非常に残念な事件です。大阪市浪速区に住む父娘が無理心中を図りました。

父親は前日に児童相談所や両親へ「子供を預かって欲しい」「自殺したい」等と伝えていました。助ける方法は無かったのでしょうか。

 22日午前10時5分ごろ、奈良県下北山村前鬼を通る国道169号の前鬼橋の下で、大阪市浪速区の男性(52)と女児(5)の遺体を巡回中の奈良県警吉野署員が見つけた。署によると、男性と女児は親子とみられ、現場の状況などから男性が無理心中を図った可能性があるとみて、2人の死因などを詳しく調べる。(中略)

 大阪府警などによると、21日午後1時過ぎ、男性から大阪市のこども相談センター(児童相談所)に電話があり、「子供を預かってほしい」「自殺したい」などと話したという。男性は同日夕、奈良県内に住む両親にも直接会い、同様の相談をしていたという。センターから連絡を受けた大阪府警が奈良県警とともに行方をさがしていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/95af5d9fbe215e304e2ab7c8b2a1cdf02742bbdb

21日は日曜日でした。児童相談所も休日扱いとなっていますが、こども相談センター(児童相談所)に24時間繋がるホットラインが設置されています。

こども相談センターに24時間365日体制で児童虐待の通告・相談に対応する児童虐待専用電話『児童虐待ホットライン』を設置しています。
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000050489.html

数時間後には奈良県に住む両親を訪れ、同様の相談をしていました。児相か実家のいずれかが訴えを真剣に取り合い、適切な対応ができれいれば・・・と思うと、本当に残念です。恐らくは両当事者・機関も同じ思いでしょう。

日曜の児相は出勤する人数が限られています。しかし、事後的に大阪府警へ連絡して捜索等を促しました。父親からの相談に対してこうした対応ができていれば、結果は違ったかもしれません。

相談を受けた両親にも何とかしたい気持ちはあったでしょう。ただ、52歳の父親の両親は80歳前後だと考えられます。預かりたくても物理的に難しい場合があります。

5歳の子がいる父親の年齢(52歳)もやや高めです。幼稚園や保育園等の職員、更には子供と同じ施設に通っている多くの保護者とは年齢が大きく離れています。更には性別の壁もあります。相談しづらかったかもしれません。

私も子供と一緒にいたくない日や時間があります。夏休みが始まり、今日も憂鬱です。ただ、日中は離れる事ができています。土日に我慢が出来なくなれば、子供を放置して寝込んでしまう事もできます。

亡くなった父親は無理心中を図るほどに追い詰められていました。最後の最後に児相や両親に助力を求めましたが、決意を揺るがす程の対応はできませんでした。一連の報道には母親に関する言及がなく、何らかの事情で頼れなかったのでしょう。

平日であれば通園しているであろう幼稚園や保育園等に助けを求めるという方法もありました。こうした施設は児相や医療機関等とも繋がりがあります。危機感を持った施設職員が早急な対応を促すという行動も考えられました。

あくまで私的な感想となりますが、子育ては辛い時間の方が遙かに長いです。死にそうな思いで得た金銭を、どうして激しく反抗する子供の為に使うのかと強く疑問に感じる事も多いです。

父親と同じ様に『「子供を預かってほしい」「自殺したい」』と思ったらどうすべきか、と考えた事もあります。子供と一緒に最寄の警察署を訪れ、「この子と一緒に自殺する」とでも叫べば保護してもらえるのでしょうか。

決して他人事ではない事件です。