悲しいニュースです。
父親の目の前で母親が2歳長女をマンション5階から投げ落とし、長女は死亡しました。母親は精神的に不安定だったそうです。
事件前、子供の泣き声がする旨の電話が児童相談所へあったそうです。
2018年4月に大阪市住吉区で当時2歳の女児が、母親にマンション5階から落とされ死亡した事件で、約7カ月前の17年9月ごろ、児童相談所へ電話で「泣き声がする」と虐待通告があったのに、児相職員が約1カ月間、マンションを訪れて調査していなかったことが9日、市などへの取材で分かった。
17年9月当時の厚生労働省の指針では、虐待通告から原則48時間以内に子どもの安全を目視で確認するのが望ましいとされていた。管轄の市南部こども相談センター(児相)は「家庭が特定された通告ではなかったため、事前調査に時間がかかった」としている。
近隣住民がマンション内の家庭を特定するのは困難です。ただ、通報の裏側には、「詳しい部屋番号は児相が調べ、子供を助けて欲しい」という願いがこもっています。
こうした願いや思いを児童が理解できなければ、児相に通報しようと思う住民が減るのは避けられないでしょう。通報しても無駄ですから。
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(8/17追記)
母親は不起訴となりました。
ことし4月、大阪・住吉区のマンションの5階から2歳の長女を投げ落として殺害したとして逮捕された母親について、専門家による精神鑑定を行っていた検察は、17日、不起訴にしました。(以下略)
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自宅マンションの5階から2歳の長女を投げ落として殺害したとして、大阪府警住吉署は30日、大阪市住吉区苅田、母親(31)を殺人容疑で逮捕した。
容疑を認めているという。捜査関係者によると、同居の夫(36)が「妻は精神的に不安定で、入院させることも考えていた」と説明しており、同署が動機などを調べている。
発表では、容疑者は同日午前、自室のベランダから長女の優月(ゆづき)ちゃんを約13メートル下の駐車場に投げ落とし、殺害した疑い。容疑者は夫と優月ちゃんとの3人暮らし。捜査関係者によると、当時、夫は自宅におり、「妻が突然、娘を投げ落とそうとしたので止めようとしたが、間に合わなかった」と話しているという。
現場では午前9時20分頃、「子どもが倒れている」と通行人から119番があった。同署員が駆けつけると、救急隊の処置を受ける優月ちゃんのそばに磧本容疑者が夫とおり、事情を聞いたところ、投げ落としたことを認めたという。
大阪市南部こども相談センター(児童相談所)によると、容疑者や優月ちゃんに関する虐待などの情報はなかった。現場マンションでは昨年9月、「子どもの泣き声がする」との通報が入ったが、当時の調査では該当する世帯はわからなかったという。
近隣住民によると、容疑者と夫は約2年前、今のマンションに入居。以前にも住吉区内に住んだことがあり、当時、近所だったという女性(86)は「今年1月、2歳になった優月ちゃんを連れてきて、『大きくなりました』と笑いながら報告していた。変わった様子はなかったのに」と話した。
事件が起きたのは、大阪市住吉区苅田2丁目のマンション「メルベーユ長居公園」5階でした。
2LDKで約60平方メートル、家賃10-12万円という物件です。しっかりしたファミリー向け賃貸マンションです。
地下鉄長居公園駅まで徒歩8-10分程度の場所です。市中心部から少し離れているものの、地下鉄御堂筋線を利用して通勤できる便利な場所です。
土地に余裕があり、低層マンションや戸建て住宅が多い地域です。道路や区画も整備されており、子連れで歩いても安心して移動できます。
また、地下鉄長居公園駅の北には広大な「長居公園」があります。スポーツ施設というイメージが強いですが、公園南東部には幼児用遊具が豊富にある一角もあります。
住吉区は保育所も少なくありません。1-2歳児の入所はやや難しいですが、0歳児は大半の希望者が入所できる状況です。
また、今年4月には現場マンションのすぐ近くにあい保育園長居が開所しました。
2歳児の育児で精神的に不安定に?我が家も大変でした
容疑者は非常に不安定な状況だったそうです。夫は「妻は精神的に不安定で、入院させることも考えていた」、周囲の関係者は「精神的に不安定で、育児に疲れた様子があった」(産経新聞)と話していたそうです。
亡くなった優月ちゃんは今年1月には2歳の誕生日を迎えていたそうです。逆算すると、2歳4-6ヶ月頃だったのでしょうか。保育所では2歳児クラスに属する年齢です。
この年齢になると母乳やミルクは既に終了しているでしょう。代わりに幼児食を準備し食事の介助を全面的に行う必要があります。
オムツはまだ外れていない子が大半です。おしっこやウンチをする度にオムツを交換しなければなりません。
その反面、運動能力は著しく発達しています。少しでも目を離すと、好き勝手に移動してしまいます。屋外では常に手を握る様にしていましたが、振りほどいて走ってしまうのが日常でした。
また、自我が急速に芽生え、激しく自己主張をします。着たくない服を着させられれば大声で泣き叫んで抵抗する、保育所へ行くのにおもちゃを手放さない、嫌な事があると食器やおもちゃを投げつける・・・・思い出すだけで憂鬱になってきました。
個人差はあるでしょうが、我が家の場合は夜泣きが続いた0歳児と、いわゆる「魔の2歳児」が最も厳しい時期でした。
私自身も精神的に追い詰められました。「もう子育てできない」「いやだいやだ」と思ったのは一度や二度ではありません。子供を抱きかかえながらベランダから外をぼーっと眺めていたら、「気を抜いたら落としてしまう」と気づいて部屋に戻った事もありました。
こうした時期に私が頼ったのは保育所の先生でした。毎日の様に相談や愚痴をぶつけていました。吐き出してすっきりし、何とか一日を乗り越える毎日が続きました。
磧本容疑者は2年前に住吉区内から転居し、現在は専業主婦(無職)だったそうです。日中は子供と2人きり、隣近所のと付き合いは殆ど無い、という毎日を過ごしていたのでしょうか。子供相手のストレスが溜まり、精神的に不安定になる気持ちは理解できます。
特に厳しいのは「専業主婦は子供から離れる時間がない」という点です。常に子供と一緒に居ると気が抜けず、疲弊する一方です。
事件が起きたのは4月30日、3連休最終日の朝でした。話し相手となる夫が3日続けて自宅にいる一方、子供から離れる時間が持てなかったのかもしれません。
経験上、子育てによるストレスや精神的不安定さを解消するには、まずは「子供から離れる」事が重要だと感じています。例え子供が寝ていても、一緒にいるだけで心が磨り減りました。
だからと言って、子供をベランダから投げ落とす行為が許される筈がありません。最悪の結末を迎える前に、何か出来なかったのでしょうか。