数年後には我が家の子供が高校受験を迎えます。大阪府立天王寺高校大阪府立茨木高校大阪府立北野高校に引き続き、今回は私立桃山学院高校の学校説明見学会に参加しました。

最寄駅に到着すると、いかにも学校説明会へ向かいそうな親子連れの列が目に入りました。生徒はほぼ100%制服でした(学校からの指導あり?)。保護者はキッチリした服装からラフな服装まで多様です。

駅から学校までは列が途切れる事無く続き、要所要所では学校職員や警備員が誘導を行っていました。公立高校の受験では全く目にしなかった光景です。

校舎一体型の正門を潜ると、そこには新しい大型校舎がありました。古ぼけた感もありません。とにかく綺麗です。この後も公立高校との違いに打ちのめされ続けました。

会場は体育館でした。概算で椅子は1,600脚(職員曰く1,500人が参加)、もう少し端っこまで並べれば2,000人は着席できるでしょう。

説明会はチャプレンのお祈りが行われ、次いで校長先生の挨拶が行われました。
・コロナが5類に移行し、ようやく通常通り(特に海外留学)の学校生活が行える様になった。
・キリスト教に基づくこころの教育を重視している。
・ボランティア活動も重要。

次に教頭先生。
・服装は自由、標準服の購入率は約7割、冠婚葬祭でも便利、部分購入も可
・海外でスクールユニフォームとして着用するので、国際コースは標準服購入が必須
・高校1年生は全18クラス
・S英数は東大・京大・阪大、英数は阪大・神大、文理は神大・大阪公立大・和歌山大・関関同立を目指す
・学校別、コース別の入学者詳細をスライドで表示します
・併願からの入学者はS英数コースが三国丘高校、英数コースは高津高校、文理コースは生野高校受験者がトップ
・他には岸和田高校、大手前高校、天王寺高校、北野高校、泉陽高校の名も(茨木もあったかも?)
・各コースの授業時間は同じ、テキストや進度が違う
・1年→2年、2年→3年において、S英数と英数で入れ替えあり
・高2からはS選抜コース(1クラス)を設置、中高一貫組と混ざる(高入者は高2春に補習して追いつく)
・朝は8時35分に朝礼(朝学習廃止で遅くなった)、8時50分から1限、1日7時間授業、土曜4時間授業
・一部の強化指定クラブは入部制限(事前相談)がある
・部活動加入率は約50%
・自習ステージは16時40分~18時、もしくは18時半~19時50分(S英数/英数コースは1学期中間まで参加必須)
・課題は多い、「学校+塾課題」をイメージ
・Rゼミ(補習授業、成績不振者等を学校が指名する)
・M1ゼミ(希望生の学内予備校、塾等で教えている外部講師を招聘、90分1,800円)
・6月に大阪城ホールで体育祭
・9月は文化祭(今年も模擬店は出来なかった)、コーラス大会
・桃山合宿(勉強はしない)
・冬の球技大会
・修学旅行は高2の7月に実施、北海道、沖縄の離島、カナダから選択
・共通テストマラソン(高3はお盆以外は学校で勉強する)
・職員室内の質問スペースや、廊下に自習スペースがある
・プレミア自習室(高3専用、日曜使用可、ブース式)
・ICT機器は各自の物を利用する(BYOD)

・国公立大学合格者は264人(詳細はこちら、説明会でも配布)
・合格率はS英数が76.7%、英数が50%、文理が39.2%、全体で約40%
・関関同立の合格者は532人、実合格者は全国トップ(強調)
・私立型コースが設けられている文理コースからの合格者が多い
・指定校推薦枠も多いが、まずは一般入試を考える(初めから指定校推薦を狙う指導は行わない)
・私立型コースで推薦枠があれば申し込む
・難関10大学合格者は50人(浪人が18人)、公立大の合格者が多い
・早稲田は現役6人(文理5人・国際1人)、慶応は4人(文理1人、国際3人)(※S英数や英数コースからの合格者(進学者かも?)がいないのが意外、首都圏私立の受験を推奨していない?)
・成績に応じて各コース間で入れ替えが行われる
・入学時は文理コースだったが途中でS英数に代わり、京大へ進学した学生もいる(恐らくはレアケース)
・専願/併願別で合格に必要な実力テストの点数(最も点数が取りやすい中学の場合)、模試(五ツ木模試/進研模試?)の数字をスライドに(実数は控えます)
・試験はリスニングや面接無し
・国際コースの合否では英検準2級や卒業生子女を若干考慮する

次いで生徒インタビュー。昨年の物はyoutubeで公開されています。今年は下記4人でした。
https://www.youtube.com/watch?v=sCRD7wog7gk

・1年生、文理、高槻市出身
・ハンドボールがしたかったので専願
・アスリートコース(文系のみ)で声が掛かったが、理系(建築)に進学したかったので文理を受験
・地元の公立高校と迷った

・1年生、英数、岸和田市出身
・三国丘高校と併願した、府立入試では点数が足りていない教科があった
・サッカー部、自宅学習は1日2時間
・情報系の大学へ進学したい、高校生活は充実している

・2年生、国際コース、貝塚市出身
・専願
・校舎が綺麗
・合格発表は薄い封筒が届いた(鉄板ネタかも?)
・留学で日常会話、リスニング、相づちが上手くなった

・3年生、国際B、堺市出身
・専願で留学希望
・数学は下の方、英語が得意、3教科判定入試に救われた
・留学前に英検準1級を取得した(クラスに2人だけ)
・同志社大学を公募推薦で受験中(小論文と面接のみ)

4人中2人が国際コースでした。我が家は国際コースを考えていないので、同コースに関する説明はメモを取りませんでした。が、説明時間は長く、高校が国際コースに注力している姿勢は十分に伝わりました。

学校側の説明はここで終わり、次は質疑応答に移りました。10人前後の方が質問をし、学校は適切に回答していました(疲れていたのでメモは取らず)。国際コースや留学関係の質問が多かったです。

説明会終了後は国際コースの追加映像を見たい方が体育館に残り、それ以外の方は校舎見学や個別質問となりました。私は校舎内をくまなく見て回りました。

公立高校と比べると、設備は雲泥の差でした。新しく綺麗な校舎、広い廊下、整った教室、人工芝のグラウンド、スポーツジム、安くて充実した食堂等、金銭面で余裕がある私立高校の長所を十分に感じました。

同水準までは望みませんが、これに近い事を公立高校でできないのでしょうか。大阪府立高校(大阪市立小中学校も同じですが)は可哀想なぐらいに余りにお金が掛けられていません。

一方で「雰囲気の軽さ」も感じました。言葉にしにくいのですが、空気が軽いのです。カタカナで表すと「ポップ感」が漂っていました。「高校」より「ハイスクール」がしっくり来ます。この前週に北野高校の説明会に参加していたからかもしれません。

今日は入試説明会という事もあり、教頭先生からの話題は入試・学内での学習・大学受験が主な内容でした。行事や部活動の説明もあっさりでした。

S英数・英数・文理コースは1日7時間授業・土曜授業・自習・学内予備用とひたすら勉強し、志望校への合格を目指すと強調されていました。その為には部活動や行事に余り時間を掛けない方針だと受け取りました。

府立高校(文理学科)では探求活動・各種行事を強調する学校が多く、進路指導等はさらりと流していました。殆どの生徒が大学へ進学する府立高校では「何も言わなくても自主的に勉強するのが当然」という考えがあるのでしょう。それにしても行事が忙しすぎて、どうやって勉強時間を確保すれば良いのか難しいですが。

桃山学院高校(及びそれ以外の受験指導に注力する高校)の進学コースは「学校+塾」が合わさった様な物に見えました。全てを学校にお任せできる反面、学校での拘束時間が非常に長くなります。それ以外の諸活動(部活動を含む)は難しいでしょう。部活動加入率が半分しかないのが証左です。

公立高校と私立高校の違いを強く実感した説明会でした。私立と公立のどちらが良いかは、家庭や生徒の価値観で大きく分かれるでしょう。