大阪府教委が高校入試制度の見直し議論に着手しました。私立専願率の急騰を受け、「府立高校入試をより受験しやすくすする」という方向性で話が進む見通しです。
「私立無償化」などで志願者減、公立高の入試制度見直しへ…大阪府教委
大阪府教育委員会は21日、公立高校入試制度の見直しに向けた議論を始めた。所得制限のない高校授業料無償化制度が2024年度から段階的に導入される影響で私立高人気が高まる一方、公立高の志願者減が顕著なためで、今夏にも日程などの制度案を固め、26年度入試からの実施を目指す。
24年度の府内の私立高入試では、私立を第1志望とする「専願」は前年を約3ポイント上回る31・64%と、過去20年で初めて3割を超えた。一方、公立高の志願者は現行制度になった16年度以降で最少となり、定員割れも16年度比で約2・4倍の69校に上った。
また、公立高の多くは3月に入試を行う一方、大阪、京都、兵庫の私立高は2月に試験を実施している。学校関係者らは「無償化に加え、早めに進路を決めて安心したいと考える生徒が増えているのでは」と分析する。
この日、有識者らでつくる学校教育審議会があり、試験の日程や受験回数、科目数、生徒の得意分野を重視する特色選抜の導入などが論点として示された。橋本正司教育長は「選抜制度を見つめ直すいい機会」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ee43da63a8e09bc6e851bba0fbbe8f62bacbc37
論点が示されたのは、第49回大阪府学校教育審議会でした。
https://www.youtube.com/watch?v=xUbSZ16RJKg
大阪府立高校の特徴・高等学校入学者選抜・今後の論点について記載された配付資料も公表されています。特徴や選抜内容が分かりやすく解説されており、小中学生を育てている保護者にも是非見て頂きたい資料です。
暫定値ですが、令和6年度入試における志願率は約59.3%となる見通しです急落しています。急落しています。
今後の論点として「特色選抜」「学力検査の科目数」「選抜時期」「複数回受験」「現行制度にとらわれない選抜機会」が提示されています。
現在の選抜制度に対する意見(抜粋)も掲載されています。
こうした意見を念頭に置きつつ、各府立高校毎の特色に応じて選抜制度を早期化・特色化・柔軟化・複数化等とする方向性で議論が進んでいく見通しです。
大阪府教委の念頭にあるのは、大量の2次募集を行う事となった中堅校をより受けやすくしたいのでしょう。校内実力テストが事実上の選抜機会となっている私立高校と比べ、受験対策を必要とする府立高校入試は負担が重いと感じている生徒への配慮?です。
ただ、残念ながら、大阪府立高校自体の魅力を高める施策は見当たりません。小手先の入試改革で受験生を集められるとは生徒や保護者を舐めています。
保護者目線ではとにかく設備改修、特にトイレの改修が最重要です。公立志向の子供にすら「私立高校の設備は綺麗だった。トイレじゃなくて化粧室だった。」と言われるぐらいです。大阪府や大阪市は学校にお金を使わなさすぎます。
また、この資料には「英検・英語資格」という文言は一切ありません。大阪府教委は見直すつもりがないのでしょうか。
令和6年度入試は英語C問題が難しく、「英検2級に救われた」という話をチラホラと聞いています。高校入試の英語科目より英検取得を重視する入試対策は、明らかに間違っています。
詳しい問題点はこちらをご覧下さい。
大阪府の「C問題」:その難易度が府民を惑わす
https://note.com/asamorikdb/n/n25f5f57eb786