全国各地で10代感染者が急増しています。

10代には小学生高学年から大学生が含まれますが、大阪府の感染者情報では小中学生の感染者(就学児という括り)は少なく、感染者の大半はそれ以外(=高校生・大学生・専門学校生等)となっています。

この年齢層で頻発するクラスターは部活動関係です。密室(一部競技)・更衣室・集団行動・ノーマスク・大声を出して士気を高める・コロナ警戒より競技に集中・警戒心を訴えにくい構造等、コロナが大流行する要素を兼ね備えています。

今夏は殆ど通常通りの部活動が行われています。少なくない部活動でクラスターが発生し、中には大規模な大会で発生する事例もあると推測していました。

案の定と言いますか、北海道で行われていた第16回全国高等学校選抜アイスホッケー大会で大クラスターが発生しました。


(決勝・3位決定戦・表彰式、一部はコロナで中止)

アイスホッケー大会でクラスター 90人感染 PCR検査実施せず

北海道苫小牧市で8日まで開催されていた「第16回全国高校選抜アイスホッケー大会」で、道内外の生徒ら90人の感染が13日までに判明し、大規模クラスター(感染者集団)となっている。国は緊急事態宣言地域と往来する際のPCR検査を求めているが、大会では実施していなかった。関係者を含めると参加者は全国26チームの約1000人に上り、各地でさらに感染が拡大する可能性がある。

大会は日本アイスホッケー連盟と苫小牧市が主催し、同市内3会場で4~8日に開催。北海道10校のほか、14都府県の16校・チームが参加した。13日までに生徒78人、教職員・コーチ8人、その他関係者4人の感染が判明した。大会関係者によると、道外の高校では全選手30人の陽性が確認された事例もあるという。(以下省略)

https://mainichi.jp/articles/20210813/k00/00m/040/282000c

参加校は下記の通りです。全国に散らばっています。

京都ジュニアワイルドビーズアイスホッケークラブ (高校生)、 光泉高校アイスホッケー部、 八戸工業大学第一高等学校、 北海道栄高等学校、 北海道清水高等学校、 北海道釧路江南高等学校、 北海高等学校、 埼玉栄高等学校、 岩手高等学校、 愛知県選抜、 慶應義塾高等学校スケート部ホッケー部門、 日光明峰高校、 東京都高体連選抜、 東北高等学校、 武修館高等学校、 水戸啓明高等学校、 白樺学園高等学校、 苫小牧工業高等学校アイスホッケー部、 苫小牧東高等学校、 西武ホワイトベアーズ(高校)、 釧路工業高等学校、 長野県選抜、 関西大学第一高等学校、 青森県立八戸高等学校、 駒澤大学附属苫小牧高等学校、 Fukuoka Breakers IceHockey Team

https://www.jihf.or.jp/watching_games/season/detail.php?meet=581

現時点で判明している感染範囲は3校ですが、更に広がる懸念が示されています。

学校名内容
埼玉栄(埼玉県さいたま市)7日に4人が発熱、29人以上が感染(8/11)
白樺学園(北海道芽室町)部員23人・スタッフ3人が感染(8/13)
八戸工業大第一(青森県八戸市)生徒26人・教員1名が感染(8/12)

これ以外の高校からも感染者が発生したとの話も出ています。

なお、多くの部員が感染した3校は大会で直接試合を行っていません。練習中や滞在先ホテルで何らかの接触があった可能性が指摘されています。

選手はホテルやホッケー場を集団で往復する日々です。感染者が紛れ込んだら、集団生活や密室性に紛れて感染が拡大するのは避けられません。

授業等ならばマスクで一定程度は防げます。が、ノーマスクかつ集団行動での部活動では防ぎ様がありません。構造的な脆弱性が存在しています。

高校生の部活動では数え切れない程のクラスターが発生しています。

春高バレー参加3チームでクラスター発生、全国で高校部活動クラスターが相次ぐ
【コロナ・6/15追記】徳島・高知の高校女子バレークラスター、80人以上が感染
【コロナ】東京都立光丘高等学校でクラスター発生か、沖縄滞在中の剣道部員も含めて51人以上が感染

しばしば「オリンピックが出来た」「プロ野球やJリーグは出来ている」という指摘がありますが、こうした国際大会・プロスポーツと学生の部活動では感染対策のレベルが全く違います。

高校生の部活動で頻回PCR検査を行えるのでしょうか。寮生活や遠征中に個室・個食を徹底できているのでしょうか。体調不良者はすぐに自主申告し、かつ責めない雰囲気が醸成できているのでしょうか。

部活動が学生生活に重要であるとしても、極めてリスクが高い活動を感染爆発下で行うのは無謀です。科学的知見に基づいた真っ当な判断が出来ていません。

ここまでして部活動を行う意義はあるのでしょうか。オリパラに忖度して「部活中止」と言い出せないのでしょうか。

8月下旬からは2学期が始まります。部活動が盛んな学校を中心に、2学期開始直後から休校する高校が相次ぐのではないでしょうか。

第4波の大阪では、最盛期に約20校の府立高校が臨時休業しました。第5波ではこれを大きく上回る規模で全国の高校が休業するでしょう。

部活動と健康や通常授業、どちらが大切なのかは言うまでもありません。スポーツの意義や価値が余りに過大視されています。

今は勇気を持って「部活休止」と宣言すべきです。

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(追記)

高校野球(甲子園)に出場する選手1人の陽性が確認されました。東北学院です。

 全国高校野球選手権大会の大会本部は14日、東北学院(宮城)の選手1人がPCR検査で陽性と判断されたと発表した。
https://nordot.app/799188696347852800

同校は11日に1回戦を終えたばかりです。ノーマスクで複数の選手と接しており、部員全員が濃厚接触者と判定されるのではないでしょうか。

他の大会でも厳密に検査を行えば、複数の陽性者が確認されるでしょう。感染爆発中の部活動やスポーツ大会は無理です。

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(8/17追記)

アイスホッケークラスターが更に拡大しました。現在までに128人が感染しています。

これまでのクラスターも拡大しています。
 ●全国高校選抜アイスホッケー大会(苫小牧市)
  新たに31人(教職員等1人、生徒29人、大会関係者1人)の感染が確認され、計128人と100人を超えました。

https://www.uhb.jp/news/single.html?id=22382

高校野球(甲子園)では、13人の感染が判明した宮崎商業高校が出場を辞退しました。

夏の甲子園 宮崎商 出場辞退 選手など13人が新型コロナ感染

甲子園球場で開かれている夏の全国高校野球で選手など13人が新型コロナウイルスに感染したとして、宮崎商業が19日の初戦を前に出場を辞退することになりました。

宮崎商業は今月14日の夕方、選手1人が発熱し、15日PCR検査を行った結果、陽性反応を示しました。

その後も医療機関などで検査を行い、これまでに選手など13人が感染したことがわかり、保健所から8人が濃厚接触者と判断されたということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210817/k10013206031000.html

部活動、特に全国大会は無理です。高校生の夢や活動も大切ですが、今は感染予防を第一にすべきです。