2022年度保育所等一斉入所申込状況分析、第3回は阿倍野区です。

※10月27日に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年より入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、0.1倍以上減少した区は水色、入所倍率が2倍を超えた箇所は赤、優先枠申込者が存在する箇所は緑で表示しています。

2022年度一斉入所で最も入所倍率が高いのは、阿倍野区の1.22倍です。2位の東住吉区(1.09倍)に大きな差を付けています。

原因は新設保育所等の減少(復数園が新設された昨年度の反動)、そして0歳児申込数の増加です。

阿倍野区は市内中心部へ通勤しやすく、そして住環境にゆとりがある地域です。今後も子育て世帯の人気を集め、急激な少子化が進まないと予想されます。保育施設の不足感は来年以降も続きそうです。

同区は前年より0歳児入所が難しくなりました。他の年齢では大きな変動はありません。

0歳児は申込数が昨年より28人多い197人、募集数が16人少ない219人となりました。入所倍率は0.72倍から0.90倍へと上昇しました。

「0.90倍なら全員が余裕で入所できる」と思われがちです。しかし、第1希望は6年保育を行う保育所等に集中します。第1希望倍率が高い保育所等とそうでない保育所等に二極化しています。

特に阪南保育所・松の実保育園・望之門保育園・せいあい保育園・りんりん保育園阪南町は第1希望倍率が2倍を超えています。

こうした保育所等の募集枠の多くはきょうだい加点がある児童で決まってしまいます。フルタイム共働きでも入所できる可能性は低いです。

より厳しいのは1歳児です。阿倍野区の1歳児入所倍率は1.47倍です。これは大阪市内で最も高い倍率です(2位は港区の1.46倍、3位は淀川区の1.41倍)。

第1希望が6年保育に集中する傾向は0歳児と同じです。よって、多くの保育所等の第1希望倍率が著しく高くなってしまっています。

りんりん保育園阪南町の1歳児クラスは募集3人に対して第1希望37人です。正気を疑う数字です。育休延長希望者が集中している可能性は否定できませんが、それを控除しても著しく高い数字です。フルタイム共働き+きょうだい加点があっても、結果を見るまでは楽観できません。

同園は2019年4月に開所しました。それから3年後、ちょうど第2子が入所するタイミングと重なります。「新設園の3年後入所は要注意」と言われます(当サイトだけかもしれませんが)。

更に同園の昨年度の募集数は0歳児12人・1歳児9人でした。この募集予定数が本当なのでしょうか。本当だとしたら、どうして急減してしまったのでしょうか。

にしたなべ太陽保育園の1歳児クラスも募集数が9人→5人→1人へと急減しています。きょうだい児でも入所できない可能性が非常に高く、保護者は困ってしまいます。余っている0歳児募集枠を1歳児へ振り替える等、何らかの対策が求められます。

他にも阿倍野保育園(2.13倍・優先枠あり)、育徳園保育所(4倍・優先枠あり)、三明保育園(2倍)、せいあい保育園(2.22倍)、あい保育園昭和町(4.25倍)、グレース幼稚園(2.5倍)と続きます。

これらの保育所等の多くは、フルタイム共働きでも入所できない恐れがあります。200点で入所できる人とできない人で割れてしまいそうです。

「どうしてもここが良い」と言う強い拘りがなければ、より第1希望倍率が低い保育所等もご検討下さい。

地域型保育事業でも高倍率が散見されます。FourLeaf(2倍)、あおぞら保育園阿倍野(2倍)、キッズパレス美章園(3倍)は稀に見る高さです。

同様に厳しいのは2歳児です。約半数の保育所等の入所倍率が2倍を超えています。昨年の数字と大きな違いは無いことから、阿倍野区の2歳児入所は根強いニーズがあると判断できます。

それ以上に3歳児入所枠は全く足りていません。募集予定数はたったの38人です。地域型保育事業の卒園児(約50人)に見合う募集数すらありません。

阿倍野区の保育施設不足は依然として深刻です。保育所等を新設するペースを緩めるには未だ早いです。

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容は2022申込分析、昨年の内容は2021申込分析からご覧下さい。

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次回は福島区・淀川区・港区・平野区・城東区・住吉区等をお届けする予定です(順序は前後するかもしれません)。

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