(2年生が死亡した伊達小学校)
再び痛ましい事故が起きました。伊達市立伊達小学校(北海道)にて小学校2年生の女の子が体育の授業後に倒れ、3時間後に死亡しました。残念です。
22日正午ごろ、北海道伊達市元町の市立伊達小学校で小学2年の女児(8)が「屋外であった体育の授業の後で倒れた」と119番があった。女児は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。熱中症の疑いがあるという。
市教育委員会によると、暑さ対策として授業は2年の3クラス合同で行われ、教員7人が児童たちを見守った。ボール投げ、鉄棒、うんていの活動を行い、日陰で休憩をさせた。女児は健康面の問題がなく、授業中に6~7回、水分を摂取した。授業は暑さのため予定より20分ほど早く終えた。児童たちが屋外にいたのは約1時間。女児は午前11時50分ごろ、校舎に移動中に倒れた。
気象庁によると、市内は同日午後0時41分に最高気温33・5度を記録した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2779cc54f24f8bc0632c1f5da7f59cc44a04168
元気に学校へ送り出した子供が無言の帰宅をし、その辛さは想像できません。言葉になりません。
伊達市立伊達小学校は北海道の南部にあります。洞爺湖町と室蘭市の間です。
当日の伊達市は猛暑でした。最高気温33.5度は観測史上最高の気温でした。これまでの記録は2012年9月18日に観測した32.6度が最高だったので、一度に0.9度も更新してしまいました。
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/rank_a.php?prec_no=21&block_no=0132&year=&month=&day=&view=h0
多くの伊達市民にとっては過去最高の暑さを感じた1日だったでしょう。亡くなった女の子は2012年には未だ生まれていません。
当日は3クラスが合同で運動場にて体育の授業を行っていました。日陰で休憩したり、小まめに水分補給を行わせたりと、熱中症対策も行われていました。更に授業も20分ほど短縮して終了しました。
後付けかもしれませんが、問題もありました。先に記した通り、この日の伊達市は過去最高の気温を記録していました。ほぼ全ての教職員や児童が体感した事がない暑さです。
大阪市民としては「33度は大したことが無い」と感じるかもしれません。しかし、「伊達市での過去最高の気温だった」と聞けば話は違います。
更に伊達市は冬場には氷点下に気温が下がるのが日常茶飯事です。暑さよりも寒さ対策に重きを置いた身体が出来上がっているのでしょう。
また、「授業を短縮した」とありましたが、実は屋外に1時間も滞在していました。3クラスの合同授業だった為、2時間続けて体育の授業が行われていた模様です。
長時間の屋外滞在は身体に負担が掛かります。たとえ日陰で水分を摂取しても、疲れはなかなか抜けません。そもそも日陰では身体がなかなか冷えません。
同小学校で2学期の始業式が行われたのは21日でした。2日目に早くも酷暑の屋外で体育を行っていました。まだ学校や暑さに身体が慣れていない時期です。
これらをまとめると、確かに体育の授業中では一定程度の熱中症対策が行われていました。
しかし、その外側は全く異なります。
学校生活に身体が慣れていない始業式の翌日に、観測史上最高気温を観測した酷暑の屋外にて2時間続けて体育の授業を行ったという判断には重大な問題があります。
同様の判断は全国で蔓延しているでしょう。体育の授業や部活動にて熱中症対策が行われていても、「当該活動を中止する」という判断は殆ど行われません。「熱中症対策さえすればできる」という共通理解が広がっているかの様に見えます。
登校時の熱中症対策もほぼ行われていなかったでしょう。熱い日射しの中を長時間掛けて登校した時点で、相当程度の疲労が溜まっている筈です。山形県米沢市でも部活動帰りの中学生が帰路で亡くなりました。
同じ道内で危機感を共有したのでしょうか。北海道北見市はエアコンがない小学校にて今日23日を臨時休校としました。札幌市でも午後から臨時休校とします。
熱中症の危険性が極めて高くなるとして、北見市内の小学校など18校が臨時休校となりました。また、札幌市内の一部の小学校と幼稚園が午後から臨時休園や臨時休校の措置をとるということです。
北見市教育委員会によりますと、市内にある小学校22校と義務教育学校1校のあわせて23校のうち、小学校17校と義務教育学校1校が23日、臨時休校となりました。また、常呂地区の小学校3校は3時間目まで授業を行い、給食のあとに繰り上げ下校します。
一方、教室にエアコンが設置されている端野小学校と若松小学校は通常どおり授業を行うということです。
札幌市教育委員会によりますと、午前10時の時点で、市内の▼44の小学校と▼1つの幼稚園で、午後から臨時休園や臨時休校の措置を取るということです。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230823/7000060174.html
酷暑は災害です。災害対応と同様の対処を行うのは然るべき姿です。
ただ、これが続くと学習が遅れてしまいます。保護者も仕事になりません。酷暑時は保護者が付き添って登校する(自動車送迎も可)、下校時は教職員が付き添うと言った対策も求められます。