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5日、鹿児島県姶良市の認定こども園で保育士の言うことを聞かず、足を出した園児に理事長が足を蹴り返したとして、園側が保護者に謝罪したということです。

姶良市内の認定こども園によりますと、5日、園庭での集会の時間に「並びなさい」と言っても言うことを聞かず、足を出してきた園児に81歳の理事長が足を蹴り返したということです。

その様子を捉えた防犯カメラの映像をもとにCGで再現しました。

言うことをきかない園児を理事長が静止したところ、園児が2回足を出します。

このあと、理事長が園児につま先があたる程度に蹴り返しました。

園児が再度、足を出してきたため理事長ももう一度繰り返しました。

園児にけがはなかったということです。

この日の夕方、園側から説明を聞いた保護者が姶良市に連絡しました。

KTSの取材に対し、理事長は不適切な行為だったと謝罪しました。

こども園・野口正一理事長
「『蹴ったらいけないよ』といつも言っていましたが、自分を蹴ってきたので、とっさに蹴ってしまった。申し訳なかった」

県と市は理事長の行為を不適切保育と認め、今後こども園に対し、指導を行っていくということです。(以下省略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/8cf3b3328d07d80ae918d1bd6f1237c09a22fd13

不適切保育が行われたのは「エミールこども園」です。昭和56年に前身となる幼稚園を現理事長が創設しました。

上記記事を読んだ直後は「高齢の理事長(81歳)に足を出すのは極めて危険」「理事長は軽く蹴り返した」「ケガはなかった」「報道陣の取材に誠実に答え、謝罪文を提出している」という点から、こうした不祥事においては珍しく誠実に対応していると感じました。

しかし、別のニュースを読むと印象がガラリと変わります。

 園などによると、野口理事長は5日朝の集会前、男児を園庭に整列させようと指導する際、屋外廊下で足を2、3回蹴り、ほおをつねるなどした。「治療が必要なけがはなかった」という。

 保育士から報告を受けた園が同日、男児の保護者に謝罪。野口理事長も翌日、謝罪した。その後、県と市が防犯カメラの映像や聞き取りで不適切な行為があったことを確認した。

 野口理事長は「足を蹴ってきたので、蹴られる人の気持ちを知ってもらおうととっさに蹴り返したが、不適切だった。県の指導を受け入れたい」。同園の野口尚裕園長(46)は「子どもに優しい保育をできるようにしていきたい」と話した。

https://373news.com/_news/storyid/177594/

園児の母親は27日、MBCの取材に対し、「理事長が先にほおをつねった」と理事長の説明に不信感を示しました。

(不適切行為を受けた園児の母親)「先に息子が手を出したということは、事実と異なるので考え直していただきたいのと、実際したことはきちんと認めていただきたい。
教育者という立場でありながら、そういうことをするのは決して許されるものではないんじゃないか」

保護者によりますと、不適切行為があった翌日、理事長や複数の職員が同席した場で、当時の防犯カメラの映像を見せられ説明を受けたということですが、「理事長から明確な謝罪の意志は感じられなかった」と話します。

(不適切行為を受けた園児の母親)「園が出した文章であったり、きのう報道された中でも謝罪をしたいと(言っていたが)話し合い以降、理事長から私たちに声をかけることは一度もないです。謝罪ももちろんないです。全くもって反省の色はないと思っています。悪いことをしたという、自覚は本当に感じられません」

この園では2021年にも、野口理事長が園児の頭をバインダーで叩き、県から指導を受けています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5d73639a35b2cd28eafafa6e0adcd62e7a70a2b9

前後関係が真逆です。先に手を出したのは園児では無く、理事長ではないかと指摘されています。もしもその通りであれば、まさしく「不適切な保育」と呼べる物でしょう(虐待とは言いにくい)。

誰しも人間は加齢によって判断能力が衰え、昔の価値観にしがみつきがちです。昔は幼稚園における一定の体罰が事実上黙認されていたとしても、今は容認されません。

更に野口理事長は2年前にも園児の頭をバインダーで叩き、鹿児島県から指導を受けた過去がありました。

今からでも理事長を退き、後進に道を譲るべきでしょう。