保育所で働く保育士を増やすべく、「保育士確保プラン」が策定されました。
具体的には、処遇改善・試験の年2回実施・講習費用の助成・他資格保持者の試験科目一部免除等です。
これに先駆け、大阪府では来年度(2015年度)から保育士試験が年2回実施(内1回は地域限定保育士?)される見通しです。

保育士不足で資格試験回数増など支援へ
1月15日 4時37分

「待機児童」の解消に向けて各地で保育所の整備が相次ぐなか、人手不足が深刻となっている保育士を確保しようと、厚生労働省は、現在、年に1回実施している保育士の資格試験について、再来年度からは年に2回実施できるように都道府県を支援することを決めました。

厚生労働省によりますと、保育所の空きを待っている待機児童は、去年4月時点で全国で2万1371人と、都市部を中心に依然として深刻な状態が続いています。
待機児童を解消しようと各地で相次いでいる保育所の整備に伴い、保育士不足が深刻となっていて、平成29年度末までに6万9000人の保育士が不足する見通しだということです。
このため厚生労働省は「保育士確保プラン」を策定し、現在、年に1回実施している保育士の資格試験について、再来年度以降は年に2回行えるよう都道府県に財政的な支援を行ったり、保育士を目指す人が塾などで講習を受けた場合には年間15万円を上限に費用を助成したりするほか、介護福祉士などの福祉系の国家資格を持つ人には保育士の試験科目の一部免除を検討するなどして、保育士の確保を進めることになりました。
厚生労働省は「待機児童を解消するとともに保育の質を保つために自治体への支援を強化していきたい」としています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150115/k10014687781000.html

「保育士確保プラン」の具体的な内容は、厚生労働省のホームページに掲載されています。

「保育士確保プラン」の公表

 厚生労働省では、この度、「待機児童解消加速化プラン」の確実な実施のため、子ども・子育て支援新制度において国全体で必要となる保育士数を明らかにした上で、数値目標と期限を明示し、人材育成や再就職支援等を強力に進めるための「保育士確保プラン」を策定しました。
 「保育士確保プラン」では、保育士試験の年2回実施の推進や処遇改善など保育士確保に向けた新たな施策を講じるほか、従来の保育士確保施策についても、引き続き確実に実施し、施策に関する普及啓発を積極的に行うなど、更なる推進を図ることとしており、省を挙げて保育士の確保に向けて全力で取り組んでまいります。

 「保育士確保プラン」の主なポイント
○ 国全体で必要となる保育士の数は、平成29年度末時点において「46.3万人」
○ 平成29年度末において必要となる保育士「46.3万人」から、平成25年度の保育所勤務保育士数37.8万人及び平成29年度末までの自然体の増加分2万人を差し引いた、新たに必要となる「6.9万人」の保育士を確保するため、新たに以下の取組を実施

 ・保育士試験の年2回実施の推進
 ・保育士に対する処遇改善の実施
 ・保育士養成施設で実施する学生に対する保育所への就職促進を支援
 ・保育士試験を受験する者に対する受験のための学習費用を支援
 ・保育士・保育所支援センターにおける離職保育士に対する再就職支援の強化
 ・福祉系国家資格を有する者に対する保育士試験科目等の一部免除の検討

○ また、従来の保育士確保施策についても、[1]人材育成、[2]就業継続支援、[3]再就職支援、[4]働く職場の環境改善を「4本の柱」として、引き続き確実に実施するとともに、保育士確保に関する関係機関等との連携強化や施策に関する普及啓発を積極的に行うなど、更なる推進を図る

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000070943.html

また、これを受けて大阪府では保育士試験が年2回実施される見通しとなります。


内1回は「地域限定保育士試験」となるかもしれません。
【ニュース】大阪府内限定保育士導入へ 知事表明

保育所でお世話になっている保護者の立場から、少し心配なのは保育士資格者の質の低下です。
全ての保育士が必要な能力を維持できる研修を実施する等、適切な対応を望みたいです。