2025年度保育所等一斉入所申込状況分析、第14回は西区です。リクエストを頂きました。
※10月28日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数等は申込者数に含んでいます。
昨年と比較して、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、入所倍率が2倍を超えた箇所は赤、保育士等優先枠の申込は緑で表示しています。
申込数の減少が続く、少子化&マンション供給縮小が要因か
西区の申込数は前年より52人増の579人、募集数は7人減の681人となりました。
意外に思われるかもしれませんが、西区での申込数は減少傾向が続いています。2018年度一斉入所申込にて879人まで増加しましたが、その後は減少の一途を辿っています。直近ではピーク時の2/3程度となりました。
考えられる原因は「少子化」と「新築マンション供給の減少」です。0歳児申込数を見ると分かりやすいです。2018年度一斉入所申込は231人でしたが、2025年度は130人でした。半分近くまで減少しています。ただ、減少分全ては少子化では説明できません。
タワマンを初めとする大規模マンションが大阪市内で急激に供給されたのは2000年代以降でした。その中心となったのは、利便性が高く、一時期より地価が下がり、工場や事業所跡地といった大規模用地の供給があった大阪市北区・中央区・西区でした。
特に西区は大規模な工場や倉庫等の跡地が続々とマンションへと姿を変えていきました。その動きは市内他区より早かったと認識しています。その中心はファミリー向け物件でした。
子供の数が急激に増え、深刻な待機児童問題や学校狭隘化問題が生じました。2015年度一斉入所では1歳児申込み倍率が3.29倍に達しました。今となっては信じられない数字です。
多くの住民から区役所等へ苦情が寄せられたのでしょう。2018年前後に多くの新設保育所等が開設され、待機児童問題は徐々に沈静化していきました。
若干遅れる形で0歳児申込数も減少し始めました。適地減少に伴ってファミリー向けマンション供給が縮小し、新たに結婚して居を構える世帯が減少した為と考えています。新婚世帯が居住しやすい価格のマンションが減少したのも一因でしょう。
0歳児入所倍率はついに0.5倍を割り、0.47倍まで低下しました。入所申込者は全員が入所内定したと考えられます。数年前までは0歳児入所でも1倍を大きく超えていた保育所等も定員を充足していません。事実上、選びたい放題です。
東部地域で厳しい1歳児、募集数は0歳児より少ない
一方で1歳児入所は異なります。入所倍率は前年より急激に上昇し、1.23倍となりました。0歳児倍率の3倍弱という値です。申込数が49人も増加したのが原因です。景気回復や第2子保育無償化が影響していると考えられます。
1歳児が第1希望としている保育所等はある程度は分散しているのですが、西区東部(木津川以東)では極めて多くの第1希望申込が集中している保育所等もあります。
入所倍率が2倍を超えたのは、堀江敬愛保育園・YMCAあわざ保育園・あいあい保育園本町園・にしながほり保育園・クオリスキッズ新町保育園・こでまりこども園あわざ・太陽南堀江保育園・あけぼのほりえこども園でした。東部地域にある保育所等ばかりです。加点があれば概ね入所できると考えられますが、加点無しでのフルタイム共働きでは慎重な判断が必要です。
西区1歳児の大きな問題は「募集数の少なさ」にあります。実は0歳児より1歳児募集数の方が少ないのです。こうした区は中央区・西区・旭区・住吉区だけあり、それ以外の20区は1歳児募集集が0歳児募集数を上回っています。年度後半生まれが割を食う地域と言えます。
1歳児と同様に厳しいのは3歳児です。入所倍率は1.63倍という高さでした。2歳児から3歳児クラスへ進級すると同時に保育所等から幼稚園へ転出する児童が一定数現れるので、実際の3歳児入所倍率は中間発表時より下がるのが通例です。それでも入所できなかった児童が相次いだ可能性が高いです。
特に厳しさを感じたのは募集予定数です。「1人」や「2人」という保育所等が多くを占めています。3人以上の募集を行う保育所等は6保育所等しかありません。地域型保育事業の卒園児に加え、新たに3歳児から保育所等を利用したいと考えている世帯に見合った3歳児入所枠が準備されているのでしょうか。
今後の予定&運営支援のお願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。
「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。
同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。
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