近所の高齢者からは「ファイザーを打った」「もうすぐモデルナを打つ予定」という会話が頻繁に聞こえています。高齢者の間で最も熱い話題の一つがコロナワクチンとなっています。

しかしながら、来月以降は接種ペースが半分程度に落ち込む可能性が浮上しています。「ファイザーワクチンの供給量が7月以降に減少する」という内容です。

NHK大阪発のローカルニュースですが、全国で水面下で話題になっています。

ワクチン 来月以降 供給量減少へ 自治体から困惑の声

自治体が行う集団接種についてです。この接種にはファイザーのワクチンが使われているのですが、この供給を巡って自治体から困惑の声が上がっています。

ファイザーワクチンの全国への供給量の推移は、当初は量が限られていましたが、先月から段階的に拡大、安定的な供給が続いていました。しかし、国は、今月4日、来月以降、大幅に減少すると発表。

ファイザーとの契約に基づくもので、やむを得ないとしていますが、突然の減少に、打ち手の確保に努めてきた自治体からは困惑の声が上がっています。

厚生労働省は今月4日、ファイザーのワクチンの来月以降の供給計画を発表し、この中で、来月の供給は5日の週と19日の週ともに少なくとも8000箱、468万人分とされています。

これは前の週の供給量の半分で、今回は追加を希望する自治体への「調整枠」を設けていますが、供給は大幅に減少することになります。

これについて厚生労働省は、「ファイザーとの契約に基づくため減少はやむをえない」としていて、今後は、減少分を補うため、大規模会場や職域接種で使われているモデルナのワクチンを自治体の集団接種で使用する考えを示しています。

しかし、まだ、検討段階のため、モデルナワクチンがどのように供給されるのか具体的に示すことはできないとしています。

このため、打ち手の確保を進めてきた自治体からは困惑の声が上がっています。(以下省略)

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210615/2000047134.html

厚生労働省は「新型コロナワクチンの供給の見通し」を公表しています。

これによると、ファイザーワクチンの7/5・7/12の週と7/19・7/26の週の供給見通しは各8000箱+αとなっています。6月と比べて約半数に落ち込んでいます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_supply.html

概算となりますが、1箱で接種できるのは約1170回分です。7月中に供給されるのは16000箱+αなので、約1872万回分+αとなります。31日間で割ると、1日あたり約60万回分に留まる格好です。

ファイザーワクチンは主に自治体やかかりつけ医が行う接種で利用されています。この供給が滞ってしまうと、7月以降の接種スケジュールに大きな影響が出かねません。

あくまで推測となりますが、既に2回目の接種予約を行っている高齢者等の接種を優先的に進めるでしょう。

その反面、7月以降に順次予定していた64歳以下の接種は大幅に遅れてしまいそうです。多くの子育て世代が接種できるのはもう少し先になりそうですね。

職域接種を行う大企業に所属している世帯とそうでない世帯が分断されるのは残念です。ワクチン接種の有無を話題にするのが難しくなります。

現役世代で優先的に接種を進めて欲しいのはエッセンシャルワーカーです。大阪市は14日から教員への接種を開始したそうです。

 14日は約600人分の空きがあったことから、ワクチンロスを防ぐため夕方以降、会場近くに勤務する市職員や市立学校の教員らが接種を受けることになり、列を作りました。

 また、午後7時前には松井市長が会場を訪れました。

 30分ほど経ったあと会場の外に姿を現し、ABCテレビの取材に対し、注射針を刺した左腕を見せながらスムーズに接種を終えたことを明かしました。

 松井市長は「チクッとしただけ。スムーズに接種できるのでぜひインテックス大阪で申し込んでほしい」と市民に呼びかけました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9b01cda87fe94964717d34882c47f9dcd4502ca4

 一方、大阪市が独自で南港のインテックス大阪に設置した大規模接種センターでは、6月14日午後3時時点で3500枠のうち約600枠の空きが出ているということです。空いた枠については無駄にならないように市内の教職員らが接種を受ける予定です。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20210614/GE00038763.shtml

当ウェブサイトで何度も書いていますが、ぜひとも保育士にも優先的に接種を行って欲しいです。子供が重症化した事例はほぼ皆無ですが、大人にはリスクがあります。

コロナワクチンを誰にどれだけ効率的に接種できるか、自治体毎の能力の優劣が如実に現れていますね。残念ながら大阪は決して褒められたものではありません。

たとえば大阪市が設置したインテックス大阪会場は空きが目立っています。「インテックスは遠い、他を選ぶ」というのが多くの大阪市民の感覚でしょう。高齢者の心情を大阪市が理解できていません。