大阪府における公立高等学校入学状況概要(令和5年度)が公表されました。

公立高等学校入学状況概要について(令和5年度)

https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/9152/r05nyugakujokyogaiyo.pdf

各学校毎の募集数や出願者数は既に公表されていました。上記資料で注目したのは「英語民間資格(英検等)の利用者」です。

何度も触れている通り、大阪府立高校入試では英語資格(英検2級以上)を保有している事により、英語の点数が8割~10割(英検準1級等)保障されます。英検準1級を取得していたら、英語の答案用紙に名前を書くだけで満点がもらえます。大きな問題がある制度ですが、それが大阪の現実です。

入学状況概要には英語民間資格の利用者が各学校毎に掲載されています。文理学科10校及び英語資格利用者が多い4校の利用状況です。①は英検準1級等(100%保障)、③は英検2級等(80%保障)です。

学校名競争率英語資格の活用状況(令和4年度)
合計対志願者比合計対志願者比
北野1.2630040143195.4%40894.4%
大手前1.362030831063.5%26256.2%
高津1.445022823345.1%23040.5%
天王寺1.1717033935684.8%32579.9%
豊中1.568033834661.6%34359.2%
茨木1.5112038940183.2%40378.4%
四條畷1.462023223444.7%18637.8%
生野1.481015615729.5%11823.3%
三国丘1.599037838775.9%29764.6%
岸和田1.3120828420.0%5514.9%
住吉1.1700575717.9%5214.4%
千里1.343012012333.4%10427.3%
泉陽1.3100898921.2%8116.7%
春日丘1.682021421640.2%17233.1%
その他100391401469
合計10603,8994,0059.5%3,5058.32%

英語民間資格の利用率は上記14校全てで前年を上回っています

北野高校は出願者のほぼ全員が英語民間資格を利用しています。また、大手前高校・天王寺高校・豊中高校・茨木高校・三国丘高校は半数以上の出願者が利用しています。これらの高校を受験する場合、英語民間資格の利用が事実上の出願要件化していると推測できます。

また、それ以外にも利用者が多い高校はあります。特に春日丘高校や国際系学科がある千里高校(いずれも北摂地域にある)は約3割の志願者が利用しています。英語民間資格を保有していると、受験では大いに有利に働きます。

中には満点に読み替えられる英検準1級等を取得している中学3年生もいます。英語教師でも取得するのが難しいと聞きます。どうやって勉強しているのでしょうか。

特に注目して欲しいのは、入試当日の点数が英検等による最低点に到達した人数です。英語資格を活用した受験者数3,999人の内、僅か1,205人だけでした。約30.1%に過ぎません。約70%の受験生は英語資格によって点数がかさ上げ(最低保障)されました。

高校受験までに英検2級等を取得するには、早めの準備が欠かせません。準備が遅れたうちの子は苦戦しています。

また、2024年度からは英検試験がリニューアルされます。

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ますます対策が難しくなりそうです。そして家庭の経済的負担は増します。小学校と比べ、中学校は本当にお金が掛かります。