以前と比べると注目度は大幅に低下していますが、「大阪モデル」は未だ運用されています。3カ月半ぶりに「赤色」となりました。通天閣が赤くライトアップされます。
大阪府内では、新型コロナウイルスの感染が拡大しており、病床の使用率は、26日までの4日連続で50%を上回っています。
こうした状況を受けて大阪府は、対策本部会議を開き、感染状況などを伝える独自の基準「大阪モデル」を26日から非常事態を示す「赤色」に引き上げることを決めました。
大阪モデルが「赤色」になるのは、ことし9月13日以来、およそ3か月半ぶりで、会議では、▼子どもを含め、ワクチンの早期接種を検討することや、▼高齢者を中心にインフルエンザのワクチン接種も検討することなどを呼びかける方針を確認しました。
大阪モデルへの注目度の低下とは反対に、新型コロナウイルス第8波は大阪府内でも猛威を振るっています。
直近1週間の新規陽性者数は、11週連続で増加しています。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00442312/ikkatsu.pdf
このグラフに対して「第7波ほどの感染力や感染者がいない」という指摘もあるでしょう。ただ、陽性を確認しても自己登録しなかったり、そもそも検査すらしていない住民が相当数に上ると指摘されています。私の周囲でも続々と感染者が発生しており、大阪府内の1日平均感染者が1万人前後とは信じられません。
感染の高まりを強く意識させられたのは、かかりつけ医の小児科医です。
先日受診した際は、普段より長い時間を待合室で待ちました。普段は医師1名と看護師数名・看護事務数名がいるのですが、その日は医師1名と看護師1名しかいませんでした。その2人だけでクリニックを回していました。待たされるわけです。途中からは隣接する調剤薬局の職員さんがヘルプに入るぐらいでした。
学校や保育所の先生でも休んでいる方が散見されます。学校では終業式が行われたにも関わらず、不在だったクラス担任や管理職がいたそうです。
具体的な事情等は聞きませんでしたが、話を聞かなくても分かります。本人もしくは家族の事情で出勤できないのでしょう。
大阪府はワクチン接種率が低迷しています。3回目を接種した30代は半分弱、5歳~11歳に至ってはたった2.5%に過ぎません。40人に1人の割合です。
生後半年~4歳(乳幼児接種)の接種率は更に低く、底を張っています。大阪市はたった0.86%です(744人)。
接種を開始するのが遅かったとは言え、この低さは愕然とします。このままでは(接種期間とされている)年度末までに2%にすら達しない恐れがあります。5歳~11歳を対象とした小児接種が開始した際に「接種義務ではない」と強調し過ぎたのが裏目に出ています。
小児接種・乳幼児接種が可能な医療機関も限られています。「接種したいのに近所にない」「予約がいっぱい」という声も聞きます。特に乳幼児接種は少なく、大阪市内に限ると1中学校区に概ね1箇所しかありません。
コロナ感染以外で子育て世帯が利用する可能性があるのは救急搬送です。大阪府内の救急搬送困難事案は既に過去最多に匹敵する水準で推移しています。救急車を呼んでも来ない、来ても搬送先が決まらないのが実情です。
大阪府はインフルエンザとの同時流行を強く危惧しています。既に流行期入りの目安の直前となっています。
大阪市内の繁華街は賑わいを取り戻しています。年末のなんばの人出は、ここ2年間で過去最多でした。最も多かった今年のGWの人出の約1.5倍に達しました。
年末の大阪は賑わっている反面、医療機関や消防隊は著しく逼迫しています。全く異なる事態が同時に進行しています。
コロナに関する報道の優先度が大幅に下がった為か、ニュース等で取り上がられる頻度も少なくなっています。その為、こうした実情は余り知られていません。
大阪府内の流行動向は第7波と同水準、もしくはそれを上回っているのではないかと見ています。しかしながら、街中でそうした切迫感を感じ取るのは難しいです。コロナ禍前の年末を思い出す混雑ぐらいです。
年末年始には救急反応不能事案が多発し、帰省先で一家全滅する事案が相次ぐでしょう。抗原検査で陽性であっても、そのまま公共交通機関で移動する人もいる筈です。
これまで以上に混沌とした年末年始を迎えそうです。もう自己防衛するしかありません。
我が家はここ1か月の間に全員がコロナワクチン及びインフルエンザワクチンを接種しました。帰省はする予定ですが、人混みには近づきません。