あっという間に2022年が過ぎ、今度は2023年がやってきました。年々、1年が過ぎ去るのが早くなっています。
世間は今日から仕事初めですが、多くの子育て家庭ではそれどころではないでしょう。多くの学校の始業式は1月10日(火)です。ここまで遅い始業式は記憶ありません。いきいきに行かせていますが、家の中は全く落ち着いていません。
子育てに関する2023年のキーワードは、間違いなく「少子化」です(「今更何を」という気もしますが)。
2022年の出生数は80万人を割り込むのが確実視されています。第一生命経済研究所の予測では、最終的に77.1万人程度をされています。
少子化が加速している。公表済みの厚生労働省の月次統計をもとに推計したところ、2022年の出生数(日本人)は77.1万人程度と80万人を割れそうだ(2021年81.2万人)。
2023年やそれ以降は、更に保育所等へ入所しやすくなるのが確実視されています。大阪市が10月末に公表した2023年度一斉入所中間発表でも裏付けられています。
真っ先に異変が生じるのは、1月末から2月頭に予定されている一斉入所2次調整でしょう。これまででは考えられない程の多くの保育所等が2次調整を行う筈です。保育を希望するより多くの方が入所できる反面、保育所等の経営面では大打撃となり得ます。
特に第1希望として選ばれにくい地域型保育事業・企業主導型保育・認可外保育施設の経営問題は深刻視されます。中には閉園を余儀なくされる施設もあるでしょう。少子化が深刻な郊外や農村部では、地域唯一の保育施設すら存続できない事態も起こります。
少子化で保育所等へ入所しやすくなると思いきや、選択肢が減る事態が目前に迫っています。
更なる少子化を食い止めるべく、政府や自治体等は子育て予算を積み増そうとする動きを見せています。
岸田首相は「異次元の少子化対策に挑戦」、そして東京都の小池知事は「0~18歳の子どもに対して、月5,000円程度を給付を考える」との旨を発言しました。後者の予算規模は約1200億円です。
岸田首相
「本年も覚悟を持って、先送りできない問題への挑戦を続けて参ります。特に2つの課題――第1に『日本経済の長年の課題に終止符を打ち、新しい好循環の基盤を起動する』、第2に『異次元の少子化対策に挑戦する』」https://news.yahoo.co.jp/articles/86cb10a82c6744840f5778aa584f12d8a522df2d
小池都知事「チルドレンファーストの社会の実現に向けて、さらなる取り組みを進めています。0~18歳の子どもに対しまして、月5,000円程度を念頭に、育ちを切れ目なくサポートする給付を行うなど大胆な取り組みも考える」
これは都庁の新年あいさつで発表したサプライズだが、東京に住む子ども1人あたりに月5,000円程度の給付を行うという。
対象は0歳から18歳までの子ども。
開始時期は2023年4月からの支給を目指していて、所得制限は設けないという。https://news.yahoo.co.jp/articles/5b73824b49c2e7d27babda102e02ff2f2106c087
子育ては本当にお金が掛かります。小学校入学前は保育料が重い負担です。小学校低学年では負担が軽くなるものの、高学年になるに連れて習い事・塾・食費がのし掛かります。
中学生がいる家庭では部活関係や塾代の負担が極めて重いと聞きます。高校生以降は重い重い学費に喘ぎそうです。
これらに加えて、全ての年代で親の手間暇も掛かってきます。小学校に入学して手が離れると思いきや、宿題チェックや学校行事といった親の手を要する雑務が雨霰の様に降りかかりました。
親が仕事等に費やせる時間は当然ながら減り、収入にも影響します。収入減と支出増が同時に発生します。子育てする事による家計への影響は極めて大きく、特に中低所得層において子供を持つ世帯率が既に減少し始めています。
2020年分の値をみると、「300万円未満」、「300~600万円未満」の層において、子どもを持つ世帯の割合が過去から明確に低下していることがわかる。
子育て世帯の一つとして、子供向けの予算を増額するのは賛成です。一方、「子育て支援」と「少子化対策」は同一ではありません。少子化の最大な原因は「未婚者の増加」です。トップは男女ともに東京(男性が32.15%、女性が23.79%)です。
50歳までに一度も結婚したことのない人の割合が急速に増えている。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が公表した最新の調査結果によると、2020年の全国平均は男性が28・25%、女性が17・81%に達した。近年は特に女性の伸びが顕著で、少子化が加速している。
同研究所は5年に1回の国勢調査に合わせ、50歳時点の未婚率を算出している。
20年は、男性は東京(32・15%)が最高。埼玉(30・24%)、神奈川(30・07%)が続き、首都圏が高かった。女性は東京(23・79%)、高知(21・13%)、大阪(20・60%)の順だった。
子育て世帯にとっては嬉しい政策ですが、余りにバランスが悪いと感じています。結婚できない3割前後の人間は切り捨て、子育てできる世帯への支援に集中する限りは、少子化は止まらないでしょう。
東京都の5000円給付の根拠は「教育費が他都道府県より5000円高い」からだそうです。教育費を押し上げている要因は学校外教育費や私立学校教育費です。5000円給付を行っても、こうした業界に流れていくだけでしょう。
大阪の街角でも少子化を強く感じています。小学校の新入学生(予定数)には前年より減少したと聞きました。公園で遊ぶ子供の数も減り、地域の子供関係のイベントや諸活動への集まりも鈍くなっています。お世話になっている保育所も年齢毎の園児数を減らしました。
子供の数が減ってゆとりが出来る一方、教育費が集中的に投資される子供同士の競争は激化する一方です。既に子供間の二極化が著しく進行しています。
少子化時代の子育ては非常に難しいです。明確な道しるべは未だ見えていません。まだ暗中模索しています。