(5/19更新)
集団感染が発生したのは宮崎第一高校でした。

インフルエンザの集団感染が確認されたのは、宮崎市の宮崎第一高校です。

学校と宮崎市保健所によりますと、今月9日、生徒1人のインフルエンザへの感染が確認されたあと、翌日の10日には生徒のクラスメイトなど14人への感染が確認されました。

このあと、インフルエンザに感染した生徒が30人に広がる中で12日に体育祭を行い、週明けの15日に394人の生徒や職員に感染が急拡大したということです。

その後、感染は落ち着いていったものの、これまでに全校生徒およそ900人のうち、半数を超える500人近くがインフルエンザに感染したということです。

感染が拡大したことについ、学校は、大型連休の期間中の行楽などがきっかけになったのではないかとしたうえで、5類への移行を受けてコロナ禍で控えていた体育祭での生徒の声出し応援の全面的な再開や、「十五人十六脚」など生徒同士が接触や密着するような競技を行ったことなどが原因ではないかと説明しています。(以下省略)

https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20230518/5060015415.html

同校ウェブサイトに行事予定表が掲載されています。体育祭本番及び前日のリハーサルで感染が急拡大したのでしょう。

https://miyaichi.ed.jp/ctrl-miyaichi/wp-content/uploads/2023/05/87394c993b732080b12f4c4ca3c75f86.pdf

新型コロナが5類に移行したとは言え、感染症への備えは引き続いて重要です。そうした考えに立脚した上で、できる限りの学校生活や行事を行っていく方針が求められます。

体育祭での声出し応援や「15人16脚」といった密集する種目を再開したい気持ちが理解できます。しかし、「学校内や地域で感染症が流行しておらず、ノーマスクで大声を出したり密集しても感染が広がらない」というのが前提条件でした。リスクが高い行事を行うには、事前の感染封じ込めが必須です。

が、同校では体育祭前からインフルエンザ患者が急増し、学級閉鎖を行うクラスもありました。このままノーマスクで大声・密集する体育祭を行えば、感染が全校に急拡大するのは火を見るより明らかでした。「未だ小火だから大丈夫」と、ガソリンを満載した自動車で突撃したようなものです。

この3年間で多くの子育て世帯が強く実感したのは、「学校のありがたさ」でした。マスク着用要請や行事の中止等があったとしても、毎日学校へ登校できる事が死活的に重要でした。

同校は22日まで休校します。この間に実施される予定だった多くの授業・語彙力テスト・漢字大会・交通安全教室・就職模試・学校公開日・学校参観日等が中止・延期されてしまいます。休校明けに実施される英検の結果も振るわないでしょう。

4月以降は教職員が率先してマスクを外すようになりました。様々な感染対策の呼びかけからも「マスク」という文言が落ちています。先のNHKニュースでも「生徒に対しては手洗いの徹底などを呼びかけることにしています」となっています。

学校では今月22日まで休校することを決め、生徒に対しては手洗いの徹底などを呼びかけることにしています。

少し遡りますが、今年3月の卒業式では児童生徒のマスクを外そうとする動きが広がりました。それでもインフルエンザやコロナが爆発的に広がらなかったのは、卒業式前はマスク着用を徹底する事により、事前の感染拡大が防げていたのも一因でしょう。

5-6月に体育祭を行う学校は少なくありません。冷房が効いた教室は閉め切りがちです。まだまだこうした集団感染が起こるでしょう。学校に於けるマスクの着用が個人判断に委ねられたとしても、校内の感染状況に応じて「マスク着用を要請」と切り替える必要があります。そうした臨機応変な判断は学校が最も不得意とする分野ですが。

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マスク着用が「個人の判断」に委ねられた結果です。宮崎市内の高校でインフルエンザの集団感染が発生し、昨日16日までに491人の感染が報告されています。

インフルエンザ 宮崎の高校で491人集団感染 学校は休校

宮崎市内の高校で生徒と職員合わせて491人がインフルエンザに集団感染し、15日から休校していることが分かりました。市は感染防止対策の徹底を呼びかけています。

宮崎市によりますと、市内の高校で今月9日から発熱やせき、のどの痛みなどの症状を訴える生徒が出始め、16日までに生徒476人、職員15人の合わせて491人がインフルエンザに感染したことが分かったということです。

これまで重症化した患者はいませんが、高校では15日から今月22日まで休校することを決めています。

高校では先週末に体育祭が行われ、練習なども含めて集団で行動する機会が増えていたということです。

宮崎市の清山市長は17日、定例の記者会見で「体調不良の場合は学校に行かないなど個別の感染対策を取り、室内の換気やマスクの着用を徹底してほしい」と注意を呼びかけました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230517/k10014070491000.html

宮崎市がプレスリリースを掲載しています。

https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/fs/7/5/6/6/3/6/_/756636.pdf

5月9日に確認された感染者は生徒1名のみでした。が、10日は15人、11日は30人、12日は55人、そして週明けの15日は394人へと爆発的に増加しました。

この間には大きなイベントが行われていました。体育祭です。週末にリハーサル及び本番が行われました。こうした機会や練習等を通じて感染が拡大したと考えられます。

今年は全国各地でコロナ禍前と同規模で運動会や体育大会が行われる見通しです。

しかし、現在も季節外れのインフルエンザが流行しています。また、新型コロナウイルスが5類に移行しても、強力な感染力が弱くなったわけではありません。

残念ながら今後も全国各地で同様の集団感染が発生するでしょう。そして、子供から同居家族、そして高齢者へと感染が拡大していきます。

それにしても、同高校の感染規模は桁外れです。一般的な運動会のみで感染が広がったとは考えにくいです。多くの生徒が密集する競技があった、

屋内で実施した、大声で話しながら飲食を共にした等、何らかの追加的な事情があったとしか考えられません。

また、感染者の中には新型コロナが紛れ込んでいないのでしょうか。インフルとコロナの同時検査を行った筈ですが、こちらも気がかりです。

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(追記)
同高校の生徒がツイッターにて説明しています。体育祭前から学級閉鎖を行うクラスがあったにも関わらず、予定通りに体育祭を行ったそうです。実施した判断が厳しく吟味されるべきです。