保育所等への入所が内定した方は施設へ提出する書類や持ち物の準備に追われている最中だと思います。細かい書類が非常に多くて大変ですが、全ては安全な保育を行うのに不可欠な書類です。
さて、自治体毎の調整結果がまとまり始めました。昨年に引き続き、今年も申込数の減少傾向が止まりません。
保育園の申込者数、今春も減少傾向 コロナで預け控え?増えた市も
4月からの認可保育園への入園申込者数が、大都市圏などで昨年に引き続き減少傾向にあることが朝日新聞の調査でわかった。全国の認可園の申込者数は昨春、厚生労働省の調査開始以来初めて前年を下回り、今春回復するか注目されていたが、コロナ禍の感染不安や雇用環境の悪化などが引き続き影響しているとみられる。(以下省略)
上記記事によると、大阪市の2022年度保育所等一斉入所(1次調整)における申込数は13,941人、落選率(入所保留率)は24.4%(約3,402人)でした。内定率に換算すると75.6%となります。
大阪市が2021年10月27日に公表した中間発表では、申込数は14,280人でした。朝日新聞の記事に掲載された数字とは339人の誤差があります。素直に考えると、中間発表後に申し込みを取り下げた人数に相当するのでしょう。転居が決まったり、年度途中申込で内定した方等が該当します。
大阪市は大半の年齢の申込数が概ね横ばいだったのに対し、1歳児だけは7%も減少していました。ただ、2021年度一斉入所では0歳児申込数が前年比で大幅に減少しており、その流れが2022年度1歳児に引き継がれたとも見受けられます。
多くの年齢で横ばいだったのは、少子化による減少とコロナ禍による預け控えからの回復が拮抗しているからだと推測されます。
コロナ禍による影響は、影響がなかった2020年度一斉入所と比べると分かりやすいです。大阪市は概ね1割減となっています。この間の出生数は概ね6%減です。粗い計算ですが、その差たる約4~5%がコロナ禍による影響なのでしょう。
大阪市内特有の事情としては、観光客や飲食客の激減は無視できません。こうした業界での雇用が減少し、保育を必要とする家庭が減少しています。ただ、こうした業種が集中している地域と申込数が減少した地域に相関は見受けられません。
お世話になっている保育所でも、園児数が減少していると感じています。1次調整での倍率が年々下がり、園児定員も少しずつ減らしています。以前は少し手狭感があったので、少しでもゆとりが出来るのは歓迎します。
申込数が減少する事によって入所しやすくなる反面、園児募集に向けた動きは強まると考えられます。
今後は全国各地で「園児減少による閉園」が発生します。都市部では6年保育を行わない施設(保護者ニーズは6年保育に集中)、そして地方では地域唯一の保育施設の存続が危ぶまれていきます。大阪市内でも施設数が過剰だと考えられる地域が生じています。
コロナ禍による預け控え、そして少子化が加速しました。待機児童対象として保育施設を新設し続ける時代は終わろうとしています。