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(7/7追記)

懲役2年執行猶予4年の判決が言い渡されました。

 大阪地裁は7月7日の判決で、「出産後資力もなく頼りにする人もなく、路上で車に隠れてトートバッグに出産した。生きている様子がないと判断し、遺体をコインロッカーに入れ、延長料金を払うなど犯行態様は悪質。コインロッカーの管理会社が荷物を回収し、嬰児の遺体が腐敗したことで発覚したことは、死者に対する敬虔感情や宗教感情が害されたといえる。一方で、被告人は反省し、生活環境を見直すため福祉施設に入所したり、手に職を付けて生活を立て直したりすると述べている」などとして、谷口被告に懲役2年執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。 
 
 判決の言い渡し後に裁判長は谷口被告に次のように話しました。

 (裁判長)「望まない妊娠を繰り返さないように、生活環境を立て直してください。生活を立て直すには相当な努力が必要です。努力を続けてください。また、きちんと弔うべき大切な存在を敬うようにしてください」
 (谷口被告)「はい」

https://news.yahoo.co.jp/articles/153e7c55cb8f99a2e3d091df79ea906a9e294d2d

必要なのは刑罰では無く、生活を立て直す環境だという判断でしょう。大阪には似た様な境遇にある人間が少なくありません。繁華街を歩くと目に入ってしまいます。

大阪市が手を差し伸べて欲しいのですが、残念ながら期待できません。

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阪急十三駅周辺のコインロッカーから回収された荷物から女児の遺体が見つかった事件につき、大阪府警は死体遺棄の疑いで接客店従業員を逮捕しました。

「お金もないし誰の子どもかも分からなかった」生後間もない「赤ちゃんの遺体」遺棄された事件…33歳の女を逮捕 カバンに入れコインロッカーに遺棄か 大阪府警

3月16日に大阪市西淀川区にある倉庫で赤ちゃんの遺体が見つかった事件で、警察は母親とみられる33歳の接客店従業員の女を逮捕しました。

死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、住居不定の接客店従業員・谷口成美容疑者(33)です。

警察によりますと、谷口容疑者は今年1月30日ごろ、大阪市淀川区十三東に設置のコインロッカーに新生児の遺体が入ったカバンを放置し、遺体を遺棄した疑いがもたれています。

警察の取り調べに対して、谷口容疑者は「事実全くその通りです。人に見つかりにくいコインロッカーにトートバッグを入れて赤ちゃんを捨てました。コインロッカーなら赤ちゃんが長い間見つからないだろうと思った」と容疑を認めているということです。また、谷口容疑者は警察に対して、「お金もないし、誰の子どもかも分からないので育てるつもりはありませんでした」などと話しているということです。

この事件をめぐっては16日午後2時半すぎ、大阪市西淀川区佃にある倉庫で、生まれて間もないとみられる女の子の赤ちゃんの遺体がカバンの中から見つかっていました。倉庫を使用していた業者によりますと、カバンは2月上旬に阪急・十三駅近くのコインロッカーに少なくとも4日間放置されていて、業者がロッカーから回収した後に倉庫で保管していたということです。

警察によりますと、司法解剖の結果、赤ちゃんは1月下旬に死亡したとみられ、遺体には「へその緒」や「胎便」が残っていたということですが、腐敗が進んでいて死因は特定されていませんでした。

警察は赤ちゃんが産み落とされて遺棄されたとみて、周辺の防犯カメラなどを捜査していました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2b2d84d91920176fdcc8e0d1ad0d830eae6824e6

遺体が回収されたコインロッカーは、十三駅東口すぐにあるパチンコ店前に設置されている物です。24時間利用可能です。住居代わりに荷物を置く利用者も少なくないでしょう。

強盗等に対する厳重な警戒が行われているパチンコ店前に設置されたロッカーなので、複数の防犯カメラが監視しています。このコインロッカーに預けた姿も録画されていた筈です。

阪急各線の乗換駅たる十三は、大阪市北部を代表する繁華街・歓楽街です。周囲には数多くの飲食店に加え、いわゆる夜の店が軒を連ねています。その中には様々なサービスを提供する「接客店」も少なくありません。

容疑者にとってはコインロッカーに預ける以外の選択肢もありました。分かりやすいのは、すぐ南を流れる淀川に投棄する方法です。誰にも見られる事なく、監視カメラを潜り抜けて実行できたでしょう。

しかしながら容疑者はコインロッカーに預けました。(恐らくは容疑者が出産した)遺体を河川に投棄できず、誰かに見つけて欲しいという一縷の気持ちから、ロッカーに預けっぱなしにしたのかもしれません。

今後の捜査で出産・遺棄した時期や、父親と思われる男性との関係等も報じられるでしょう。

容疑者は住居不定、接客店で働いていました。役所との接点は極めて乏しいです。地元の区役所と接点がなければ、様々な支援に繋げるのも困難です。

こうした悲しい事件を減らすにはどうすれば良いのでしょうか。名付けされぬままに亡くなった、女の子の冥福を祈ります。

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(6/25追記)
懲役2年が求刑されました。

起訴状などによりますと、住居不定の接客店従業員・谷口成美被告(33)は今年1月、大阪市淀川区の路上で自身が出産した女児の遺体が入ったカバンを阪急・十三駅近くのコインロッカーに遺棄した罪に問われています。
 
これまでの裁判で母親は起訴内容を認めていました。

23日の裁判で検察側は「赤ちゃんは抱きかかえられることもなくコインロッカーに閉じ込められていて生命の軽視した犯行」などとして懲役2年を求刑しました。

一方で弁護側は「(被告は)反省をし今後ケアセンターに入ることや今の仕事を辞めることを約束していることから再犯の恐れが少ない」として執行猶付きの判決を求めました。

判決は7月7日に言い渡される予定です。

遺体が入っていたバッグは、コインロッカーに長期間入っていたため業者が回収した後、倉庫に保管されていてその後、異臭に気付いた職員が警察に通報し発見されたということです。

初公判で検察側は冒頭陳述で「ホテルを転々としながら生活していて深夜に仕事を終えたあと産気づき、バッグを購入。その後、裏道でバッグ内に赤ちゃんを産み落とした。そして赤ちゃんの遺体をコインロッカーに遺棄した」と指摘していました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/398a274cda8b6d05b93cbbb371079dc409671f4a

父親は不明のままです。十三駅周辺は風俗店が多い地域です。こうした不幸な事件を少しでも減らすべく、行政が積極的にアプローチする必要があるのでしょう。まずは住居の確保、そして職業訓練ですね。