連日の様に打ち出される子育て支援策(という名の無償化)に、「何か罠があるのでは無いか?」と疑心暗鬼の気持ちばかりが募っていきます。
大阪市が含まれる支援策でも多岐にわたります。
項目 | 実施主体 | 実施時期 |
0-2歳児第2子保育料無償化 | 大阪市 | 令和6年9月 |
3-5歳児保育料無償化 | 国 | 実施済 |
高校授業料実質無償化 | 大阪府 | 令和6年度~8年度 |
多子世帯の大学授業料等無償化 | 国 | 令和6年度? |
これらを組み合わせると、これまででは考えられなかった様な低費用かつ受験を回避して大学を卒業できます。
前提条件は多子世帯(子供3人以上)です。大阪市内でこの条件はやや厳しく、周囲を見渡しても多子世帯は本当に少ないです。第3子割合が17%という結果を疑うほどです。
大阪市の0-2歳児保育所保育料は、令和6年9月から第2子も無償化されます。やっと同時在籍という条件が撤廃されます。3-5歳児保育料は既に無償化されます。
小学校や中学校は公立で過ごします。学校内の実力テストで一定以上の成績を収めれば、私立大学の付属校や指定校推薦を多く抱えている私立高校へ事前相談で入学できます。
これならば高校受験を実質的に回避できます。自分で学習する習慣が身についている子供であれば、塾通いは必須ではありません。
大阪府では令和6年度より私立高校の授業料が順次無償化されます。所得制限はありません。公立高校より設備利用料は諸費負担が重いですが、充実した環境は魅力的です。
大学付属校ならば大半の生徒が、それ以外の私立校でも学内成績や希望に応じて指定校推薦を得られます。学校にもよりますが、多くは筆記試験なしで合格が決まります。
多子世帯ならば私立大学であっても入学金や授業料が無償化されます(多子世帯の全員か、それとも第3子のみかは不透明)。少なく見積もっても4年間で400万円、理系ならば6年間で600万円以上の学費が浮きます。極めて大きい額です。
様々な無償化をフルに活用し、かつ受験を回避するルートです。「悪魔の選択」です。途中で怖くなってきました。多子世帯、かつ「大学は私立大学(特に関関同立)で十分」ならば検討に値するかもしれません。
とは言ったものの、子供がこのルートを選択する事に対しては抵抗感もあります。受験に比べたら、必要な学習量に雲泥の差があります。「受験勉強ぐらいはしっかりやりなさい」というのが親の本音です。
つい最近でも、「何とか学費が安い公立高校・国公立大学に進学して欲しい」という話を何度も聞きました。が、様々な無償化措置の拡大により、こうした呼びかけも死語となるかもしれません。