選択肢が広がるのはメリットです。一方、ニーズの所在は限定的です。

3~5歳児対象の「小規模認可保育所」、政府が設置検討…多様なニーズに対応

 政府は、原則0~2歳児を対象としている「小規模認可保育所」について、3~5歳児を対象とする施設の設置を認める方向で検討に入った。保護者の多様な保育ニーズに応えつつ、待機児童の解消を図る狙いがある。来年の通常国会にも児童福祉法改正案を提出したい考えだ。

 2015年に導入された小規模認可保育所は、6~19人を定員とする施設。通常の認可保育所(定員20人以上)と比べて保育スペースの確保が容易なため、都市部のマンションの一室などを活用して迅速に開設できる。乳幼児1人あたりの面積要件などは通常の認可保育所と変わらないほか、保育士の配置基準についてはより厳しくなっており、きめ細かな保育が受けられることも特徴だ。

 導入当初は対象が0~2歳児に限定されていた。こども家庭庁は、「当時は3歳以上の発達には集団での保育が重要との考え方があった」と説明する。

 一方、近年は一人一人の発達に寄り添える少人数保育のメリットが注目されており、3歳以上のこどもを持つ保護者にも小規模認可保育所への入所希望がある。2歳まで小規模認可保育所に預けていた場合、3歳になる際に転園先を見つける必要があることも課題となっている。

 こども家庭庁は今年4月、小規模認可保育所での3歳以上の受け入れについて、「市町村がニーズに応じて柔軟に判断できる」との通知を全国の自治体に発出した。ただ、すでに0~2歳児を保育している施設のみでは、受け入れ数に限界があるとの指摘も出ている。

 6月に閣議決定された規制改革実施計画では、3~5歳児に限定した施設の検討が盛り込まれており、政府は保育の選択肢を増やすことで、子育てしやすい環境を整えたい考えだ。

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230731-OYT1T50018/

小規模認可保育所(地域型保育事業)は原則として0~2歳児(例外的に3歳児以上も)の保育を行っています。これとは別に「3~5歳児のみを受け入れる地域型保育事業」の設置を認める方向で検討が進んでいます。

6月に閣議決定された「規制改革実施計画」で折り込まれた内容を実施するものです。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/program/230616/01_program.pdf

こうした取り扱いは既に国家戦略特区にて先行実施されています。関西では堺市のきらら幼保園で実施中です。

https://www.kirara-sakai.com/kirara/

特例措置を特区から全国へ展開するか否か、厚労省では検討が進められていました。

https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc_wg/r4/pdf/20230228_shiryou_s_1_1.pdf

検討結果を踏まえ、来年の通常国会に関連法の改正案が提出される見通しとなりました。

鳴り物入りで開始された導入当初と比べ、地域型保育事業を取り巻く環境は厳しさを増しています。少子化は加速度的に進行しており、保育所等への新規入所を希望する児童は減少し始めています。

ここ数年は各地で待機児童対策が急激に進み、多くの保育所やこども園が新設されました。数年前より劇的に入所しやすくなっています。

また、大半の子育て世帯は「6年保育を行う施設」を強く希望しています。一度入所すれば、小学校入学までは同じ場所で保育が行われます。年長クラスを卒園するまで、慣れた施設や先生に囲まれて成長します。

小規模保育で最も大きなデメリットは「保育期間は2歳児クラスの終了まで」という点でした。3歳児からは別の保育所等へ入所しなければなりません。確実に入所できるか分かりません(但し大阪市内ではほぼ入所可か)。新しい園を見学する必要もあり、親子が慣れるまで時間が掛かります。

施設規模も劣ります。殆どの小規模保育は園庭を保有しておらず、近隣の児童公園等を代替しています。夏場の水遊びも容易ではありません。

一方でクラスサイズが小さく、目が届きやすいというメリットもあります。0~2歳児を合わせても20人というコンパクトサイズです。

では、3-5歳児の保育を行う小規模保育へのニーズはあるのでしょうか。読売新聞の記事には「一人一人の発達に寄り添える」「卒園児の転園先」が指摘されています。

具体的な内容はきらら幼保園での取り組みが地方創生サイトに掲載されています。

新しい保育所のカタチを全国へ
堺市における特区小規模保育所の取組
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/taidan08.html

今後は少子化が更に進んでいきます。都市部でも「待機児童問題」から「作りすぎた保育所等の空き問題」へとシフトしています。3-5歳児保育に対する一定のニーズはあるでしょうが、限定的でしょう。