉新聞)
・育休で上の子退園、所沢市が方針 親「違法」申し立てへ(朝日新聞)
・育休で上の子退園は違法…保育園児の親ら提訴へ(読売新聞)
市の主張や具体的な取扱いは市ウェブサイトに掲載されています。
平成27年度の育児休業中における在園児の保育の継続利用について
子ども・子育て支援新制度(以下「新制度」といいます。)の施行に伴い、第2子以降の出産に伴う在園児への育児休業中の保育の継続利用についてお知らせいたします。
育児休業中の保育の継続は、保護者の申出により、国の通知の事由に該当するか否かを各施設長が判断し、保育の必要が認められた場合に継続して在園とさせていただいておりました。
平成27年4月から施行された新制度の中で、一定の条件の下で保育が必要と認められる事由として「育児休業」が規定されたことから、平成27年度より市が保護者からの申請を受け、保育の継続利用の可否を決定します。育児休業中における在園児の保育の継続事由は以下のとおりです。
(1)対象児童の年齢(クラス年齢) 3歳児・4歳児・5歳児につきましては継続が可能です。
⇒「育児休業中における在園児の保育の利用継続申請書」を提出してください。
(2)保護者の健康状態や子どもの発達上環境の変化が好ましくないと思われる場合
⇒「育児休業中における在園児の保育の利用継続申請書」を提出してください。(例)
・出生児の疾病(厚生労働省の小児慢性特定疾病の対象疾患)
・出産した母親の疾病、障害
・多児出産(双子以上)
・混合保育により入園し、継続保育が必要な場合
・在園児の家庭における保育環境等の状況から、引き続き保育所等を利用することが必要な場合⇒保護者との個別面接等により家庭における保育環境等をヒアリングさせていただき、保育の継続利用の可否を総合的に判断させていただきます。
※(2)の1~5のいずれかの事由に該当し、保育の継続利用が認められた場合には、0歳~2歳児(クラス年齢)の在園児も継続が可能です。育児休業取得により一時退園した児童と出生児が育児休業明けに入園を希望する場合の取扱いについて
育児休業取得により一時退園となる児童が再び入園申し込みを行った際は、利用調整における指数を加点するほか、施設・事業者の協力を得て、元の園に入園できるように対応していきます。指数上の加算
在園児が、育児休業の取得により一時退園(出産の翌々月末までの退園に限ります)となった場合、育児休業取得により一時退園した児童と出生児が育児休業明けに同時に入園を希望する際には、利用調整における指数に100点を加算します(一時退園した児童と出生児のそれぞれに加算します)。
この加算により、育児休業から復帰する場合は、上のお子様だけでなく、下のお子様についても優先的な利用調整が可能となります。
なお、一時退園しなかった場合、この加算はありません。
長文なので取扱いを簡単にまとめてみます。
(1)育児休業中の在園児が3-5歳児クラスの場合は、特段の条件なく保育の継続が可能
(2)在園児が0-2歳児クラスの場合、新生児や母親の疾病・家庭における保育状況等、一定の事由に該当して保育の継続利用が認められれば可能
(3)保育の継続利用が認められずに一時退園した後、再入園を申し込んだ場合は利用調整指数を全てのきょうだいに加算する
所沢市の方針が各所で批難を浴びています。
どういった点が問題だったのでしょうか。
法律論等はさておき、実質的な点から考えてみます。