新型コロナウイルスによるメガクラスターが発生しました。全校生徒約2340人の2割前後、400人以上が感染しました。
福岡市の福岡大学附属大濠中学校・高等学校は、全校生徒の約2割が新型コロナ陽性か陽性の疑いがあるとして、今月9日までの休校を決めました。先週行われた体育祭で感染が広がったとみられます。
福岡市中央区にある福岡大学附属大濠中学校高等学校では6日、生徒に欠席者が相次いだことから、急きょ休校を決めました。学校によりますと、これまでに全校生徒の約2340人のうち2割ほどが新型コロナの陽性か、陽性の疑いがあるということです。
大濠中学校と高校では、今月3日に全校生徒が参加して体育祭を実施。この体育祭をきっかけにクラスター(感染者の集団)が発生した可能性があるとみられています。学校は5日は代休で、6日から9日までは休校にするということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/caddfcd3961e6776353772a5e84460dbf3f70e78
福岡大学附属大濠中学校・高等学校は福岡市中央区六本松1丁目にあります。福岡城跡や大濠公園に囲まれた、福岡市内の一等地にあります。
同校は男子校という記憶があったのですが、2011年度(中学校)・2012年度(高校)から共学化されています。
既に同校のウェブサイトには学校閉鎖に関するお知らせが掲載されています。
学校閉鎖について
中高共通2023(令和5)年6月6日コロナウイルス・インフルエンザの陽性者及び発熱者が急増している状況にあるため、感染防止の観点から本日6月6日(火)~9日(金)の4日間学校閉鎖といたします。
https://www.ohori.ed.jp/junior/information/2023/06/004976.html
感染が拡大した要因の一つは、6月3日に開催された体育祭だと指摘されています。プログラムが公開されています。
https://www.ohori.ed.jp/information/upload/2023/06/docs/086319e0608f6cb1b4ee3b1b31c71aabc20a71b1.pdf
真っ先に体育祭の規模が非常に大きいと感じました。中学校と高校の全生徒が参加し、朝8時半から夕方15時35分まで行われます。
体育祭の前からコロナ症状があり、本番は欠席した生徒もいた筈です。一方で軽症や無症状であり、ノーマスクで参加した生徒もいるでしょう。
競技・演技の中には密接・大声を伴うものもあります。ダンス・組体操・応援合戦・8人9脚・騎馬戦等です。
体育祭の練習や本番はノーマスクです。これらの競技や練習、そして競技中のお喋り等で感染が拡大したと考えるのが自然です。
新型コロナが5類に移行し、学校で積極的な「脱マスク」が主張される中、個々の感染対策には限界があります。学校行事等でメガクラスターが発生するのを防ぎきるのは困難です。
学校や生徒の感染対策が甘かったのではありません。こうしたメガクラスターが発生しやすい土壌を醸し出した、政府・文部科学省・自治体・教育委員会による感染対策の大幅緩和に原因があります。
報道されているのはメガクラスターが大半ですが、もっと規模の小さな体育祭・運動会クラスターは無数に起きている筈です。複数の修学旅行クラスターが発生したとも聞いています。
学校でクラスターが発生してしまうと、感染した児童・生徒は症状に苦しみます。中には入院したり、後遺症が長引く子供もいます。学習も遅れます。
保護者は仕事になりません。中には子供経由で感染する保護者もいます。第9波でも子供経由で一家全滅したとの話を無数に聞きます。
学校独自で感染対策を見直し、マスク着用(校長判断で着用要請は可能)や換気の強化を打ち出す必要があるでしょう。
コロナ対策として、学校活動を縮小するのは極力避けたいです。しかし、クラスターが発生してしまうと、縮小せざるを得ません。
緩和一辺倒ではなく、学校活動に支障がない範囲で感染対策を再強化する頃合いなのでしょう。