無資格者の施設長1人による朝夕保育が常態化していたとして枚方市が「ひまわり保育園(認可外保育)」へ改善勧告や事業停止命令の準備を行ったところ、同園は年度末に自主的に閉園しました。虚偽の報告を行った疑いがあるとして、同市は告訴の準備を進めています。
無資格の施設長が1人で複数の子どもを同時に保育していたとして改善勧告を出していた認可外保育施設について大阪府枚方市は3日、同施設が3月末で閉園したと発表した。勧告は昨年12月26日付で出されたが、施設は改善を図らないままだった。
福祉指導監査課によると、施設は同市伊加賀南町の「ひまわり保育園」(香山悦子施設長)。定員は19人で、2月時点で1~3歳児の計5人が利用していた。
昨年7月の市の立ち入り調査で「認可外保育施設指導監督の指針」に反し、有資格者の職員が出勤する午前9時以前や退勤後の午後4時以降に、無資格の施設長が1人で複数の幼児の保育をしていることが確認された。
昨年10月、市の改善指導に対し「保育士の資格を持った人を雇った」と改善報告が出された。だが虚偽だったことが判明し、市は昨年12月、改善勧告を出した。施設長は「(有資格者を)採用するのは難しかった」などと話したという。(以下省略)
https://digital.asahi.com/articles/AST433FHQT43OXIE02KM.html
「ひまわり保育園」は大阪府枚方市伊加賀南町6-10にありました。ひらかたパーク(ひらパー)の近くにある、マンションの1階部分です。
枚方市による改善勧告の内容や改善状況が公表されています。
これによると、午前9時もしくは午前9時半以前及び午後4時以降に保育士がおらず、無資格者1人(施設長!)が保育を行っていました。有資格者も保育に従事する人間も不足していました。
https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000051/51861/himawari-shidou.pdf
早急に対応すべき指摘ですが、これだけならばしばしば聞く話です。同園が悪質なのは、枚方市による再三の指導を無視して虚偽の報告を行う等、非協力的な態度をとり続けていました。
同市は事業停止命令の発出に向けて弁明の機会を付与したところ、同園は年度末で閉園する旨の弁明書を提出しました。同市は事業停止命令の発出を見送り、閉園した旨を現地で確認しました。
公表された資料には、枚方市の怒りが滲んでいます。虚偽の改善報告を行った疑いがある事から枚方警察署と告訴の手続きを進めています。こうした意向が園を閉鎖する前に公になるのを避ける為、改善勧告等は閉園後に公表しました。
同園のウェブサイトは既に閉鎖されていますが、インスタグラムは残っています。同園が行っていた保育にも疑念を感じました。
インスタグラムには、日々の保育の様子が多くの写真で綴られています。鮮明に撮影された園児の顔写真がふんだんに利用されています。たとえ各家庭に個人情報や写真の利用許可を得ていたとしても、高解像度の写真を個人が識別できる状態で全世界へ公開するのは非常識です。
子供の顔写真を利用したフェイク画像も作成されています。顔写真の照合技術も飛躍的に進歩しており、数年後に成長した後の写真と同一人物だと紐付ける事も可能です。
インスタグラムへ掲載されている写真の中には、園児の名前が記された物もあります。プライバシーに対する意識が著しく欠落しています。こうした園が閉園するのは時代の要請です。

