以前に「2021年の出生数が急減する恐れがある」とした内容を掲載しました。

2021年の出生数は80万人割れも? コロナ禍の影響深刻

現実化しようとしています。妊娠届の受理件数減は全国各地で発生していました。

コロナで妊娠届11%下落 来年の出生数、大幅減少へ

全国の自治体が今年5~7月に受理した妊娠届の件数が、前年同期比で11.4%、2万6331件のマイナスとなったことが20日、厚生労働省の集計で分かった。来年出生する子どもの数は大幅に減る見通しとなった。新型コロナ感染拡大による雇用情勢や出産環境の悪化が影響しているとみられる。国のデータが明らかになったのは初めて。厚労省が21日にも公表する。

感染拡大の不安が高まった3月ごろに妊娠した人が届け出る5月の減少率が最も大きく、前年同月比17.1%減の6万7919件。全都道府県で減り、減少率は山口の29.7%が最大。青森23.7%、石川22.5%だった。

https://this.kiji.is/691391406671250529

 新型コロナウイルスの感染への不安が高まっていた今年5~7月、全国の自治体が受理した妊娠届の件数は、前年同期比で1割超減少したことが厚生労働省の緊急調査でわかった。5月の減少幅が17・1%と最も大きかった。来年の出生数の減少が予想され、少子化の加速が懸念される。

新型コロナの影響で産み控えが広がっているとの指摘を受け、厚労省が調査していた。感染者が増えてきた3月ごろに妊娠した人が届け出る5月以降、7月までの件数は20万4482件で、前年同期間の23万813件を11・4%下回った。

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20201020-OYT1T50283/

5月以降に提出された妊娠届は、概ね来年1月以降の出生に相当します。

2019年の出生数は約86.4万人でした。2020年の出生数は82万人前後、そして2021年の出生数は75万人前後となりそうですね。

少子化が急加速します。「第二の丙午」と言われかねない現象ですが、2022年以降も出生数増は考えにくいのが大きな違いです。

コロナ禍による経済不況は、非正規労働者はこれから職を求める学生等により大きな影響を及ぼします。

想定されたペース以上に出生数が減少するのは避けられそうにありません。

明治安田生命アンケート「更に子供が欲しい人が過去最多」

一方、これとは異なるアンケートも公表されています。

明治安田生命 子育てに関するアンケート調査を実施
~子どもを「さらに欲しい」と望む人は過去最多!
「幼児教育・保育の無償化」による影響か、子育てにかかる費用は過去最低金額に~

https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2020/pdf/20201015_01.pdf

このアンケートを批判するつもりは全く無いのですが、「子供を更に欲しいと望む人が過去最多とは本当????」と俄に信じられなかったです。

3)子どもをさらに「望む人」「望まない人」

■子どもを「さらに欲しい」と回答した人が、過去最多に! 「幼児教育・保育の無償化」による子育て費用軽減とステイホーム期間中の子育て 意識の変化が影響か!?

・子どもを「さらに欲しい」と回答した人は30.5%と、前年の21.3%から約10ptも上昇!2018年の調査開始以降、子どもを「さらに欲しい」人の割合が過去最多に!

・子どもをさらに望むことに消極的な回答をした人の理由のうち、「教育費がかかるから」の割合は32.5%と、前年から14.5pt減少し、また「仕事との両立が難しいから」の割合は12.8%と前年から3.4pt減少するなど、子どもを「さらに欲しい」という意識の高まりは、「幼児教育・保育の無償化」による教育費の軽減や、男性(夫)の育児休取得率の上昇、コロナ禍を契機としたテレワークの浸透による「子育てと仕事の両立のしやすさ」が大きく影響?

・なお、子どもを「さらに欲しい」と回答した人のうち、ステイホーム(緊急事態宣言に基づく外出自粛規制)期間中に「子どもとの絆が深まった」など、子育てに好影響があったという回答は約7割!

「子供が更に欲しい」と感じた方が多かったとは衝撃的な結果でした。

私はコロナ禍による休校・休園で心が折れました。「子供との絆が深まった」より「子供へのストレスが強まった」と感じています(反対に子供もストレスを溜め込んでいたでしょう)。

教育費は本当に悩ましいですね。幼児段階の教育費は大きく減少しましたが、ボリュームがある中等教育での学外教育費や高等教育の学費に頭が痛いです。

大学に入学したのに、授業料や生活費を稼ぐ為にバイト三昧となってしまい、学業に支障を来しては元も子もありません。

私自身にもそうした時期がありました。ゆとりある学生生活を過ごす同期生との差に落ち込む事もありました(苦学生同士で仲良くなり、今も定期的に連絡を取っています)。

ここ最近、テレビニュース等で「アルバイトが出来ず、学費や生活費に困る大学生」がしばしば報道されています。

辛い環境なのは理解できますが、その反面、「アルバイトに追われ続けていて、しっかり勉強できていたのだろうか」という不安も感じました。

コロナ禍による経済的な影響はまだまだ続きます。同様に生活防衛の動きも継続するでしょう。結婚や子育てが難しくなり、少子化が加速するばかりですね。

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(追記)
厚生労働省のウェブサイトに資料が掲載されました。

令和2年度の妊娠届出数の状況について

新型コロナウイルス感染症の流行が本格化した本年4月以降の届出件数と、前年同月との比較は次のとおりです。
○令和2年4月の妊娠届出数は75,807件であり、前年同月の76,083件と比較すると0.4%減。
○令和2年5月の妊娠届出数は67,919件であり、前年同月の81,911件と比較すると17.1%減。
○令和2年6月の妊娠届出数は67,115件であり、前年同月の70,973件と比較すると5.4%減。
○令和2年7月の妊娠届出数は69,448件であり、前年同月の77,929件と比較すると10.9%減。

(参考)妊娠届出について
・妊娠届出は、母子健康手帳の交付や妊婦健康診査、両親学級、産前産後サポート事業などの母子保健サービスが適切に住民にゆきとどくよう、市町村が妊娠している者を早期に把握するための制度である。
・法令上、妊娠届出時期について時限は定められていないが、厚生労働省では、妊娠11週以下の時期の届出を勧奨しており、平成30年度には93.3%の妊婦が、妊娠11週までに届出を行っている。
・なお、多胎妊娠の場合、児の数にかかわらず1件として届出がなされる。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14095.html

2020年7月までの累計ベースでは、前年比5.1%減少となっています。

なお、2019年は2018年と比べて3.3%の減少でした。月ごとの変動はあるものの、新型コロナウイルスや緊急事態宣言等による影響は明白に出ています。

年間を通じてどれだけの影響が生じるかは、先の数字を見なければ判断しにくいです。