大型連休中は各地で多くの人出が見られました。コロナ禍前を彷彿とさせるほどです。しかし、この間も毎日全国で数万人の感染者が報告されています。
警戒心が低下するに伴い、再び大規模クラスターが確認されています。福井県では高校の部活動の大会でクラスターが発生し、5月7日までに102人の感染が確認されています。
県は七日、県内で新たに二百三十五人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。新規感染者が二百人以上となるのは四日連続。四月下旬の高校運動部の県大会に参加した生徒、指導者、大会関係者の感染は、十九人増えて百二人となった。
大会に参加した七校全てで生徒、教職員に計五人以上の感染者が出ており、新たに二校の校名が公表された。うち北陸高は新規感染者の生徒十四人を加えて累計十五人。武生高は七日までに累計十人となった。既に校名が公表されていた福井商業高でも、新たに大会に参加した生徒一人が感染した。同校では他の部活動などでも感染が広がっており、七日は他に生徒四人と教職員一人の陽性が判明。一日以降の累計患者は六十六人となった。
大会は四月二十九日に福井市内の体育館で開催。県によると、昼食時や更衣の際の接触で一部の生徒らが感染し、後日、各校で部内に感染を広げたとみられる。七校のうち六校では大会参加者から五人以上の感染者が出ているが、県は大会以外の機会で感染した患者も含まれるとみて、感染経路の調査を進めている。
4月29日に福井市内の体育館で開催され、北陸高校・武生高校・福井商業高校を含む7校が参加した大会に該当するのは、令和4年度福井県高等学校バスケットボール強化大会です。
http://fukui.japanbasketball.jp/_src/4033/R4_kyouka0429%20.pdf?v=1649931815732
他にも仁愛女子高校が感染者を公表しています。
バスケットボールは屋内で激しく運動し、接触プレーも多い競技です。密集・密閉・密着を備えたスポーツです。ここ2年間でもバスケットボールを通じた感染拡大は数多く確認されています。競技の特性上、感染拡大を防止するのは非常に難しいと感じています。
少し解せないのは、福井県担当者が「昼食時や更衣の際の接触で一部の生徒らが感染し、後日、各校で部内に感染を広げたとみられる」とコメントしている点です。
「昼食時や行為の際の接触」とは何らかの根拠があっての事なのでしょうか。大会のどの場面で感染が広がったかを特定するのは容易ではないでしょう。「試合中の感染対策は万全だった。感染拡大を招いたのは、試合外における高校生の気の緩みが原因だ。」と責任転嫁している様に受け取ってしまいました。
新年度になり、様々なスポーツ活動が盛んになっています。指導者や主催者は様々なガイドラインを公表し、注意喚起を行っています。しかし、それを完全に遵守できるとも限りません。
また、活動中はマスクを外す事になるので、感染者が紛れ込んでしまった場合は感染が急拡大しがちです。特に換気が万全では無い体育館や武道場ではより深刻です。
一方、若年層は重症化・死亡するリスクが極めて小さく、活動出来る年月が限られる事から、今までの様に活動を強く抑制するのはデメリットが大きいです。
感染拡大防止を図りつつ、スポーツ活動を執り行って行くには、大人の対策と工夫が必要です。
ただ、本件の様な大規模クラスターが発生してしまうと、やはり多数の学校・団体が集まり、屋内で試合・大会等を行うのはハードルが高いと感じました。感染が拡大しやすく、広がった際の範囲が大きすぎます。
残念ながら、今後は各校で同じ体育館を利用している他部活動の部員にも感染が拡大していくでしょう。
本バスケットボール大会については少なくとも男子と女子の大会場所を分ける、時間帯をずらす等の工夫はあって然るべきでした。各校毎の練習試合という形式も取り得ました。リスク対策の甘さは否めません。