(9/27追記)
執行猶予付きの判決が言い渡されました。

「主文、被告人を懲役1年6か月に処する。その刑の執行を3年間猶予する」女はまっすぐ裁判官を見つめていた。そして、言い渡しの後、小さい声で「はい」と答えた。吉田絵里佳被告(28)。判決によると、今年6月に大阪・日本橋の駐車場にあるコインロッカーに、自身が出産した赤ちゃんの遺体をポリ袋に入れたうえ、紙袋に詰めて遺棄した。(中略)

売春を生業にして、『望まない妊娠』をした吉田被告。小さな亡骸の尊厳を傷つけた罪に対し、裁判所は、社会の中で更生をしながら『生きなおす』道を示した。裁判官の「自分の体を大切に」という言葉は吉田被告の心に刻まれたのだろうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/71a63200eecc6753c056c4aa4fafe487345bcd2c

周囲や行政が相当のサポートを行わない限り、そして本人が強い更正への決意を持たない限り、同じ事態が繰り返されます。

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(7/2追記)
異例の展開です。容疑者は「コインロッカーに捨てた」と供述しています。

捜査関係者によりますと、吉田容疑者はその後の調べに対し、赤ちゃんを「コインロッカーに捨てた」と話しているということで、警察は遺体が入った袋を別の人物が中身を知らずにロッカーから取り出して移動させた可能性があるとみて調べています。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20220630/GE00044536.shtml

誰がわざわざロッカーから移動させたのでしょうか。他の使用者?それともコインロッカーの管理者?

(6/29追記)
母親が逮捕されました。

大阪市中央区の駐車場で15日夜、乳児の遺体が見つかった事件で、大阪府警は29日、住所不定の無職、吉田絵里佳容疑者(28)を死体遺棄の疑いで逮捕し、発表した。「4月に赤ちゃんを産んだ後、ホテルを転々とし、駐車場の近くに遺棄した」と供述しているという。

https://digital.asahi.com/articles/ASQ6Y3TC6Q6YPTIL003.html

端緒となったのは、赤ちゃんが捨てられた袋に残されていたレシートでした。恐らくはコンビニエンスストアのレシートでしょう。

商品を購入した時間帯の店舗内防犯カメラの映像を確認し、同店周辺のカメラを辿り、どこかのホテルに入っていく姿を確認し、宿泊者名簿やホテル従業員からの聞き取りで氏名を把握し、他ホテルに宿泊状況を問い合わせ、本人の所在を特定したのでしょう

遺棄された現場は、堺筋沿いの大型駐車場でした。なんばから広がる繁華街の一角です。

遺棄した母親を責めるのは簡単です。重要なのは、こうした事態に陥ってしまった社会環境を分析し、再発を防ぐ方法を講じる事でしょう。

昨晩、クローズアップ現代(NHK)にて、支援を必要とする特定妊婦を取り上げた番組を見ました。

予期せぬ妊娠や貧困などで子どもを育てるのが難しく、出産前から支援が必要と行政に認定される「特定妊婦」。ここ10年で8倍の8200人に増加していますが、取材を進めると、助けを求めることもできず、また助けを求めたとしてもその声を社会にかき消されるなど、孤立を深める母親たちの実態が浮かび上がってきました。

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4680/

番組では大阪の事例も数多く取り上げられていました。逮捕された母親が行政の支援に辿り着けていたら、悲しい結果は避けられたかもしれません。

母親は遺棄後、ホテルを転々する生活を送っていました。その前も似たような生活だったのでしょう。大阪にはこうした生活者が存在し、違法(まがい)の活動で日々の糧を得ている方もいます。

そうした生活を過ごしていると、お天道様の下にある行政や医療機関に助けを求めるのが心理的に極めて困難になりがちです。どうやって連絡すれば良いのか、どこに連絡すれば良いのか、怒られないか、縁を切った実家等に連絡されないか等々、様々な障壁があるのが実態です。

クローズアップ現代では、様々な支援窓口も紹介していました。

【ひとりで悩まないで】妊娠、出産支援の窓口まとめ
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/p4rD2EqEEJ/

「特定妊婦」とは?登録で受けられる支援は?深刻な”孤立”状態も
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/p76vRq4Zo7/

同じ様な境遇で悩み苦しんでいる方がおられましたら、一度支援窓口へご連絡下さい。匿名でも大丈夫です。

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大阪市中央区日本橋2丁目の駐車場に放置されたカバンの中から、生後間大阪日本橋の駐車場でもない乳児の遺体が見つかりました。

15日夜、大阪・中央区の駐車場で、生まれてまもないとみられる赤ちゃんの遺体が、放置されたかばんの中から見つかり、警察は遺棄されたものとみて調べています。

15日午後11時半すぎ、大阪・中央区日本橋の駐車場で、かばんが放置してあり、異臭がすると警察に通報がありました。
警察がかばんの中身を確認したところ、ビニール袋に入れられた赤ちゃんの遺体が見つかりました。

赤ちゃんは身長およそ40センチでうまれてまもないとみられ、裸の状態だったということです。

ただ、遺体の状況から死後時間がたっているとみられ、性別はわかっていないということです。警察は、何者かが遺体を遺棄したとみて、詳しく調べています。

現場は、近鉄・日本橋駅の近くにあるコインパーキングで、飲食店などが建ち並ぶ人通りの多い場所です。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220616/2000062360.html

現場はなんば駅の東側、日本橋筋の中東部に当たります。地域内には黒門市場もあります。

地図を見て「ここは浪速区では無いか」と考え込んでしまいました。「日本橋=浪速区」というイメージが頭にありました。調べたところ、日本橋は2丁目までが中央区、3丁目からは浪速区でした。なんさん通りが区境です。

この地域はコンピュータやアニメ関係を取り扱った店舗や黒門市場に関連した店舗が多く、日中は賑わっています。しかし夜間は人通りが急減します。コロナ禍で観光客が急減した後は、地域の賑わいも落ち込んだと聞きます。

このところ、全国各地で乳児を遺棄する事件が相次いでいます。若年女性の孤立、経済難、子育ての難しさ等、理由はいくらでも考えられます。

特に大阪は地方から出てきた人も多く、地縁や血縁による援助も期待しにくいです。行政等が支援しようにも、支援を要する方がどこにいるのかを掴むのは難しいです。住民登録や妊娠届を提出していない方も少なくありません。

「遺棄した母親が悪い」で終わらせてはならない事件です。次なる遺棄事件を少しでも減らす為に、遺棄された乳児がどうすれば健やかな一生を過ごせたかと考えるべきです。

なお、本事件の容疑者は直に逮捕されるでしょう。防犯カメラが非常に多い地域です。逃げられません。