(6/10補足)
細かい行動時間がABCニュースに掲載されていました。表中の時間をより正確に改めました。
地下鉄阿波座駅で乗り換えた理由も判明しました。大阪府からの指示により、本町乗り換えを避けた為です。結果としてなんば駅と阿波座駅での2回乗り換えを強いられ、移動時間が長くなってしまいました。
確かに本町駅は混んでいますが、要所要所に数多くの案内要員が立ち並んでいました。中央線も限界まで増発しており、駅構内に滞留する予感は皆無でした。
どう考えても移動3時間・滞在3時間という万博訪問は現地で活動できる時間が短すぎます。未来の大阪を背負う子どもに見聞を得させたいのではなく、単なる人数集めとしか考えていないのでしょうか。
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大阪・関西万博開催から約2カ月が過ぎました。
毎日の様に数多くの学校が万博会場を訪れています。初めての場所という事もあって先生方は四苦八苦していますが、児童生徒は意外と楽しんでいる様子が窺えます。
在阪民放であるMBSテレビが大阪市立大領中学校2年生の万博訪問に密着し、引率の舞台裏を報じました。
「本当に気を抜けない」万博での校外学習『生徒が危うく別の電車に』『見学先で急な予定変更』ハプニング連続に先生たちは大忙し 滞在3時間に密着
https://news.yahoo.co.jp/articles/371ff6c881fcab08db867fb821df37e3a54020a8?page=1
時間毎の行動を表形式に抜き出しました。
大凡の時間 | 行動 |
9時30分 | 中学校を出発した。 |
9時50分 | 大阪メトロ長居駅から乗車した。 |
10時10分 | 大阪府からの指示により、大阪メトロなんば駅で千日前線に乗り換えた(遠回り)。 |
10時30分 | 大阪メトロ阿波座駅にて中央線へ乗り換え、子ども優先列車に乗車した。 |
11時前 | 万博会場東ゲート前に到着した。 |
11時 | 会場に入場した。 |
11時40分 | 大屋根リングで記念撮影をした。 |
12時 | 昼食を食べ始めた。 |
12時30分 | シンガポールパビリオンに入館した。企画に参加できる生徒を急遽減らす様に要請された。 |
12時50分 | シンガポールパビリオンを退館した。 |
13時頃 | (恐らくクラス単位に分かれて)コモンズB・C・Dへ入館した。 |
14時過ぎ | コモンズを退館し、会場を後にした。 |
15時30分頃 | 中学校に帰校した。 |
通常授業と変わらない登下校時間、時間が掛かる地下鉄移動
駆け足としか言い表せない行動でした。移動で3.5時間、会場内に滞在できたのも約3時間、回れたのはパビリオン2箇所と大屋根リングでした。移動時間の方が長い日程はあまり評価できません。
非常に窮屈な日程となってしまった大きな理由は、出発・帰校時間と移動手段です。中学校を出発したのは朝9時頃とされています。通常通りに登校したと考えられます。
会場を退出したのが14時過ぎなので、帰校したのは15時30分頃でしょう。概ね6時間目が終了するのと同じ時刻です。
つまり登校時間も下校時間も通常授業日と同じです。修学旅行等の宿泊行事では若干時間をずらしたりするのですが(朝7時登校という行事もありました)、万博訪問の為に登校時間等を配慮した形跡は見当たりません。
厳しい時間的制約となったのは移動手段です。同中学校は地下鉄で移動しましたが、往復で3時間強も掛かってしまいました。地下鉄の移動速度は決して速くなく、集団行動では乗り降りや乗り換えに時間が掛かります。
移動時間を短縮するには観光バスの利用が最適でした。学校から片道40分ほどで辿り着けます。更に第1目的地たるシンガポール館は西ゲートの近くにあります。
地下鉄利用での現地滞在時間が3時間だったのに対し、観光バスを利用していたら現地に4時間半(10時~14時半)ほどは滞在できたでしょう。もう1-2箇所のパビリオンを回れる計算です。
引率する先生方が苦労していたのは、熱中症等の体調不良対策、そして地下鉄での移動でした。
理解し難い発言もありました。「高校だと『手持ち扇風機や首を冷やすリングを持っといでや』と言えるけど、校則でそれはだめなので」です。特別扱いで持参を認めなかったのが不思議です。体調不良対策より校則を優先するのはナンセンスです。
地下鉄移動時の迷子対策には、観光バスを利用するのが有効です。ただ、関西圏では観光バスが取り合いになっていると聞きます。地下鉄で移動できる大阪市立中学校へ観光バスを割り当てる優先順位は高くないでしょう。
短時間でも訪問できた意義は大きい、今後は夏パスや招待チケットの活用も
とは言え、たとえ3時間という僅かな時間であっても、中学校で万博を訪問した経験は何事にも代えがたいでしょう。先生方は非常に大変ですが、幅広い経験を通じた教育的効果という観点からは、学校での万博訪問は有意義だと感じています。
閉幕後には「学校から行けて良かった」「学校で行けず、親にも連れて行って貰えず、1回も行けなかった」という感想等が噴出するでしょう。
「もう一度行きたい!」のであれば、大阪市が市内の子ども(4歳~高校3年生)に配布している「夏パス」を利用出来ます。夏休み期間中に何度も入場できるチケットです。
当初、我が家は「酷暑の万博会場なんて行けない」として否定的でした。が、家族で訪問して意外と楽しめ、子ども自身がもう一度行きたがっているので、夏パスを利用する方針に転換しました。既に会場入場予約とパビリオン予約も済ませました。
ただ、招待チケットを持ちながら万博へ行けない子どもに対し、大阪府の吉村知事は何らかの対応を行いたい旨を示唆しています。何かが起こりそうです。
https://x.com/hiroyoshimura/status/1931712517874790846
(追記)
家庭の事情等で万博へ行けない児童生徒を対象とした無料ツアーを検討しているそうです。
子どもの万博無料招待事業をめぐり、大阪府が学校単位で来場しない子どもたちを対象に、無料で引率するツアーを検討していることが分かりました。
大阪府は、府内に住む4歳から高校生までを万博に無料招待していて、学校やクラス単位での来場が見送られた子どもたちにはチケットを配布しています。
関係者によりますと、府はそのうち、家庭の都合などで万博に行くことが難しい小学3年生から中学生の1万人を対象に、夏休みの間に無料で引率するツアーの実施を検討していることが分かりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/31a41bfa59e0aa4d68e7449abbbeb304d3bad905</a
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大阪市内の子どもの小学校もこのような日程でした。
予定していたコモンズ館がいっぱいで入れず、大屋根リングに上っただけの学年もありました。
時間が短いのは仕方ないかもしれませんが、一つもパビリオンを見られないのはさすがにかわいそうだと思いました。