2024年度保育所等一斉入所申込状況分析、第11回は平野区です。リクエストを頂きました。
※10月末に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。
昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。
第1希望は地下鉄谷町線沿線に集中、保育所等は減少傾向に
平野区は大阪市の南東端にあります。再開発が進んでいる市中心部等とは異なり、区内で目立った再開発等は行われていません。人口の流動性は決して高くなく、昔ながらの街並みが残っている地域も少なくありません。
保育所等に関する状況も同じです。ここ3年間で新たに開設された保育所等はありません(1施設が閉園)。
同区の申込数は938人(前年より26人増)、募集数は1191人(45人減)でした。いずれも大きな変化はありませんでした。
年齢毎の数字も同様です。2歳児が35人増加したのが目立つ程度です(倍率は0.91倍に留まる)。
他区と同じく、平野区でも第1希望が一部の保育所等に集中する傾向があります。区全体の入所倍率が決して高くないので、倍率が高い保育所等と低い保育所等の差が著しく開いているのが一つの特徴です。
区内で第1希望者が30人を越え、かつ第1希望倍率が1.5倍を超えた保育所等は5施設あります。常磐会幼稚園(認定こども園)・カリーノ保育園・すぎな保育園・いちょうベビーセンター・長吉六反保育園です。
いずれも地下鉄谷町線の各駅の徒歩圏にあります。交通利便性が高い場所にある保育所等に第1希望が集中しています。
他区でも同様の傾向がありますが、多くは複数の鉄道路線に分散します。しかし、平野区は地下鉄駅に一極集中しています。地下鉄駅から若干離れた場所から自転車で送迎し、地下鉄で市内中心部へ通勤するというイメージが浮かび上がりました。
年齢別に見ていきます。
0歳児倍率が2倍を超えたのは、さくらんぼ保育園(3倍、保育士等優先枠あり)・加美第1保育所・長吉六反保育園です。この3保育所は「募集数が3人」が共通点です。当たり前の話ですが、募集数が少なければ入所倍率は高くなります。
こうした保育所等を真っ先に第1希望とするのは、既にきょうだいが入所している児童です。他の保育所等を第1希望とする選択肢はありません。きょうだい加点として7点が得られます。
恐らくは第1希望者の多くにきょうだい加点があり、中には0歳児募集予定数を上回った保育所等もあるでしょう。募集数が少ない保育所等を希望するには注意が必要です。
1歳児倍率が2倍を超えたのは、アルマ保育園・カリーノ保育園(4.5倍)・すぎな保育園・長吉第1保育所・常磐会幼稚園でした。
中でもすぎな保育園は募集数が20人と多いにも関わらず、これを遙かに超える44人が第1希望としています。同園は喜連瓜破駅から約200メートルしか離れていません。忙しい子育て世帯が第1希望とするのも頷けます。
極めて厳しいのはカリーノ保育園です。募集数4人に対して18人(優先枠を含む)が第1希望としています。きょうだい加点はほぼ必須だと考えられます。
2歳児クラスも同じ様な傾向があります。2倍を超えたのはカリーノ保育園(5倍)・第三めぐむ保育園・天宗瓜破東園・東喜連保育園・常磐会幼稚園・喜連幼稚園です。いずれも地下鉄駅に近い地域にあります。
反対に第1希望者が募集数を大きく下回っている保育所等の多くは、地下鉄駅から離れた地域にあります。区内で共働きしている子育て世帯が地下鉄沿線に集中する一方、それ以外の地域では急激に減少している様子が窺えます。子供の数自体も急減し、諸活動にも影響が生じているでしょう。
入念な下調べが必要な保育所等もあります。地下鉄駅に近いながら、第1希望者が募集数を大幅に下回っている保育所等があります。異常な値を示しています。過去数年分の数字も同様でした。何らかの理由があると考えるのが自然です。
今後の予定&運営支援のお願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。
「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。
同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。
必要な育児・生活・事務用品等がありましたら、
いつもありがとうございます。
城東区もぜひ分析していただきたいです。お願い致します。