先日、5年に渡るリニューアル工事を終えた藤田美術館(大阪市都島区)を訪れました。


既に様々なレポート等が掲載されていますが、「子供と一緒に観に行ったよ!」という物はありませんでした。子連れ鑑賞時の情報が少ないので、現地で気付いた事などを簡単に掲載します。

公共交通機関を利用した場合、最寄となるのは大阪城北詰駅(JR東西線)の3番出入口です。美術館まで徒歩30秒も掛かりません。

しかし、3番出入口にはエレベーターはありません。エレベーターがあるのは1番出入口です。現地へはここから京阪電車の高架下を潜り、信号を渡って移動する事となります。徒歩5分程度でしょうか。京橋駅からだと15分近く掛かります。

美術館内への出入口にはスロープが設置されています。ベビーカーでも車いすでも安心です。

入場料金の払い方は独特です。入場待機列を回る係員に原則としてキャッシュレス(クレジットカードや交通系ICカード)で支払います。現金は例外的な取り扱いでした。

展示室内はベビーカー禁止(車いすはOK)

面食らったのは、「展示室内へのベビーカーの持ち込みはご遠慮下さい」という声がけでした。実は同美術館は案内表示や注意書き等が全くありません。よく言えば展示品に集中できる環境、悪く言えば不親切です。同美術館のポリシーは前者です。

ベビーカーの専用置場や一時預かりはありません。展示室横にコインロッカー(1回100円、使用後に返金)があり、ロッカーの下部に置けるスペースがあります。折り畳まずに置けるだけの広さがありました。

小さな子と一緒に落ち着いて鑑賞するには抱っこ紐が必須です。走り回る子からは手が離せません。

展示室内でベビーカーを使用できない理由は入室後に分かりました。とにかく暗いのです。真っ暗とまでは言いませんが、照明を落とした映画館内よりも暗いぐらいです。展示室が傷まないようにと照明を抑制しているのでしょう。

暗さで足下がよく見えません。しかも、大切な展示品を保護しているガラスは非常に透明度が高いものでした。暗さの中ではガラスの存在に気付かないほどでした。

もしもベビーカーを持ち込んだら、間違いなくガラスにぶつけます。一度や二度では済まないでしょう。ベビーカーが使えないのも納得しました。

ただし、車いすの利用は可能でした。車輪が前方に出ているベビーカーとは異なり、車いすは両足が突き出ています。靴がガラスに接触するのは仕方ないという判断なのでしょう(それでもぶつかりますが)。

展示説明は最小限、詳しい説明はスマホで

暗い屋内には、収蔵品のみがシンプルに展示されています。説明文は最小限です。表題、大凡の制作年、制作地、制作者等のみです。時代背景等は同美術館のウェブページを見るように案内されます。

係員が入場待機中に館内Wi-Fiへの接続方法を説明していました。展示室内でスマホを開け、詳しい案内文を読む形式です(初めての経験です)。展示室内はLTEや5Gは殆ど繋がりません(待機列では繋がる)。

ただ、当日は館内Wi-Fiへなかなか接続出来ませんでした。来場者が多かった為か、ルーターか無線LANアクセスポイントの処理能力を超えてしまっている様に感じました。IPアドレスが全く付与されなかったので、恐らくはルーターの問題でしょう。

展示品は圧巻でした。私設美術館とは思えない程に充実しています。国宝たる曜変天目茶碗も撮影し放題です。

絵巻、手紙、茶道具等、小学校高学年以上でしたら何となく理解できそうです。ただ、子供向けの説明文は皆無です。子供に簡単な解説をしながら見て回りました。

展示室は3室、展示品数は20点ほどでした。小1時間あればじっくりと観られます。

展示数が少なめだったので、室内の空間にはゆとりがありました。窮屈では無いので、子供と一緒でも見て回りやすいと感じました。

展示室を抜けた先には大阪市が管理する藤田邸跡公園があります。回遊式庭園です。芝生も広がり、子供が走って遊べるだけの広さがあります(池ぽちゃに注意)。虫取りもできます。

ただ、管理状態は決してよくありません。草は生え放題であり、木々を手入れした形跡もありませんでした。公園管理予算が明らかに不足しています。非常に残念でした。

あみじま茶屋で一休み

美術館内にはあみじま茶屋があります。日本茶(煎茶・抹茶・番茶から選択)とおだんごが味わえます。


https://tabelog.com/osaka/A2701/A270107/27122486/

こちらも支払いはキャッシュレスでした。「現金の取り扱いは極力避ける」という同美術館のポリシーが感じられます。

丁寧にお茶を準備している為か、待ち時間は長めです。土日は30分ほど待つ時間帯もあるでしょう。お茶などは美術館内に置かれた長椅子に座って頂けます。なお、展示室を観ない方でも利用出来ます。

長椅子はそれぞれ離れて置かれており、天井の高さは4~5メートルほどありました。ソーシャルディスタンスは保たれていました。

子供と一緒に美術館や博物館を訪れるのは、敷居が高いのは事実です。私も足が遠のいていました。しかし、子供もそろそろ理解できる年齢となってきました。今年は家族で一緒に観て回ります。