(大阪府教育庁からの通知、https://twitter.com/nakagawa_seita/status/1599199138021007361より)

先日、文部科学省が各教委へ「座席配置の工夫や適切な換気の確保等の措置を講じた上で、給食の時間において、児童生徒等の間で会話を行うことも可能」等と通知しました。

【ニュース】文科省「座席配置の工夫や換気の確保で給食中の会話可」

これを受け、大阪府の吉村知事は「黙食はやめたらいい」「子どもの教育活動がある意味過度な制限を受けることがないように判断していく」と発言しました。

 もう僕は黙食はやめたらいいと思っています。基本的対処方針で、今回削除になった事項があります。どういう項目が削除されたかというと、飲食はなるべく少人数で黙食を基本とし、会話をする際にはマスクの着用を徹底すること等を促すとありましたけど、これが削除されました。なくなったということになります。これも受けて文科省としてこの通知を出したということになると思います。

ですので、これは昨日の決定事項ですから、ちょっとここは教育庁とももう少し詰める必要があると思っています。現在の基本的対処方針に基づいて府民にお願いしている事項にもここは関することになってくると思いますし、とりわけ学校での活動、子どもの教育活動がある意味過度な制限を受けることがないように判断していく必要があると思っています。

実際黙食を要請はしていないと文科省も言っていて、確かに大阪府、教育庁も含めて黙食を要請しているわけでもなくて、だけども学校の中で全体のこういった基本的対処方針があったり、全体のコロナの扱いとして、黙食に限らずですよ、いろんな活動の制限がやっぱりあるわけですよ。体育祭とか文化祭とかもそうだし、保護者の参加についても非常に人数を制限したり、いろんな制限事項がこの給食に限らずありますから、これをどうしていくべきなのかというところなんだろうと僕は思っています。

このあたりを少し教育庁とも、今回変わったことも受けて、当然国から通知が出ていますから、そのとおりの通知は当然やるわけですけれども、ここはちょっと今回の変更も受けて教育庁と協議して考えていきます。また、教育庁からそれぞれの教育委員会に対しての発信も行うということになると思います。基本的には、僕は学校における黙食はやる必要がないと思っています。

https://www.pref.osaka.lg.jp/koho/kaiken2/20221130.html

同日、大阪府教育庁は市町村教委に対して「大声での会話を控える」「黙食とする必要はありません」などとした通知を発しました。

府教育庁の通知でいやらしいのは、文部科学省の通知に記載されている「感染状況も踏まえつつ、地域の実情に応じた取組を御検討いただくよう、よろしくお願いします。」という一文を削除している点です。

(前略)実際にも、一部の地域において行われているように、座席配置の工夫や適切な換気の確保等の措置を講じた上で、給食の時間において、児童生徒等の間で会話を行うことも可能ですので、感染状況も踏まえつつ、地域の実情に応じた取組を御検討いただくよう、よろしくお願いします。

https://www.mext.go.jp/content/20221129-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf

大阪府の感染状況は国内最悪(但し第8波は東日本より控えめ)、そしてワクチン接種率等は全国最低水準です。「感染状況も踏まえつつ、地域の実情に応じた取組」という文言を踏まえると、緩和するのは難しいというのが真っ当な受け止めです。

府教育庁からの通知を受け、大阪市教委も12月1日に同趣旨の通知を発した様子です。一部の小学校の学校日記に記載があります。

給食中のおしゃべりについて

ニュースなどでも報道されていたので、ご存じかもしれませんが、文科省が「給食中に『黙食』することを求めていない」との通知を出しました。

この通知を受け、大阪市としては、今まで給食中は「会話をひかえる」としていましたが、適切な感染対策を取ったうえで、食事中に必要があれば「小さい声で話してもいい」と変更することになりましたので、お知らせします。

なお、給食中の適切な感染対策としては、
・飛沫を飛ばさないように、机は向かい合わせにはしない。
・大声での会話はひかえる。
・手指衛生とともに適切な換気を確保する。
と考えています。

【お知らせ】 2022-12-01 17:06

http://swa.city-osaka.ed.jp/weblog/index.php?id=e561151&optiondate=202212&no=1

給食の時間の感染対策の変更について

昨日、教育委員会から、給食の時間における感染対策の変更についての連絡がありました。

「大声での会話を控える」とし、「黙食」とする必要がなくなりました。子どもたちには、学級担任を通じて、今日の給食前に知らせています。机を向かい合わせにしない・手指衛生や適切な換気の確保などの感染拡大防止措置は、継続します。

2学期もあと3週間ほどになりました。
みんなが元気に過ごしてくれますように。

【お知らせ】 2022-12-02 15:13
http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e651424

府知事の発言は報道で知っていましたが、府教育庁や大阪市教委がこうした通知を発していた旨の報道は見聞きしていません。こっそりと通知したのでしょうか。

以前にも記した通り、黙食解禁は「今では無い」というのが私の考えです。インフルエンザとのツインデミックの懸念、換気がしづらく病気が流行りやすい季節、大阪府内の公立学校の空気清浄機等整備率の低さ、ワクチン接種率の著しい低さ、襲来しつつある新型コロナ第8波等、黙食を緩和・撤廃するのに求められる要素は満たされていません。

学校給食の黙食に対して「全ての食事中で黙食を続けて下さい、学校では教室の端で食べて下さい」と皮肉を込めた指摘をする方もいます。

が、学校給食を日常生活にたとえるならば「部署全員が出席する大人数での食事会」です。気心の知れた数人や家族での食事とは性質が根本的に異なります。

また、学校は長い時間を過ごす場所です。給食の前後にはいくらでも話す機会があります。給食中の数十分程度を静かにする事により、どれだけ子供に悪影響があるのでしょうか。授業中は更に長い時間に渡って「お喋りしない」ことを求められています。

先に記した通り、大阪府も大阪市も文科省通知にある「感染状況も踏まえつつ、地域の実情に応じた取組」という文言を削除し、改めて通知をしています。意図的なものでしょう。

我が家がお世話になっている学校からは「黙食を緩和した、おしゃべりOK」というお知らせやプリント等は配布されていません。子供もそうした話も聞いていません。学校として判断しかねているのかもしれません。