小中学生向けの万博無料招待事業が揉めています。交野市の山本市長は「交野市の小中学校は参加しない」と明らかにしました。
2025年大阪・関西万博に子どもを無料招待する大阪府の事業を巡り、大阪府交野市の山本景市長は30日の記者会見で、「府が実施している各学校への意向調査をやり直すべきだ」と述べた。交野市は市立の全小中学校が参加を希望していない。(中略)
山本市長は、府の意向調査は「参加希望」か「未定・検討中」の二択しか選択できないとして、「希望しないという選択肢がない。相当の勇気と覚悟がなければ希望を選択せざるを得ない制度で問題だ」と批判した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb275861fbac673bad178aeb13070495c15ee9ab
具体的な理由は市長がブログに投稿しています。
理由
①開催期間は4月13日から10月13日であり、学年が変わってまもない時期、暑い時期、夏休み、を除くと5月、6月しか行くことができない②大阪府の用意するバスは5月や6月に10台しかなく、利用は困難
③バスをチャーターするにも約15万円かかり、1人5000円かかり、校外学習の範囲を超えている
交野市が負担すると3000万円以上かかる
バスの停車場から会場まで約1kmある④大阪メトロ中央線は、1時間に24本6両編成で1時間に最大2万人輸送であり、児童の利用は危険
⑤パビリオンは1つしか行けず、しかも、どのパビリオンに行けるか不明
⑥メタンガスによるガス爆発事故が発生しており、その報告ですらまともにできないなど、会場の安全性確保に不安
⑦小中学校が「未定・検討中」とし、児童生徒が万博に参加しないと、参加しない児童生徒にはプロモーションコード(入場券)が発行され、家族で行くか行かないかを検討できる
いずれお合理的な理由です。定期テストや修学旅行等によってスケジュールがより厳しい中学校は、選びうる日程が更に制約されます。
昨今の物価高や人件費高騰等を反映しているとは言え、バス代が1人あたり5000円は本当に高いです。宿泊行事やら遠方への日帰り遠足ならまだしも、公共交通機関が発達している大阪市内への社会見学に使用するのは費用対効果が悪すぎます。
大阪メトロ中央線は1時間で最大24本の運行を計画していますが、乗車し慣れない観光客が集中する万博期間中は遅延が頻発するでしょう。大勢の小学生を連れて、混み合う駅構内を移動するのは困難です。
ガス爆発事故は日に日に新たな情報が報じられています。メタンガス自体には対処可能だと考えていますが、情報の小出し等に対する不信感は高まります。「○件の爆発事故が起きましたが、○○××によって万全の対策を行いました。」と断言して欲しいです。
我が家は学校単位で観に行くのでは無く、プロモーションコードの方が有り難いです。涼しくて空いてそうな土日に家族で出掛け、開園から閉園まで満喫したいです。先に学校で見学に行くと、子供が「一度観に行ったからもう十分。行きたくない。」と主張するのが目に見えています。
グーグルマップで検索した所、交野市役所から万博会場までは51分・39.5km(第二京阪・阪神高速経由)で到着すると表示されました(検索日時によって若干の違いあり)。
しかし、これはあくまで現在での予測値です。交通渋滞が避けられない万博期間中にこの時間で辿り着けるとは考えにくいです。恐らくは1.5倍ほどの時間が掛かるでしょう。
朝8時に学校に集合、8時半に出発、10時に万博駐車場に到着、そして10時半に万博会場入りできるのが理想です。11時から小一時間ほどパビリオンを見学、12時からお弁当、13時半に万博会場を出発、15時に帰校するスケジュールとなります。
パビリオンを見学できるのは小一時間程度だけです。どのパビリオンに案内されるかは現時点で不明です。
確実に起こり得るのは保護者からの反発です。「わずか1時間弱の為だけにバス料金を5000円も徴収するのか?」と問いただされたら、恐らくは学校や先生は合理的な返答ができないでしょう。私も言ってしまいそうです。
我が家がお世話になっている小中学校からは、万博関係の話は全く聞こえてきません。大阪市教委から依頼されたであろうチラシ等が配布されたのみです。ただ、大阪市立小中学校に「無料招待に参加しない」という選択肢はないでしょう。
1年後に何が起きているのでしょうか。