これは児童虐待ではありません。「虐待殺人」です。
西田真愛（まお）さん（当時5歳、死亡時6歳）に虐待を繰り返したとして、母親の西田彩容疑者(34)と内縁関係にある岡山市南区築港新町の内装工、船橋誠二容疑者(38)が強要容疑で逮捕されました。
https://www.youtube.com/watch?v=gtKsczxLkrw
去年、岡山市で5歳の女の子を鍋の中に長時間立たせるなど虐待を繰り返したとして、母親とその交際相手が強要の疑いで逮捕されました。女の子は先月亡くなっていて、警察は詳しいいきさつを調べています。調べに対し母親は「私がしたことではない」などと容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、いずれも岡山市に住む西田彩容疑者（34）と、交際相手で内装工の船橋誠二容疑者（38）です。
警察によりますと2人は去年9月、西田容疑者の自宅で、５歳だった娘の真愛さんの髪の毛を引っ張るなどしたうえで、いすの上に置いた鍋の中に明け方まで6時間近く立たせたほか、別の日には同じように立たせたうえで、上半身に霧吹きで水と見られる液体をかけて扇風機をあて続けるなど、虐待を繰り返したとして強要の疑いが持たれています。
真愛さんは去年9月、意識不明の状態で搬送されて病院で脳死と判定され、先月亡くなったということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220209/k10013476771000.html
事件が起きたのは、岡山県岡山市北区花尻にある西田容疑者の自宅です。岡山市郊外、山裾に広がる住宅街です。
| 年月日 | 出来事 |
| 2015年9月下旬 | 真愛ちゃんが産まれる。保育器に入っていた写真がフェイスブックで見つかった。子供4人の写真が数多く投稿されていた。 |
| 2017年3月 | 彩容疑者のフェイスブックに船橋誠二容疑者らしき写真が掲載された。 |
| 2017年4月～2019年？ | 広島市中区から岡山市へ転居した？ |
| 2019年2月 | 2人は出会い系サイトで知り合い、内縁関係になった。船橋誠二容疑者には家庭があった。 |
| 2019年3月 | 岡山市地域こどもセンターに「真愛さんの養育に関する手続が出来ておらず心配」と通告 |
| 2019年4月 | 岡山市こども総合相談所（児相）等に「母親の知人男性（船橋誠二容疑者）からの暴力が心配」と通告 |
| 児相が調査。真愛さんの額に10円玉程の大きさの痣があった。交際相手からの暴力を止められず、母親が育児を放棄する「ネグレクト」があり、虐待が行われていると判断した。彩容疑者は男の存在を否定。 | |
| 2019年6月 | 児相に「真愛さんが近所で迷子になり、母親の養育が心配」と通告 |
| 2019年7月 | 「日常的な暴力が認められない」として、児相は虐待を「軽度」と判断した。3～4カ月に1度面談を行うと決めた。 |
| 真愛ちゃんは児相職員に「叩かれていない」と話した。 | |
| 2019年10月 | 彩容疑者のフェイスブックの更新が途絶える。数多くの子供の写真が掲載されていた。 |
| 2020年9月 | 児相に「真愛さんが全裸で墓地で立たされ、船橋誠二容疑者から過度の叱責を受けている」と通告。児相がようやく船橋誠二容疑者の存在を把握した。 |
| 2020年9月24日 | 児相が真愛さんを一時保護した。 |
| 2020年10月 | 児相は西田容疑者と3回、船橋容疑者と2回面談した。船橋容疑者は「風呂で騒ぎ続けたので連れ出し叱った」と説明。2人が「今後はしない」と反省した。 |
| 2020年10月7日 | 一時保護を終了した。 |
| 2020年11月～2021年8月 | 家庭訪問や面接を計4回行った。西田容疑者と面会したが、船橋容疑者とは一度も面会できなかった。真愛さんが同席したのは2020年11月と2021年4月。 |
| 2020年12月頃 | 岡山市中区から北区花尻に転居した。（同時に幼稚園を退園？） |
| 2021年1月下旬 | 児相が船橋容疑者と電話面談、西田容疑者宅に通っているが、暴力はしていないと説明した。が多くの近隣住民が子供の泣き声を聞いた。 |
| 2021年2月 | 岡山市内の保育施設（幼稚園かも？）に入所した。登園日は2月9日間、3月11日間、4月10日間、5月6日間、6月4日間、7月12日間だった。 |
| 2021年7月20日～8月末 | 保育施設が夏期休業に。 |
| 2021年8月 | 児相職員が西田容疑者と玄関先で面談。「真愛ちゃんは親戚の家に行っている」と説明され、会えなかった。 |
| 台所に鍵をつけ、真愛ちゃんに食事を食べさせなかった。 | |
| 真愛ちゃんを監視する目的で3台のカメラが設置されていた。 | |
| 2021年9月 | 緊急事態宣言による家庭保育の要請に応じ、保育施設へ登園しなかった。 |
| 2021年9月10/11/17/21/23日 | 西田容疑者の自宅において、2人で真愛さんの髪の毛を引っ張った、顔を殴った、手をかんだ、全裸の上半身に霧吹きで液体を掛けて扇風機の風を当て続けた、椅子の上に置いた鍋の中に明け方まで6時間近く立たせた。絶たせた累計時間は約20時間になった。 |
| 船橋容疑者は「やっと楽しいミッションがやってきた。きょうも楽しい時間が始まる」と話していた。 | |
| 西田容疑者は船橋容疑者へ「そろそろ食事をさせないと（真愛ちゃんの）血色がやばい」とメッセージを送信していた。 | |
| 2021年9月16日 | 事務手続の為、西田彩容疑者と真愛ちゃんが2人で来園した。職員は「少しやせている」と気付いたが、大きな異変は感じなかった。 |
| 2021年9月17日22時～18日朝4時 | 船橋容疑者が真愛ちゃんの頭髪を掴んで鍋の中に移動させ、翌朝まで立たせ続けた。ほかのきょうだいはソファに座っていた。 |
| 真愛ちゃんが自分の指を口に入れ、嘔吐していた。 | |
| 立たされた真愛ちゃんの近くで両容疑者が親密にしていた。 | |
| 2021年9月25日 | 真愛ちゃんは1階和室（押し入れ？）で布団にぐるぐる巻きにされて放置された。意識を失っているのに西田容疑者が気づき、14時半頃に「家でかくれんぼをしていた娘が布団にくるまって倒れている」と119番した。 |
| 真愛ちゃんの呼吸は途切れ途切れ、低酸素脳症による脳死状態で緊急搬送された。目立った外傷は無かった。 | |
| 近隣住民が西田容疑者に「娘さん、大丈夫やった？」と尋ねると「大丈夫」との返事があった | |
| 近隣住民「泣き声は…そこの小さな部屋に子供を入れて、いつまでも出さずに折かんをする。あまりにもかわいそうと評判になった。子供を守る組織に電話したと聞いて、 来たが、やはり収まらない。 何回も続けていた」「ずっと子供の泣き声が聞こえてきていた」「部屋に閉じ込められていたのではないか」と話す。 | |
| 2021年9月27日 | 病院が児相へ連絡 |
| 2021年9月28日 | 児相が「事件の疑いがある」と県警へ通報した。 |
| 児相は虐待レベルを「最重度」に変更した。 | |
| 2021年10月～ | 彩容疑者が船橋容疑者と会う頻度が月数回へと減り、別れ話も出た。関係はしばらく続いた。 |
| 2022年1月12日 | 真愛ちゃんが低酸素脳症で死亡した。6歳だった。 |
| 2022年2月9日 | 母親の西田彩容疑者と交際相手の船橋誠二容疑者を強要容疑で逮捕した |
| 岡山市児相が会見。「もう少し何かできた」「軽度（虐待）にあたる」「重く受け止めている」「外部有識者の審議会で検証したい」 | |
| 西田容疑者には10代の子供が3人（男児2人・女児1人）。現在は児童相談所で保護されている。 | |
| 真愛ちゃんが虐待を受けていた部屋は、船橋容疑者がカメラを設置していた。 | |
| 船橋容疑者には1歳上の妻（中学校陸上部の先輩）、成人した子1人、小学生2人の子供がいる。 |
2人は反省したふりをしていましたが、実際には虐待を繰り返していました。9月に行われた虐待が詳細に報じられています。スマホ等で撮影した動画があったのでしょう。それ以外にも、数多くの虐待行為が繰り返されていたと考えるのが自然です。
本事件におけるポイントの一つは「真愛さんの登園状況」です。幼稚園や保育所等へ登園していたら、市は見守り等を依頼する筈です。何らかの兆候があれば、幼稚園や保育所等から連絡があります。ただ、現時点では幼稚園等に登園していたという話は出ていません。
殆ど全ての5歳児は幼稚園等へ登園しています。無園児だとしたら、家庭に重大な問題が生じている可能性がある証拠となります。幼稚園や保育所等関係で撮影された写真が出ていません。
事件当時は保育施設（細かい種別は不明）に在園していましたが、休みがちでした。登園したのは2日に1回程度、しかも保育施設が見守りや市への連絡等を行っていた形跡はありません。岡山市が見守りを依頼していなかったのでしょうか。
一時保護解除の面会等が計4回、登園状況が不明、昨日に行った会見が他人事扱い、どうも岡山市の関わりが弱い様に感じます。非常に後ろ向きです。まだ報じられていない事情があるのでは、と感じています。
