新型コロナウイルスに感染した20歳未満の子供の半数近くが無症状で、9割は治療することなく回復したとの研究結果を、厚生労働省研究班が15日発表した。感染経路については7割が家庭内で感染し、その半数が父親経由だったとしている。
研究代表者の福島県立医科大の細矢光亮教授(小児科学)ら研究班が、日本小児科学会のデータベースに登録された子供の症例1662例(4月27日現在)を分析した結果、約半数が無症状だった。9割に当たる1461例は治療せずに快方に向かったという。
感染経路は、7割(1171例)が家庭内感染で、そのうち半数の517例が父親経由で感染したという。経路不明は9%(153例)だった。変異株の感染が広がった1~4月の感染例491例でも同様の傾向だったという。
変異株流行によって子供の感染者数が増加したり重症化したりするというデータは確認されていないという。ただ分析対象の症例が少なく、海外では重症化や死亡例も報告されていることから、研究班メンバーで聖マリアンナ医科大の勝田友博講師は「油断してはいけない。子供の感染予防は成人が家庭内に持ち込まないことが重要だ。後遺症や将来的な健康への影響も今後の研究課題だ」と指摘した。
本研究は「新型コロナウイルスの小児への影響の解明のための研究」です。
大阪府の調査とも整合的です。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00391753/1-5_daiyonpa.pdf
「感染経路の7割が家庭内」というのは、昨年10月に当サイトで取り上げた内容を同一ですね。
子供の半数は無症状だそうです。これは学校や保育所等で感染した子供を見つけにくい事の裏返しです。
学校や保育所等で感染者が発生した場合は、広範囲の児童を検査する必要があります。全員PCRが理想ですね。
範囲を絞って検査を行っても、五月雨式に感染者が増加してしまう事例が少なくありません。結果的に休校や休園が長引き、家庭内感染も広げてしまいます。
【コロナ・4/21更新】豊中市立新田小学校でクラスター拡大、教職員22人・児童13人が感染、28日まで休校延長
【コロナ・4/27追記】職員陽性→他職員陽性→全職員PCRで複数陽性→全児童PCRで32人陽性 枚方市立保育所クラスター
勝田先生が指摘される通り、子供をコロナから防ぐには大人(特に父親)が家庭内へ持ち込まないことが重要です。
もしも家庭内の誰かが会食(ランチ・BBQ・宅飲みを含む)やカラオケといったハイリスク行動を計画していたら、絶対に止めて下さい。
先日、所用で大阪市内の繁華街を訪れました。行き交う人は少なく、休業している店舗も少なくありませんでした。
そうした中でも多くの若い人が複数人でランチ等を楽しみ、マスクなしで会話を楽しんでいました。20代の感染者が異常に多いのも納得できました。
大阪府における感染を減少させるには、こうした層の活動を如何に抑制するかが重要でしょう。当面は若年層の活動を引き起こす業態に休業等を要請するのは致し方ないでしょう。