市民から寄せられた切実な要望が掲載されているのが「大阪市民の声」です。今回は「保育園の入園から復職の時期を見直して欲しい」という意見を取り上げます。

市民の声
入園した当月中に復職とあるが、翌月1日までにしてほしい。
慣らし保育が2週間ほどかかる上に、ほとんどの子どもは通い始めてすぐに病気になり休むことがある。
復職時期は入園してから3週間から4週間ということを考えると、ぎりぎり当月末日に復職という人がほとんどと聞く。
この末日に復帰というのが、どれくらい会社や市民に迷惑をかけるか考えてほしい。
1日ずらしてもらうだけで、復職予定の会社への保険手続きや、復職準備がどれほどうまくいくか。
ほかの自治体を見ても、翌月1日までに復帰というところは多い。

http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000435198.html

4月入所の方の多くは、同時に育児休業から復職されているでしょう。

保育所等への入所と復職の同時に進行は本当に大変です。入所後は慣らし保育が続き、到底仕事に集中できません。特に大阪市はたんぽぽの国園での事故を受け、慣らし保育を強化する方向で動いています。

入所直後は子どもが体調を崩しがちです。挨拶回りや仕事のカンを取り戻そうとしている矢先に、保育所等からのお迎え電話や病欠が重なるのは日常茶飯事です。

今年4月に復職した私の友人は子どもの病気が続き(アデノ→2週間後に溶連菌!)、既に有給休暇を20日ほど消化してしまったそうです。

こうした事態を避ける方法の一つが、「育児休業から復職する時期を後送りにする」という考え方です。大阪市は「入所開始月中に復職すれば、休業前に就労状況で点数付けするとしています。

育児休業より復職を理由に申込をされる場合は、原則として利用開始月中に復職し、翌月末までに復職証明書を提出することを条件に「就労」としての基本点数を、休業前の就労状況によりつけています。

http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000422915.html

注意して頂きたいのは「あくまで利用開始月中」とされている点です。4月入所であれば、4月末までに復職する必要があります。さもなくば保育所等への入所申請に虚偽内容があったとして、何らかのペナルティを受ける恐れがあります。

しかし、雇用主(企業)の立場としては、月末の復職は事務処理が煩雑です。できれば月初、もしくは給料の締日直後に復職して欲しいところです。

市民の声にある「入園した当月中に復職とあるが、翌月1日までにしてほしい。」という意見は、企業サイドの意向が大きく影響しているのではないでしょうか。

他の自治体は?

では、大阪市以外の自治体はどうしているのでしょうか。近隣自治体や政令市を調べてみました。なお、期限に「?」が付いている自治体は、自治体の公式ウェブサイト(直近)以外から得た情報によるものです。

自治体名入所からの復職期限
大阪市当月末まで
堺市1ヶ月以内(GW明けまでOK)
東大阪市翌月1日まで?
八尾市30日以内
門真市1ヶ月以内
守口市1ヶ月以内
吹田市15日以内
豊中市入所月内かつ14日以内
尼崎市翌月10日まで
神戸市1ヶ月以内
京都市当月末まで

驚くほどに各自治体でバラバラでした。

調べた範囲内で最も厳しいのは、豊中市の「入所月内かつ14日以内」でした。また、吹田市も「15日以内」と厳しい内容です。

約半数の自治体は「入所から(おおむね)1ヶ月以内」としていました。4月1日入所なら5月1日(一部自治体はGW明け)までに復職すればOKです。

尼崎市は「翌月10日まで」と太っ腹です。GWや正月明けを考慮しているのでしょうか。

「当月末まで」という大阪市は中間的な位置づけですね。

あと1日延ばせられると、育児休業を取得している多くの子育て世帯が助かります。慣らし保育や発熱時の対応がスムーズに進み、もって保育事故の軽減が図れそうです。

皆さんがお住まいの自治体はいかがでしょうか?