(大阪市リーフレットより)
大阪市は「こども誰でも通園制度(仮称)の試行的事業」を7月1日より開始します。
報道発表資料 大阪市こども誰でも通園制度の試行的事業を7月より開始します
https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000625273.html
詳細等は下記の通りです。
項目 | 詳細 |
利用対象 | 生後6か月から満3歳未満のこども |
利用可能時間 | こども1人あたり1か月10時間まで |
実施場所 | 大阪市内の保育所、認定こども園、幼稚園等の中で選定された施設(5月中旬公表予定) |
利用料 | こども1人1時間あたり300円 |
本事業への潜在的ニーズは極めて強いです。大阪市こども・子育て支援に関するニーズ調査では、7割弱の世帯が「上限まで利用したい」と答えていました。
一方で懸念は少なくありません。どの施設等で実施するのか、予約が取れるのか、事業と保護者ニーズが噛み合うでしょうか。
現時点で「こども誰でも通園制度(仮称)の試行的事業」を実施すると見込まれているのは、大阪市立住吉乳児保育所のみです。担当する職員を公募しました。
それ以外のどの施設で実施するかは不明です。全ての事業者が対象となるのでは無く、申し込んだ事業者から大阪市が審査・選定する形式をとっています。
我が家がお世話になっている保育園では「実施しない」と聞いています。園長先生が「在園児の保育だけで精一杯」「人も部屋もない」と話していました。
他自治体等の動きを見る限り、応募して選定される施設は地域型保育事業や幼稚園が多いのではないかと推測しています。待機児童問題が深刻な地域にある保育所やこども園はそもそも手を挙げていないと考えられます。
また、希望する日時に予約が取れるのでしょうか。申込が定員を上回った場合は抽選で決定します。利用料金は破格です。語弊を恐れずに言えば、「利用しなければ勿体ない」と言えます。当初は何十倍にもなっても不思議ではありません。
最後は利用時間や利用内容です。大阪市こども・子育て支援に関するニーズ調査では「5時間x2回」「2.5時間x4回」といった希望が多かったです。
1日5時間の利用となると、昼食や午睡を含んだ時間となります。しかし、こうした活動は保育士に掛かる負担が非常に重いです。死に直結しかねないアレルギー対応や事故防止には気を遣います。1か月に2回しか来ない子供に対応する余力があるのでしょうか。
現実的な利用時間は「2.5時間x4回」となると推測しています。具体的には朝9時に登園し、昼食前の11時半に降園するイメージです。昼食や午睡と重ならない為には、この時間帯以外は考えつきません。
また、試行的事業を実施している時間帯は、園児のみを対象とした諸活動が実施しにくいのもネックとなりそうです。諸行事やその準備等です。誰でも通園制度の園児と一緒に運動会の練習を行うのは難しいでしょう。遠足は不可能です。
今回はあくまで「試行的事業」とされています。様々な問題点を抽出し、本格実施に繋げていく見通しです。